「トマトは体にいいとよく聞くけれど、具体的に何がすごいのかよくわからない」そう感じたことはありませんか。サラダや炒め物、ジュースなど幅広く親しまれているトマトですが、実は赤い色そのものに、注目されている成分が関わっています。
この記事では、トマトに含まれる栄養素の特徴と、それぞれの成分が体とどう関わっているのか、そして栄養を活かす調理・保存のコツやおすすめの食べ方までを整理します。
難しく考えず、まずは普段の食卓にトマトを取り入れるところから、一緒に確認していきましょう。
トマトの栄養の特徴(まず全体像)
トマトの栄養の特徴は、赤い色のもとになるリコピンをはじめ、ビタミンCやカリウム、食物繊維など複数の栄養素をまとめてとれることです。あわせて、トマトならではのうま味成分についても見ていきましょう。

リコピンなど赤い色素の成分
トマトの赤い色は、リコピン(トマトなどに含まれる赤い色のもとになる色素成分)によるものです。リコピンはカロテノイド(植物や藻類に含まれる黄色や赤色の色素成分の総称)の一種で、完熟したトマトほど多く含まれる傾向があるといわれています。トマト(赤色トマト・生)には、可食部100gあたりリコピンが数mg~10mg程度含まれるとされ、加工用トマトやミニトマトなど品種によっても含有量に幅があります。
ビタミンCやカリウムも含む
トマト(生)には、可食部100gあたりビタミンCが15mg、カリウム(体内の水分バランスに関わるミネラル)が210mg含まれています。これは同じく夏野菜のきゅうり(100gあたりカリウム約200mg)とほぼ同程度の量です。エネルギーは100gあたり20kcal前後と低めで、水分量が多く、みずみずしい食感の食材でもあります。食物繊維も100gあたり1g程度含まれており、あわせてとれる点も特徴です。
含まれる成分と体との関わり
トマトに含まれるリコピンは、研究が進められている段階の成分です。加熱や油との組み合わせ方によって、体への吸収されやすさが変わるといわれています。

リコピンは研究が進む成分
リコピンは、体の中で発生する物質への働きが注目され、研究が進められている成分です。とはいえ、特定の食品をとったからといって体調がすぐに変わるとは限らず、感じ方には個人差があります。トマトを含め、日々の食事全体のバランスの中で無理なく取り入れていく考え方がおすすめです。ビタミンCは体内でコラーゲンの生成に関わる栄養素として知られており、カリウムは厚生労働省の食事摂取基準でも摂取が推奨されているミネラルのひとつです。
加熱や油と合わせて吸収が変わる
リコピンは脂溶性(油に溶けやすい性質)の成分で、生のまま食べるよりも、加熱したり油と一緒にとったりすることで吸収されやすくなるといわれています。トマトを煮込んだり、オリーブオイルで炒めたりする調理法は、こうした性質を活かした食べ方のひとつです。トマトジュースなど加工されたトマト製品も、加熱処理の過程でリコピンがとりやすい状態になっているとされています。
栄養を活かす調理・保存のコツ
トマトの栄養を活かすコツは、加熱や油と組み合わせることと、完熟したものを選ぶことです。保存の工夫やトマトジュースの活用もあわせて確認しましょう。

加熱・油と合わせてリコピンを活かす
トマトソースやスープなど、油を使って加熱する料理は、リコピンの吸収されやすさを高めやすい食べ方とされています。オリーブオイルやごま油など、普段使いの油と組み合わせるだけで手軽に試せます。加熱すると同時にビタミンCは減りやすい性質があるため、加熱調理と生食を状況に応じて使い分けると、両方の栄養素をバランスよく取り入れやすくなります。
完熟や保存の工夫・トマトジュースの活用
トマトは完熟するほどリコピンの含有量が増える傾向があるといわれており、赤みが濃く、ヘタがピンとしたものを選ぶとよいでしょう。常温で追熟させてから冷蔵庫に移すと、風味を保ちやすくなります。生のトマトを切らしているときや、まとめてとりたいときは、無塩タイプのトマトジュースを活用するのもひとつの方法です。加熱・濃縮の工程を経ているぶん、リコピンをとりやすい状態になっているとされていますが、糖分や塩分が添加された製品もあるため、原材料表示を確認して選ぶと安心です。
おすすめの食べ方
トマトの定番の食べ方は、サラダやスープです。加熱料理やソースへのアレンジも紹介します。

サラダ・スープの定番
輪切りやくし切りにしたトマトは、オリーブオイルや塩をかけるだけのシンプルなサラダとして楽しめます。オニオンスライスやモッツァレラチーズと合わせると、彩りも良くなります。スープにする場合は、玉ねぎやセロリと一緒にコトコト煮込むと、トマトの酸味がまろやかになり、うま味成分のグルタミン酸(食材のうま味のもとになるアミノ酸の一種)がスープ全体に広がります。
加熱料理やソースのアレンジ
トマトを角切りにして卵と炒め合わせると、手早く作れる一品になります。じっくり煮詰めてトマトソースにすれば、パスタや煮込み料理の土台としても活用できます。にんにくや玉ねぎと一緒に炒めてから煮込むと、うま味成分同士が重なり合い、味わいに奥行きが出やすくなります。作り置きしたソースは小分けにして冷凍しておくと、忙しい日の調理の手間を減らせます。
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食べるときの注意点
トマトは体を冷やしやすい面もあるため、食べ過ぎには注意が必要です。体質や持病がある方は、量やとり方に配慮しましょう。

食べ過ぎや体の冷えに注意
トマトは水分量が多い野菜のため、一度に大量に食べると、お腹が冷えたり、ゆるくなったりすることがあります。特に体が冷えやすいと感じる方は、冷たいまま食べるよりも、スープや炒め物など温かい状態でとる方法を選ぶと安心です。何にでも当てはまるわけではありませんが、体調や季節に合わせて量や食べ方を調整するとよいでしょう。
体質や持病がある方の配慮
トマトはナス科の野菜であり、頻度は高くないものの、食べた後に口の中がかゆくなる、じんましんが出るといった体調の変化が報告されている食材のひとつです。食べた後に気になる症状を感じた場合は、無理に食べ続けず医療機関に相談してください。腎機能に制限がありカリウムの摂取量を管理されている方や、持病があり食事制限を受けている方は、量やとり方について事前にかかりつけ医に確認しておくと安心です。
まとめ
- トマトの赤い色はリコピンによるもので、ビタミンCやカリウム、食物繊維もあわせて含む野菜
- リコピンは研究が進められている段階の成分で、加熱や油と組み合わせると吸収されやすくなるといわれている
- 完熟したトマトを選び、加熱調理や油と合わせることが栄養を活かすコツ
- 生のトマトが手元にないときは、無塩タイプのトマトジュースの活用もひとつの方法
- 水分量が多く体を冷やしやすい面もあるため、体質に合わせて量や食べ方を調整する
まずは今日の献立に、サラダやスープなどいつもの一品としてトマトを取り入れてみましょう。

