「しいたけは体にいいと聞くけれど、具体的にどんな栄養が入っているのだろう」。乾物売り場や八百屋の店先でしいたけを手に取りながら、そんな疑問を持ったことはありませんか。
この記事では、しいたけに含まれる栄養素の特徴、生しいたけと干ししいたけの違い、栄養を活かす調理や保存のコツ、そしておすすめの食べ方まで、しいたけにまつわる疑問をひとつずつ整理していきます。
難しく考える必要はありません。まずは今日の食卓に、しいたけをどう取り入れるかを一緒に考えていきましょう。
しいたけの栄養の特徴(まず全体像)
「結局、しいたけにはどんな栄養が入っているの?」と聞かれたら、食物繊維とビタミンD、そしてしいたけ特有のうま味成分がその答えになります。まずは全体像から押さえていきましょう。

食物繊維とビタミンDを含む
しいたけの栄養の柱になっているのが、食物繊維とビタミンD(骨や歯の健康にかかわる栄養素の一つ)です。きのこ類は低カロリーでありながら食物繊維を含む食材として知られており、しいたけもその代表格のひとつといえます。
食物繊維は腸内環境を意識する方に注目されやすい栄養素です。しいたけに限らず、他のきのこ類にも共通する栄養の特徴について詳しく知りたい方は、きのこの栄養もあわせて参考にしてみてください。しいたけならではの成分については、次の項目で見ていきましょう。
エリタデニンやうま味成分も
しいたけには、エリタデニン(しいたけに特有に含まれる成分の一つ)という物質が含まれています。エリタデニンはコレステロールとの関わりについて研究が進められている成分ですが、まだ研究段階であり、食べればコレステロール値が下がると言い切れるものではありません。
このほか、しいたけのうま味を支えているのがグアニル酸(うま味成分の一つ)です。グアニル酸は乾燥させることで増える性質があり、だしの決め手になる成分として知られています。生のしいたけと干ししいたけでは、この含有量に大きな差が出ます。詳しくは次の章で解説します。
生しいたけと干ししいたけの違い
「生と乾燥、どちらを選べばいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。乾燥させることでビタミンDとうま味成分がぐっと増える一方、生のしいたけには生ならではのよさもあり、目的によって使い分けるのがおすすめです。

干すとビタミンDやうま味が増える
生しいたけと乾ししいたけを比べると、乾ししいたけのほうがビタミンDの含有量が大きく上回ります。これは、しいたけに含まれるエルゴステロール(きのこ類に含まれる成分の一つ)が、乾燥の工程で紫外線に反応してビタミンDに変わるためです。天日(てんぴ)でじっくり干すほど、この変化が進みやすいといわれています。
うま味の面でも、乾燥によってグアニル酸が増え、だしを取ったときの香りとコクが際立ちます。生しいたけのフレッシュな食感と、乾ししいたけの凝縮したうま味は、それぞれ違う魅力を持っているといえるでしょう。
目的に合わせた使い分け
炒め物やサラダなど、食感を活かしたい料理には生しいたけが向いています。一方、煮物やお吸い物、鍋料理のだしを取りたいときは、乾ししいたけを水で戻して使うのがおすすめです。
戻し汁にはうま味成分が溶け出しているため、捨てずに煮物やみそ汁の出汁として活用すると、栄養もうま味も余すことなく使い切れます。常備するなら生と乾燥の両方を用意しておくと、料理の幅が広がります。
栄養を活かす調理・保存のコツ
「どう扱えば栄養を無駄にしないの?」という疑問には、洗いすぎない・加熱しすぎない・保存を工夫するという3つの答えがあります。ここから具体的なコツを見ていきましょう。

