「毎日飲み続けて大丈夫かな」「そろそろやめどきかもしれない」。ビオフェルミンを愛用している方なら、一度はそんな不安がよぎったことがあるのではないでしょうか。副作用やデメリットが気になったり、「飲み過ぎたら危険?」「ビオスリーと一緒に飲んでもいいの?」「同じ成分でもっと安い薬はないか」など、知りたいことは尽きないものですよね。同じ疑問を持つ方はたくさんいらっしゃいますので、ひとつずつ丁寧に整理していきましょう。
この記事では、新ビオフェルミンS(指定医薬部外品)と医療用ビオフェルミンの違いから始まり、毎日の服用で何が起こるか、デメリットと合わない場合の対処法、飲み過ぎ(OD)の安全情報、類似品との成分比較、ビオスリーとの併用可否、副作用、受診の目安まで、正確な情報にもとづいて丁寧にまとめました。
「添付文書に何が書いてあるのか」「安全性の根拠はどこにあるのか」も丁寧に解説していきますので、ビオフェルミンを正しく理解して安心して使いたい方、服用の判断に迷っている方はぜひ参考にしてください。
ビオフェルミンとは?種類と基本情報
「ビオフェルミンっていろいろ種類があるみたいだけど、何が違うの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。実はビオフェルミンには「新ビオフェルミンS」(指定医薬部外品)と「ビオフェルミン錠剤」(医療用医薬品)の2種類があります。市販で買えるのは前者で、大正製薬が製造・販売しているものです。まずはこの章で、種類と成分の基本を整理していきましょう。

ビオフェルミンは大正製薬が販売する乳酸菌系の整腸薬
ビオフェルミンは、大正製薬株式会社が製造・販売する整腸薬ブランドです。「新ビオフェルミンS」が最も広く知られており、ドラッグストアや薬局、通販サイトで処方箋なしに購入できます。
整腸薬とは、腸内フローラ(腸内細菌叢=腸に棲む細菌の集まり)のバランスを整えることで、便通異常や腸の不快症状を和らげることを目的とした薬です。下痢止め薬のように腸の動きを強制的に抑えるのではなく、腸内に生きた菌を補充して、腸内環境を本来の状態へ近づけていくアプローチをとります。
「ビオフェルミン」というブランド名のもとには、複数の製品ラインがあります。市販品(新ビオフェルミンS錠・新ビオフェルミンS細粒・新ビオフェルミンS五歳散)と、医療機関で処方される医療用の製品が存在し、それぞれ規制・成分・対象が異なります。購入・服用前に「自分が使おうとしているのはどちらか」を確認しておくことが、まず大切な第一歩です。
市販の新ビオフェルミンSと医療用ビオフェルミンの違い
新ビオフェルミンSは指定医薬部外品として分類されており、薬局・ドラッグストア・通販サイトで処方箋なしに購入できます。「医薬品に近い製品」として品質・安全性の基準は設けられていますが、効能効果の表現には医薬品より制約があります。
一方、医療用ビオフェルミンには「ビオフェルミン配合散」「ビオフェルミン配合錠」などの製品があり、医師の処方箋が必要な医療用医薬品です。保険診療の対象となり、小児科・内科・消化器内科などで処方される場面が多く見られます。抗生物質服用後の腸内環境ケアや、手術後の腸管機能回復など、より幅広い適応で使われています。
一般の方がドラッグストアで「ビオフェルミン」として購入できるのは、基本的に新ビオフェルミンSの製品ラインです。本記事では特に断りがない限り、市販品の「新ビオフェルミンS」を中心に解説していきます。
配合されている3種の菌とそれぞれの役割
新ビオフェルミンSには、3種類の乳酸菌が配合されています。
- フェカリス菌(Streptococcus faecalis):主に小腸の上部ではたらき、乳酸・酢酸をつくって腸内を弱酸性に保ちます。増殖が速く、早い段階で腸内フローラを整える方向にはたらきます。
- アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilus):小腸の下部から大腸ではたらき、乳酸をつくります。ヨーグルトや腸活サプリにも広く使われている、おなじみの乳酸菌です。
- ビフィズス菌(Bifidobacterium longum):大腸ではたらき、乳酸・酢酸をつくります。特に乳幼児の腸内に多く存在する菌で、腸内フローラのバランス維持に役立つと考えられています。
3種の菌が腸の異なる場所でそれぞれ役割を担いながら、腸内フローラ全体のバランスをサポートする。これが新ビオフェルミンSの設計思想です。
添付文書に記載された効能効果の範囲
新ビオフェルミンSの添付文書に記載されている効能効果は「整腸(腸内フローラを整える)・便秘・軟便・腹部膨満感」の範囲です。これが薬(指定医薬部外品)として保証された効果であり、この範囲以外の効果を断定することはできません。
「腸内環境が整うことで免疫力が上がる」「肌が改善する」「痩せた」などの口コミは実際に見かけますが、これらはいずれも添付文書記載の効能効果の範囲外であり、新ビオフェルミンSの使用によって保証された効果ではない点は、正確に理解しておく必要があります。
効能効果は「整腸・便秘・軟便・腹部膨満感」。この範囲を超えた効果を断定することは薬機法上適切ではないため、本記事でもこの範囲にもとづいて解説を進めていきます。
ビオフェルミンを飲み続けた結果はどうなる?
