「豆乳は体にいいらしいけれど、実際どんな効果があるの?」ホルモンバランスや美容への期待から手に取る方も多いのではないでしょうか。ホルモンバランスが整う、美容にいいなど、豆乳をめぐる話はいろいろな形で耳に入ってきますが、どこまでが本当なのか迷ってしまう方も多いはずです。
この記事では、豆乳がどんな飲み物なのかという基本から、含まれる栄養素、大豆イソフラボンについて今わかっていること、そして飲み方の目安や気をつけたい点までを順番に整理します。
難しい話は最小限にとどめます。今日のコップ1杯を選ぶときの参考にしていただければと思います。
豆乳ってそもそも何からできている?
豆乳とは何かと聞かれたら、答えはシンプルです。大豆を水に浸して煮て、搾った汁のことを豆乳と呼びます。そのうえで知っておきたいのが「無調整」「調製」「豆乳飲料」という3つの分類の違いです。まずは豆乳がどんな飲み物なのか、全体像から見ていきましょう。

大豆を水に浸して搾った飲み物
豆乳の作り方はいたってシンプルです。大豆を一晩ほど水に浸してやわらかくし、すりつぶして煮たあと、布などで搾って液体だけを取り出します。この搾り汁が豆乳で、搾ったあとに残る繊維質の部分は「おから」と呼ばれます。おからにも大豆由来の栄養が残っており、おからの栄養でくわしく紹介していますので、あわせてご覧ください。大豆をまるごと使う豆腐や納豆と違い、豆乳は搾って作る分、口当たりがなめらかで飲みやすいのが特徴です。
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無調整・調整・豆乳飲料の違い
スーパーの豆乳売り場には、パッケージに「無調整」「調製」「豆乳飲料」と書かれた商品が並んでいます。無調整豆乳は大豆と水だけで作られたシンプルなタイプで、大豆そのものの風味が強く出ます。調製豆乳は飲みやすくするために砂糖や塩、油分などが加えられたタイプ、豆乳飲料はさらに果汁や抹茶、コーヒーなどで風味づけされたタイプです。加える原料が増えるほど飲みやすくなる一方、大豆の割合は下がっていく傾向にあるため、栄養面を重視するなら無調整豆乳を選ぶのがひとつの目安になります。
豆乳に含まれる栄養素
豆乳の栄養というと漠然としたイメージを持つ方も多いかもしれません。中心にあるのは「たんぱく質」と「大豆イソフラボン」で、そこにカリウムや鉄、サポニンといった成分が加わります。ひとつずつ見ていきましょう。

たんぱく質・大豆イソフラボン
文部科学省の食品成分データベースによると、無調整豆乳には100gあたり3.6gのたんぱく質が含まれています。コップ1杯(200ml、およそ200g)を飲むと7g前後のたんぱく質を摂れる計算になり、ゆで卵1個分(約6〜7g)に近いたんぱく質を飲み物からとれることになります。
もうひとつの代表的な成分が大豆イソフラボンです。大豆イソフラボンは、体内でつくられる女性ホルモンの一種であるエストロゲン(女性らしい体づくりに関わるホルモン)と似た構造を持つ成分として研究が進められています。ただし「似た構造を持つ」ことと「飲めば同じように働く」ことはイコールではなく、この点については次の章でくわしく触れます。
カリウム・鉄・サポニン
無調整豆乳には、100gあたりカリウムが190mg、鉄が1.2mg含まれています。カリウムは、目安としてよく比較されるバナナ(100gあたり約360mg)の半分ほどの量です。鉄は、月経のある成人女性の1日の推奨量の目安(10.5mg前後)の1割強にあたります(月経のない女性の目安は6.5mg前後です)。このほか、大豆特有の苦味や渋みのもとになる「サポニン(大豆の皮や胚芽に多く含まれる成分)」も含まれており、体内での働きについて研究が進められている成分のひとつです。
豆乳に期待されている働き
「豆乳を飲めばホルモンバランスが整う」「豆乳でダイエットできる」といった話も聞きますが、いずれも飲むだけでそうなると言い切れるものではありません。大豆イソフラボンはまだ研究段階の成分だからです。