洗いすぎず、加熱で食べやすく
しいたけは水で洗いすぎると、うま味や栄養が水に溶け出してしまいます。表面の汚れが気になる場合は、濡らしたキッチンペーパーやブラシで軽く拭き取る程度にとどめるのがおすすめです。石づき(軸の先端の硬い部分)を切り落とせば、下ごしらえは十分です。
加熱をすることで香りが立ち、独特の食感もやわらかくなって食べやすくなります。焼く、煮る、蒸すなど、どの調理法でもしっかり火を通すことを意識しましょう。
天日で干す・冷凍で使いやすく
生しいたけを使い切れないときは、スライスして天日に数時間ほど干してから使う方法もあります。天日に当てることでビタミンDが増えるといわれており、干すことでうま味も凝縮されるため、いつもの料理にひと工夫加えられます。
すぐに使わない分は、石づきを取ってカットしてから冷凍保存するのも便利です。冷凍することで細胞の組織が壊れ、うま味成分がより溶け出しやすくなるといわれています。凍ったまま調理に使えるので、忙しい日の時短にも役立ちます。
おすすめの食べ方
「結局、どう食べるのが一番いいの?」という方には、焼き・煮物・だしという定番の使い方から、無理なく続けられるアレンジまで幅広くご紹介します。

焼き・煮物・だしの定番
しいたけのシンプルな楽しみ方といえば、肉厚な軸を活かした網焼きや、バターしょうゆ焼きです。かさの内側に調味料をためて焼くと、うま味を逃さず味わえます。
煮物では、乾ししいたけを戻して他の根菜と一緒に炊き合わせると、うま味がしみ込んだ一品に仕上がります。和食のだしとしても優秀で、乾ししいたけの戻し汁は、昆布や煮干しと合わせて使うと風味に深みが出ます。
続けやすいアレンジ
毎日の食卓に取り入れやすいのが、みそ汁やスープの具材として使う方法です。薄切りにして炒め物や卵とじに加えれば、かさ増しにもなり、無理なく野菜やきのこの摂取量を増やせます。
刻んでハンバーグやそぼろに混ぜ込むと、しいたけの風味が苦手な方でも食べやすくなります。冷凍しておいたしいたけをそのまま加えるだけでよいので、忙しい日の一品にも取り入れやすい食材です。
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食べるときの注意点
「体にいいと聞くと、たくさん食べたくなりますよね」。ですが、しいたけには気をつけたいポイントもいくつかあります。生食を避けることと、量や体質への配慮について、ここで確認しておきましょう。

生では食べず加熱してから
しいたけは必ず加熱してから食べましょう。生のしいたけや加熱が不十分なしいたけを食べると、まれに皮膚に赤みやかゆみを伴う発疹が出ることが知られています。しっかり加熱することで防げるとされているため、生食や半生の状態で食べるのは避けてください。
バーベキューなどでさっと炙っただけの状態は、加熱が不十分になりやすいので注意が必要です。中心までしっかり火が通っているかを確認してから食べるようにしましょう。
食べ過ぎや体質への配慮
しいたけは食物繊維が豊富な分、一度に大量に食べるとお腹が張ったり、消化に負担を感じたりすることがあります。普段の食事にプラスする程度の量を目安に、様子を見ながら取り入れるとよいでしょう。
また、きのこ類にアレルギーがある方や、体調に不安がある方は、無理に食べずに医師に相談してから取り入れることをおすすめします。持病があり食事制限がある方も、念のため主治医に確認しておくと安心です。
まとめ
- しいたけには食物繊維とビタミンDが豊富に含まれ、エリタデニンやグアニル酸などしいたけ特有の成分も注目されています
- 乾燥させることでビタミンDとうま味成分のグアニル酸が増え、生と乾燥では栄養バランスに違いがあります
- 洗いすぎず、拭く程度の下ごしらえと、しっかり加熱することが栄養を活かすコツです
- 天日干しや冷凍保存を活用すると、うま味を凝縮させながら使いやすく保存できます
- 生食は避けて必ず加熱し、食べ過ぎず体質に合わせて取り入れましょう
しいたけは特別な調理をしなくても、日々の食卓に取り入れやすい食材です。まずは今日の一品に、しいたけをプラスするところから始めてみてください。