「このまま飲み続けたら、いったいどうなるんだろう」。そんな疑問を抱く方は少なくありません。添付文書と公式情報にもとづいてお答えすると、毎日の継続服用で腸内フローラのバランス維持が期待できますが、「治る」「完全に改善する」といった断定はできません。個人差があることと、やめどきの判断基準を正確に知っておくことが、この章のポイントです。

毎日飲み続けることで期待できること(添付文書ベース)
新ビオフェルミンSを毎日服用し続けることで期待できるのは、添付文書に記載された効能効果の範囲から考えると「腸内フローラのバランスが整いやすい状態を、継続的に保つこと」です。
整腸薬の仕組みは、下痢止めや下剤のように腸の動きを強制的に操作するものではなく、腸内の菌のバランスを整える方向に補助するものです。そのため服用を続けることで腸内フローラへの菌の補充が継続的に行われ、便通のリズムが整いやすくなったり、お腹の不快感が落ち着きやすくなったりする変化が期待できます。
ただし、これは「毎日飲めば必ず効く」「治る」という断定ではありません。腸内フローラの状態は食事・ストレス・生活習慣・年齢・体質などに大きく左右されるため、薬を飲んでも変化を感じやすい方・感じにくい方がいらっしゃるのが実際のところです。
効果を実感するまでの目安期間
整腸薬は、飲んですぐに効果が出ることを期待する薬ではありません。腸内フローラのバランスを変えるには、継続的に菌を補い続けることが前提になるため、効果を実感するまでには個人差があります。
目安として、2〜4週間継続して服用することで変化を感じやすくなるといわれています。ただしこれはあくまで一般的な目安であり、添付文書では用量の範囲内での適切な継続服用が求められています。2週間服用しても症状が改善しない場合は、自己判断で使い続けず、薬剤師または医師に相談することが必要です(詳しくは「こんなときは薬剤師・医師に相談を」の章で解説します)。
飲み続けて「効かなくなる」ことはあるか?