大豆イソフラボンは研究段階
大豆イソフラボンについては国内外でさまざまな研究が行われていますが、多くはまだ研究の途中段階にあります。豆乳は機能性表示食品やトクホ(特定保健用食品)ではなく、通常の食品に分類されます。大豆イソフラボンを関与成分としたトクホ商品も一部にはありますが、それは個別の商品として国の審査を受けたものであり、豆乳全般に当てはまる話ではありません。
「女性ホルモン」「ダイエット」と言い切れない理由
大豆イソフラボンはエストロゲンと似た構造を持つ成分として研究されていますが、「飲めば女性ホルモンが整う」「飲むだけで体重が落ちる」「コレステロールが下がる」と言い切れるものではありません。体内での感じ方や働き方には個人差があり、豆乳を飲んだからといって体質がすぐに変わるわけではないのです。豆乳は薬ではなく、あくまで大豆からできた食品のひとつとして、毎日の食生活に無理なく取り入れるものと捉えておくとよさそうです。
飲み方と量の目安
豆乳はどのくらい飲めばいいのか気になる方も多いはずです。目安としては、1日コップ1杯(200ml)程度を無理なく続けることがひとつの目安になります。飲み方のバリエーションも見ていきましょう。

1日コップ1杯程度を目安に
明確な摂取量の基準が定められているわけではありませんが、1日コップ1杯(200ml)程度を目安に、毎日の食生活の一部として続ける飲み方であれば、特別な心配をする必要は少ないと考えられます。飲みすぎに関する注意点は、次の章であわせて確認しておきましょう。
そのまま・料理・スムージーに
無調整豆乳はそのまま飲むほか、味噌汁やシチューに牛乳代わりに使ったり、フルーツと合わせてスムージーにしたりと、料理にも活用しやすい食材です。調製豆乳や豆乳飲料は甘みがついているため、コーヒーに混ぜてソイラテ風にするなど、好みに合わせて気軽に楽しめます。
飲む前に知っておきたい注意点
豆乳は体にやさしいイメージがある一方で、飲み方によっては注意しておきたい点もあります。ポイントは「飲みすぎない」ことと「体質に合わせる」ことの2つです。

飲みすぎ・イソフラボンの過剰摂取に注意
食品安全委員会は、日常の食事から摂る大豆イソフラボンの安全な摂取目安の上限値をアグリコン換算で1日70〜75mg程度とし、特定保健用食品(トクホ)として上乗せ摂取する場合の上限値を1日30mg程度としています。トクホ以外のサプリメントについて委員会は個別の評価をしていませんが、この考え方を目安に摂りすぎないよう注意するとよいでしょう。豆乳を毎日コップ1〜2杯飲む程度であれば通常の食生活の範囲内ですが、サプリメントと豆乳を重ねて大量に摂り続けるようなことは避けたほうがよいでしょう。
持病がある方・体質に不安がある方へ
大豆アレルギーがある方は、豆乳を口にすることで症状が出る場合があるため、避けるか医師に相談してから取り入れるようにしてください。また、持病で食事制限を受けている方や薬を服用中の方も、自己判断で大量に摂り入れる前に、かかりつけの医師や管理栄養士に相談しておくと安心です。
まとめ
- 豆乳は大豆を水に浸して搾った飲み物で、無調整・調製・豆乳飲料の3タイプがあります
- 無調整豆乳は100gあたりたんぱく質3.6g、カリウム190mg、鉄1.2mgなどの栄養を含みます
- 大豆イソフラボンはエストロゲンと似た構造を持つ成分として研究段階にあり、「ホルモンが整う」「体重が落ちる」と言い切れるものではありません
- 目安は1日コップ1杯程度、そのまま・料理・スムージーなど気軽に取り入れられます
- 飲みすぎやイソフラボンの過剰摂取、アレルギーには注意しましょう
まずは今日、コップ1杯の無調整豆乳から試してみてはいかがでしょうか。

