いちじくの効果は?プチプチの果実に詰まった食物繊維と酵素のはたらき

腸活・腸内環境

「いちじくは好きだけれど、体にどんな効果があるのかはよく知らない」という方も多いのではないでしょうか。店頭に赤紫色のふっくらした実が並ぶと、夏の終わりや秋の気配を感じる方も少なくないはずです。

この記事では、いちじくの特徴から含まれる栄養素、期待されている働きの実際、栄養を活かす食べ方、食べるときに知っておきたい注意点までをまとめて整理します。

難しい専門知識がなくても大丈夫です。旬のいちじくを今シーズンどう楽しむか、一緒に考えていきましょう。

いちじくの特徴(まず全体像)

いちじくと聞いて、その成り立ちまで思い浮かぶ方は少ないかもしれません。ひと言でまとめると、いちじくの特徴は「花を実の中に咲かせる、めずらしい果実」であることと、「生でも干しても楽しめる」ことの2点にあります。まずはこの2つを押さえておきましょう。

いちじくの実|秋の果実のイメージ

花を実の中に咲かせる果実

いちじくは漢字で「無花果」、つまり「花の無い果実」と書きます。とはいえ花が無いわけではなく、私たちが食べているプチプチとした部分こそが、実の内側に咲いた無数の小さな花の集まりです。外からは花が見えないことから、この名がついたといわれています。国内では愛知や和歌山などを中心に栽培され、夏の終わりから秋にかけて旬を迎える、季節を感じやすい果物です。

生のいちじくと干しいちじく

いちじくには、みずみずしい「生」と、水分を抜いて甘みを凝縮させた「干しいちじく(ドライいちじく)」があります。生はやわらかい果肉ととろけるような甘さが持ち味で、干しいちじくは噛むほどに濃い甘みが広がり、栄養も凝縮されるのが特徴です。生は旬の時期にしか味わえませんが、干しいちじくは一年を通して手に入れやすく、同じ果実でも違った楽しみ方ができます。

いちじくに含まれる栄養素

「いちじくにはどんな栄養が入っているの?」と気になる方もいるはずです。いちじくには食物繊維の一種であるペクチンが比較的含まれているほか、カリウムやカルシウム、フィシンと呼ばれる酵素もあわせ持っています。ひとつずつ見ていきましょう。

いちじくの断面|栄養素のイメージ

食物繊維とペクチン

いちじくは、果物の中でも食物繊維を比較的含んでいるのが特徴です。文部科学省の食品成分データベース(八訂)によると、いちじく(生)100gあたりの食物繊維総量は1.9gです。このうちいちじくには、水に溶けやすい水溶性食物繊維であるペクチンが含まれています。ペクチンはジャムづくりでとろみのもとになる成分としても知られ、お腹の中で水分を含んでゲル状になる性質があります。食物繊維は、お腹の中で消化・吸収されにくく便のかさを増やす成分として知られています。

カリウム・カルシウムとフィシン

いちじく(生)100gあたりには、体内の水分バランスや余分な塩分の排出に関わるミネラルであるカリウムが170mg、骨や歯の材料となるカルシウムが26mg含まれています。カルシウムは果物にはあまり多くない栄養素ですが、いちじくは比較的含んでいる部類です。さらにいちじくには、フィシンと呼ばれるタンパク質を分解する酵素も含まれています。肉料理にいちじくを合わせると肉がやわらかくなりやすいのは、この酵素のはたらきによるものといわれています。ほかの果物である柿の栄養とは含有量のバランスが少し異なり、果物によって得意な栄養素が違うのもおもしろいところです。

いちじくに期待されている働き

「いちじくを食べるとお通じにいい」「美容にいい」といった話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。結論からお伝えすると、いちじくに含まれる成分の多くは研究が進められている段階であり、こうした働きが明確に証明されているわけではありません。ここでは現時点でわかっていることを整理します。

いちじくと研究段階の成分のイメージ

ペクチンや酵素の働きは研究途上

いちじくに含まれるペクチンやカリウム、フィシンなどの成分は、健康との関わりについてさまざまな研究が行われています。ただし、これらは食品成分としての基礎的な研究段階にあるものも多く、いちじくを食べることで特定の不調が改善するとまで結論づけられているわけではありません。いちじくは機能性表示食品やトクホ(特定保健用食品)としての届出・許可を受けた食品ではない点も、あわせて知っておきたいポイントです。