「長期間飲み続けると、効かなくなるのでは?」という不安をお持ちの方は少なくありません。この疑問への答えは、整腸薬の仕組みから考えると明確です。
新ビオフェルミンSに配合された乳酸菌・ビフィズス菌は、もともと腸内に存在する菌の種類であるため、麻薬・向精神薬・ステロイドのような「耐性(薬が効きにくくなる現象)」を生じさせる仕組みを持っていません。刺激性下剤(センノシドなど)が長期使用で腸の動きが鈍くなるリスクがあるのとは、薬の種類と仕組みが異なります。
腸内フローラの構成は日々変化しており、食事・生活習慣の影響を常に受けているため、整腸薬を飲み続けることで効果が出続けるかどうかには個人差があります。「飲んでいる間は調子がよいけれど、やめると戻ってしまう」という感覚は、整腸薬の効果というよりも、日常の腸内環境への菌補充が続いているかどうかの問題として理解すると、わかりやすいでしょう。
服用をやめるタイミングの目安
整腸薬の服用をいつやめるかについて、明確なルールがあるわけではありません。症状の状態・使用目的・服用期間によって、判断は変わってきます。
市販品として使う場合の基本的な考え方は「症状が改善したら、続ける必要があるかどうかを薬剤師に相談する」ということです。症状がなくなったあともいつまでも飲み続ける必要があるかどうかは、自己判断ではなく専門家に確認することが望ましいでしょう。
また、2週間服用しても症状に改善がみられない場合は、背景に別の疾患が隠れている可能性があるため、服用を続けるよりも医療機関への受診を優先する必要があります。「なんとなく続けている」という状態で長期服用するよりも、薬剤師や医師に続けてよいか確認することをおすすめします。
ビオフェルミンの安全性と毎日服用
「毎日飲み続けて、体に負担はかからないかな」。そう心配になる気持ち、よくわかります。結論からお伝えすると、用法・用量を守った毎日の服用は、一般的に問題ないとされています。整腸剤は刺激性下剤のように耐性・依存が生じる仕組みを持っていません。ただし、症状が落ち着いたあとも漫然と飲み続けることが本当に必要かどうかは、薬剤師や医師に確認しておくと安心です。この章で詳しく見ていきましょう。

毎日服用と耐性・依存の関係
ビオフェルミン(新ビオフェルミンS)を毎日服用することで耐性や依存が生じるのかという疑問に、整腸薬の仕組みからお答えします。
耐性とは「薬を長期間使い続けることで、同じ量では効果が得られにくくなる現象」のことです。刺激性下剤(センノシド・ビサコジルなど)は長期使用で腸の蠕動機能が低下するリスクが指摘されていますが、整腸薬は腸を直接刺激するのではなく腸内に生きた菌を補充するアプローチのため、このような耐性が生じる仕組みを持っていません。
依存についても同様です。整腸薬の成分(乳酸菌・ビフィズス菌)はもともと腸内に存在する菌であり、麻薬・向精神薬のような依存性を引き起こす薬理作用はありません。「整腸薬をやめると腸が自力で菌を作れなくなる」ということはなく、服用をやめても腸内フローラは徐々に元の状態へ近づいていきます。
安全性が高い一方で、「市販品として買える整腸薬を長期間、自己判断で使い続けること」が常に適切かどうかは、また別の問題です。症状の背景に別の疾患が隠れている可能性もあるため、症状が長く続く場合は薬剤師・医師への相談が必要です。
赤ちゃん・妊娠中・授乳中の長期服用は安全か
赤ちゃんへの使用については、製品によって対象年齢が設定されているため、事前の確認が必要です。
新ビオフェルミンS細粒は0歳から使用できる剤形として設計されており、用量も年齢ごとに定められています。ただし乳幼児への薬の使用は、市販品であっても自己判断は避け、まず小児科医または薬剤師に相談することが望ましいでしょう。乳幼児は症状が急速に悪化することがあり、腸の不調が下痢・嘔吐・脱水につながるケースもあるためです。
妊娠中の服用については、新ビオフェルミンSの添付文書に明確な禁忌記載はないことが多いのですが、妊娠中は体質が変化しているため、普段は問題なく飲める薬でも注意が必要な場合があります。「天然の菌だから安全」という判断だけで自己判断して使うことは適切ではありません。必ずかかりつけの産婦人科医または薬剤師に確認してから使用してください。
授乳中も同様です。市販薬の添付文書に禁忌の明示がない場合でも、授乳を通じて成分が乳児に影響する可能性を完全に排除することは難しいものです。母子ともに安心して過ごすためにも、かかりつけ医への相談を優先することをおすすめします。
飲み忘れたときの対処法
飲み忘れに気づいたタイミングが次の服用時刻に近い場合は、1回分を飛ばして、次の食後から通常どおりに再開するのが基本的な考え方です。
「飲み忘れた分を補おうとして2回分まとめて飲む」ことは避けてください。飲み忘れが多いという方は、食卓や洗面台など目に入る場所に置いておく工夫や、スマートフォンのアラームを活用すると、飲み忘れ防止に役立ちます。
整腸薬は続けて服用することで効果を感じやすくなるため、毎食後の習慣として定着させることが継続のポイントです。
食後以外のタイミングで飲んだ場合の対処
新ビオフェルミンSは「食後」の服用が基本とされています。食後は胃酸の分泌が落ち着いていて、配合された菌が腸に届きやすい環境になるためです。また食後は胃の中に食べ物が多いため、菌が胃の中で死んでしまうリスクが下がると考えられています。
食前・食間に飲んでしまった場合でも、特別に危険な状況になるわけではありませんが、添付文書の指定どおり食後に服用することが基本です。誤って食前に飲んでしまっても特別な対処は必要なく、次の食後から通常どおり服用を続けて構いません。
ビオフェルミンのデメリットと「合わない」ケース
「飲み始めてから、なんだかお腹がゴロゴロする」「おならが増えた気がする」。そんな体の変化に戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。実はこれ、飲み始めによく見られる一時的な変化であることが多いのです。また乳糖不耐症や牛乳アレルギーがある方は成分に注意が必要ですし、症状が2週間以上続く場合は医療機関への相談が必要になります。この章で詳しく解説します。

飲み始めにおなかが張る・おならが増えるのは一時的な反応か
「ビオフェルミンを飲み始めたらお腹が張る、おならが増えた」という声はよく聞かれます。これは多くの場合、副作用ではなく、腸内フローラが変化していく過程で一時的に起こる反応と考えられています。
腸内に新しい菌が補充されると、腸内細菌の構成が変わる過程でガスが増えることがあります。通常は服用を続けていくうちに落ち着くケースが多いものです。ただしガスの増加が強くてつらい場合や、腹痛・下痢などの症状を伴う場合は、薬剤師や医師に相談してください。
「お腹の張りがよくなるどころか、かえって悪化している」「2週間以上続いている」という場合は、単なる一時的な反応ではなく別の原因があるかもしれません。自己判断で服用を続けるのは避けたほうがよいでしょう。
下痢が続く・悪化したときの判断ポイント
ビオフェルミンの添付文書記載の効能効果には「軟便」の改善が含まれていますが、服用を始めてから下痢が続く、あるいは悪化する場合には、いくつかの可能性が考えられます。
まず、服用を始めたばかりの時期(1〜2週間)は、腸内フローラが変化する過程で一時的に便の状態が変わることがあります。ただし下痢が悪化している、高熱を伴っている、血便がある、腹痛が激しいといった場合は、整腸薬での対応を続けず、速やかに医療機関を受診する必要があります。
「ビオフェルミンが合わなくて下痢になった」と決めつける前に、下痢の原因が別のもの(感染性胃腸炎・食あたり・ストレスなど)でないかを確認することも大切です。感染性胃腸炎(ノロウイルス・ロタウイルスなど)のようなウイルス性の腸炎は、整腸薬を飲んでも根本的な原因(ウイルス)に対応できるわけではありません。症状が重い場合は医療機関への受診が必要です。
乳糖不耐症・牛乳アレルギーがある人への注意
新ビオフェルミンSには乳糖(ラクトース)が添加物として含まれています。牛乳アレルギー(乳タンパクアレルギー)がある方は、乳糖が含まれている点に注意が必要な場合があります。
乳糖不耐症(乳糖を分解する酵素が少ない体質)と牛乳アレルギー(乳タンパクへのアレルギー反応)は、別の問題です。乳糖不耐症の方が必ずしも使えないわけではありませんが、症状が気になる場合は薬剤師に相談してください。
「乳製品を食べるとお腹が痛くなる、下痢になる体質」という方は、新ビオフェルミンSの服用でも同じような症状が出る可能性があるため、事前に薬剤師へ相談することをおすすめします。