「お通じ」「美容」と言い切れない理由

いちじくは昔から「お腹の調子にやさしい果物」として親しまれてきましたが、これはあくまで食物繊維を含む果物に対して一般的に語られてきた話であり、いちじくだけの特別な働きとして立証されたものではありません。「食物繊維は美容に」といった話も、いちじくに限らずさまざまな食品で語られる一般的な傾向です。体感には個人差があり、日々の食事全体のバランスや生活習慣、そのときの相性も大きく関わります。いちじくはあくまで、季節の食卓を彩るバランスのよい果物のひとつとして捉えるのがよさそうです。

栄養を活かす食べ方

「どう食べれば、いちじくをおいしく楽しめるの?」という方に向けて、ここでは栄養を無駄にしにくい食べ方を紹介します。ポイントは「よく熟したものを生で味わう」ことと、「干しいちじくやアレンジで変化をつける」ことの2つです。

干しいちじくとヨーグルト|食べ方のイメージ

よく熟したものを生で味わう

いちじくは、皮をむいてそのまま生でいただくと、みずみずしい甘さと果肉のやわらかさを楽しみやすい食べ方です。皮のすぐ下にも栄養があるため、皮が薄くやわらかいものは皮ごと食べるのもよいでしょう。収穫後に大きく追熟しにくい果物なので、購入したら早めに味わうのがおすすめです。少しやわらかく熟したものは冷やしてそのまま、あるいは軽く凍らせてシャーベット風にするのも、暑さの残る時期に向いています。

干しいちじくとヨーグルト・料理

水分を抜いた干しいちじくは、甘みと栄養が凝縮されるのが特徴です。食品成分データベース(八訂)では、干しいちじく(乾)100gあたりの食物繊維は10.7g、カリウムは840mg、カルシウムは190mg、鉄は1.7mgと、いずれも生よりぐっと多くなります。そのまま食べるほか、細かく刻んでヨーグルトに混ぜたり、赤ワインで煮たり、サラダや肉料理に添えたりと、料理のアクセントとしてもアレンジしやすい食材です。生はみずみずしさを、干しいちじくは凝縮した甘みと栄養を、と使い分けるとよいでしょう。

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食べるときの注意点

いちじくはおいしい果物ですが、食べ方によっては気をつけたい点もあります。ここでは「食べすぎと糖質」と「口や舌のピリピリ・アレルギー」という2つの注意点を紹介します。

いちじくの小皿|量を意識するイメージ

食べすぎと糖質への配慮

いちじくは甘くて食べやすい一方、糖質を含む果物であるため、一度にたくさん食べすぎないよう量を意識するとよいでしょう。特に干しいちじくは水分が抜けて甘みも栄養も凝縮されているぶん、少量でも糖質やカロリーが高くなりやすいので、食べる量に気を配ると安心です。また、食物繊維を含むことから、大量に食べるとお腹が張ったり、ゆるくなったりすることもあります。ほかの食材と同様、量を控えめにしながら楽しむとよいでしょう。

口や舌のピリピリとアレルギー

いちじくを食べたときに、口の中や舌がピリピリすると感じる方がいます。これは、いちじくに含まれるフィシンというタンパク質分解酵素などが関わっているといわれ、特に熟しきっていないものや、切ったときに出る白い液に触れたときに起きやすいとされます。多くは一時的なものですが、気になる場合は口のまわりを洗い流すとよいでしょう。また、体質によってはいちじくでアレルギーが起きることもあります。いちじくを食べたあとに口の中やのどの違和感、じんましんなどの変化が気になる場合は、自己判断せず医療機関に相談することをおすすめします。

まとめ

いちじくは、花を実の中に咲かせるめずらしい果実で、食物繊維の一種であるペクチンやカリウム、カルシウム、フィシンという酵素をあわせ持つのが特徴です。含まれる成分の多くは研究段階にあり、「お通じ」「美容」といった働きを断定できるものではありません。旬の時期を意識しながら、無理なく食卓に取り入れてみてください。

  • いちじくは花を実の中に咲かせる果実で、生と干しいちじくで楽しみ方が変わります
  • いちじく(生)100gに食物繊維1.9g、カリウム170mg、カルシウム26mgなどを含みます
  • 干しいちじく(乾)は食物繊維10.7g、カリウム840mgと栄養がぐっと凝縮されます
  • 「お通じ」「美容」への働きは研究段階で、機能性表示食品やトクホでもありません
  • 生はみずみずしさ、干しいちじくは凝縮した甘みと栄養を、と使い分けると活かしやすくなります

いちじくが実るのは短い季節です。旬を逃さず、今年の食卓にも一皿加えてみてはいかがでしょうか。

参考文献

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