服用しても効果を感じられない場合の考え方
新ビオフェルミンSを服用し続けても「便通に変化がない」「お腹の不快感が続く」と感じる場合は、いくつかの視点から状況を整理してみましょう。
まず、整腸薬の効果が出るまでには時間がかかります(2〜4週間が目安)。効果を感じられない理由が「まだ服用期間が短い」ことにある可能性もあります。
次に、効果を感じられない背景に「便秘・下痢の原因が腸内フローラの乱れ以外にある」可能性も考えてみる必要があります。過敏性腸症候群(IBS)・甲状腺疾患・大腸ポリープ・炎症性腸疾患など、腸の不調を引き起こす疾患のなかには、整腸薬では対応できないものも少なくありません。
「2週間服用しても改善しない」場合は、自己判断で服用を続けず、薬剤師または医師に相談してください。
ビオフェルミンの飲み過ぎについて
「うっかり飲み過ぎてしまったけれど、大丈夫かな」と不安になったことはありませんか。正確な情報でお答えすると、新ビオフェルミンSは生きた菌を使った製剤であり、少量の飲み過ぎで急に強い毒性が出るものではありません。とはいえ用法・用量を守ることは大切で、OD(オーバードーズ)を繰り返したり、わざと大量に摂取したりする行為には医療的なサポートが必要です。この章で詳しく見ていきましょう。

添付文書記載の用法・用量と1日の上限
新ビオフェルミンSの用法・用量は、添付文書に明確に記載されています。以下が基本の情報です(錠剤タイプの目安)。
- 成人(15歳以上):1回3錠、1日3回、食後に服用
- 8〜14歳:1回2錠、1日3回、食後に服用
- 5〜7歳:1回1錠、1日3回、食後に服用
- 5歳未満:医師の指示に従うこと(新ビオフェルミンS五歳散や細粒を参照)
用法・用量は製品の剤形(錠剤・細粒・五歳散)によって異なるため、手元の製品の添付文書を必ず確認してください。「多く飲めば早く効く」という考えは正しくありません。添付文書に記載された用量の範囲で使うことが基本です。
過剰摂取した場合に起こりうる反応
新ビオフェルミンSの有効成分は乳酸菌・ビフィズス菌などの生きた菌であり、強い毒性を持つ化学成分ではないため、規定量を少し超えて摂取したからといって、すぐに重い症状が出るものではありません。
ただし過剰に摂取した場合、腸内フローラが急に変化することでガスが増えたり、便通に変化が生じたりする可能性はあります。また含まれる添加物(乳糖など)を大量に摂取することで、乳糖不耐症気味の方はお腹の不快感を感じることがあるかもしれません。
大切なのは、「安全性が高い整腸薬だから大量に摂っても問題ない」という考え方は正しくないということです。用法・用量は医学的根拠にもとづいて設定されており、それを超えて摂取した場合の安全性は保証されていません。
「毎日 危険」という不安への正確な回答
「ビオフェルミンを毎日飲むのは危険なのでは?」という不安に対して、正確な情報でお答えします。
用法・用量(成人1回3錠・1日3回・食後)を守った毎日の服用は、一般的に問題ないとされています。整腸薬に配合された乳酸菌・ビフィズス菌はもともと腸内に存在する菌であり、毎日補充することで耐性・依存が生じる仕組みはありません。
「毎日飲んでいると腸が自力で機能しなくなるのでは」という不安もよく聞かれますが、整腸薬は腸の蠕動運動を代わりに行うわけではなく、腸内フローラに菌を補充するという仕組みのため、腸が「薬頼みになる」という性質の薬ではありません。
ただし「毎日飲む必要が本当にあるか」は、また別の問題です。症状が改善したあとも漫然と自己判断で服用を続けることが適切かどうかは、薬剤師・医師に確認することをおすすめします。
ODに関する相談先(薬剤師・中毒情報センター)
「飲み過ぎてしまった」「大量に摂取してしまった」という場合の相談先をご案内します。
少量の飲み過ぎ(規定量の倍程度など)で症状がない場合は、次回から用法・用量どおりに戻せば問題ありません。体調に変化がある場合は薬剤師に相談してください。
大量に摂取してしまった場合や、体調に変化がある場合の相談先:
- かかりつけの薬局・薬剤師:まずは薬剤師に今の状況を伝えて判断を仰ぎましょう
- 公益財団法人 日本中毒情報センター:薬物中毒に関する相談を受け付けています(中毒110番)
- 医療機関(内科・救急):症状が出ている場合は速やかに受診してください
ODを繰り返す、あるいは故意に規定量を大幅に超えて摂取するという行動は、整腸薬の安全性の問題だけでなく、心の面でのサポートが必要な状態である可能性もあります。一人で抱え込まず、信頼できる医療機関や相談窓口に連絡してください。
ビオフェルミンの類似品と「同じ成分で安い」選択肢
「ビオフェルミンと同じ成分で、もっと安い薬はないのかな」。そう考える方も多いのではないでしょうか。この章では成分・菌種・価格帯を整理していきます。ただし「どちらが優れているか」を断定することはできません。成分の違いを正確に把握したうえで、自分に合った選択をするための情報をお届けします。

新ビオフェルミンSの成分と配合量
新ビオフェルミンSに配合されている主な有効成分は、以下のとおりです。製品の添付文書・外箱に記載された情報もあわせて参照してください。
- フェカリス菌末(Streptococcus faecalis由来)
- アシドフィルス菌末(Lactobacillus acidophilus由来)
- ビフィダス菌末(Bifidobacterium longum由来)
3種の乳酸菌・ビフィズス菌が主体の構成であることが、新ビオフェルミンSの特徴です。酪酸菌(宮入菌)は含まれていないため、後述するミヤBMやビオスリーとは、成分の面で違いが生まれます。
「同じ成分で安い」という視点で選ぶときは、まず「自分にはどの成分が必要か」をはっきりさせることが大切です。新ビオフェルミンSの成分(乳酸菌主体の整腸薬)に近い市販品は複数ありますが、配合量や菌株が異なる場合があるため、単純に「安いから同じ」とは言えない点に注意してください。
ミヤBM(酪酸菌)との成分・配合量の違い
ミヤBM(ミヤリサン製薬)は、ビオフェルミンとはまったく異なる成分の整腸薬です。
| 比較項目 | 新ビオフェルミンS | ミヤBM |
|---|---|---|
| 主な有効成分 | フェカリス菌・アシドフィルス菌・ビフィダス菌(乳酸菌・ビフィズス菌3種) | 酪酸菌(宮入菌、Clostridium butyricum) |
| 配合菌数 | 3種 | 1種 |
| 主なはたらく場所 | 小腸〜大腸 | 大腸中心 |
| 特徴 | 乳酸菌・ビフィズス菌主体 | 酪酸菌が酪酸を産生し腸粘膜をサポート |
| 抗生物質への耐性 | 乳酸菌は抗生物質の影響を受けやすい | 芽胞形成により抗生物質に耐性を持ちやすい |
| 分類 | 指定医薬部外品 | 医療用(処方箋必要)と市販品あり |
ミヤBMは「ビオフェルミンの代替品」という位置づけではなく、まったく異なる菌種・異なる特性を持つ整腸薬です。「どちらが優れているか」を比べるのではなく、それぞれの成分の違いを理解したうえで、自分の状況や症状に合わせて薬剤師に相談することが、適切な選び方といえます。
ビオスリーとの成分の違い(3菌配合と乳酸菌主体)
ビオスリー(アリナミン製薬)との成分比較を整理します。
| 比較項目 | 新ビオフェルミンS | ビオスリーHi錠(市販品) |
|---|---|---|
| 配合菌 | フェカリス菌・アシドフィルス菌・ビフィダス菌 | 酪酸菌(宮入菌)・ラクトミン(乳酸菌)・糖化菌 |
| 菌の種類数 | 3種(乳酸菌・ビフィズス菌系) | 3種(酪酸菌・乳酸菌・糖化菌の組み合わせ) |
| 特徴 | 乳酸菌・ビフィズス菌主体。腸内を弱酸性に保つ | 酪酸菌が腸粘膜サポート。3菌の共生作用 |
| 分類 | 指定医薬部外品 | 指定医薬部外品 |
新ビオフェルミンSとビオスリーHi錠はどちらも「整腸薬」ですが、配合されている菌の種類が異なります。乳酸菌・ビフィズス菌に特化した構成の新ビオフェルミンSに対し、ビオスリーは酪酸菌・ラクトミン・糖化菌の3菌を配合しているという違いがあります。
どちらが優れているという評価はできませんが、「抗生物質と同時に使いたい」という場合は、酪酸菌を含むビオスリーが選ばれやすい傾向にあります(酪酸菌は抗生物質の影響を受けにくいため)。迷ったときは、薬剤師に症状・使用目的を伝えて相談すると安心です。
整腸剤を複数の視点で比較したい方は、[整腸剤の種類と選び方を比較した記事]もあわせてご覧ください。
市販整腸剤の価格帯の目安(2026年5月時点)
市販の整腸剤の価格帯は、製品・容量・購入場所によって幅があります。あくまで参考値として、参考程度にご覧ください。
- 新ビオフェルミンS錠(540錠入り):1,500〜2,000円前後
- 新ビオフェルミンS細粒(45g):800〜1,200円前後
- ビオスリーHi錠(45錠入り):500〜800円前後
- ラックビー微粒N(12g):600〜900円前後
価格は購入場所・時期によって変動するため、購入時に現在の価格を確認してください。「安い整腸薬を選ぶ」ことだけを優先するより、「自分の症状・体質に合った成分の薬を選ぶ」ことを大切にしていただきたいと思います。
ビオフェルミンとビオスリーの併用は可能か
「ビオフェルミンとビオスリー、一緒に飲んでもいいのかな」。そんな疑問を持つ方は少なくありません。結論からいうと、どちらも整腸薬であるため、原則として重ねての服用はおすすめできません。ただし医師・薬剤師の指導のもとで処方される場合はあります。自己判断での併用は避け、まず相談するのが基本です。この章で詳しく見ていきましょう。

ビオフェルミンとビオスリーの菌種の違い
ビオフェルミンとビオスリーは配合されている菌の種類が異なるため、単純に「同じ整腸薬を重ねて飲んでいる」わけではない点は、理解しておく必要があります。
新ビオフェルミンSは乳酸菌・ビフィズス菌が主体であるのに対し、ビオスリーは酪酸菌・乳酸菌(ラクトミン)・糖化菌の3菌を配合しています。菌の種類や腸内ではたらく場所は一部重なりつつも、異なる組み合わせといえます。
医療現場では、状況によっては異なる整腸薬が同時に処方されることもあります。これは医師が患者さんの状態・使用目的を判断したうえで行う処方であり、市販品を自己判断で同時に服用することとは、性質が異なります。
自己判断での併用を避けるべき理由
市販品の新ビオフェルミンSとビオスリーHi錠を、自己判断で同時に服用することがおすすめできない主な理由は、以下のとおりです。
- 必要以上の菌を同時に補うことが腸内環境にとって最善かどうかはわかっていません:腸内フローラは複雑な生態系であり、一度に大量の異なる菌を補うことが必ず良い結果につながるとは言えません
- 用量の管理が難しくなる:2種類の整腸薬を同時に飲むと、どちらの薬でどのような変化が起きているのか、判断しづらくなります
- 症状が改善しない場合、原因を特定しにくくなる:1種類ずつ使った場合と比べて、どちらが自分の体質・症状に合っているかがわかりにくくなります
「より多くの菌を摂れば効果が高まる」という考え方は、整腸薬の仕組みとは必ずしも一致しません。薬剤師に相談しないまま2種類の整腸薬を同時に服用することは、避けることをおすすめします。
抗生物質と一緒に飲むときの選び方
抗生物質を服用している間に整腸薬を使いたい場合は、整腸薬の選び方に注意が必要です。
抗生物質は感染症の原因となる細菌をやっつける薬ですが、同時に腸内の善玉菌にも影響を与えることがあります。乳酸菌などの整腸薬の菌は抗生物質の影響を受けて死滅しやすいものがある一方、ビオスリーに配合されている酪酸菌(宮入菌)は芽胞をつくる性質により、一般的に抗生物質の影響を受けにくいとされています。
新ビオフェルミンSに含まれる乳酸菌・ビフィズス菌は、抗生物質の種類によっては影響を受ける可能性があります。抗生物質と同時に服用したい場合は、処方している医師・薬剤師に整腸薬を使ってよいか、どれを選ぶべきかを確認することを強くおすすめします。
「抗生物質を飲んでいる間に整腸薬も使いたい」という場合は、自己判断で新ビオフェルミンSを選ぶより、医師・薬剤師に相談したうえで整腸薬の種類を選ぶほうが安心です。
ビオフェルミンの副作用と注意事項
「副作用が出たらどうしよう」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。新ビオフェルミンSは重い副作用の報告がほとんどなく、安全性の高い指定医薬部外品とされています。ただし特定の条件下では注意が必要です。この章では、使用を避けたい方・薬との飲み合わせ・保管方法をまとめて整理します。

おなかの張り・おならの増加など一般的な副作用
新ビオフェルミンSの服用に伴って起こりやすい一般的な反応として、以下が挙げられます。
- お腹の張り(腹部膨満感):腸内フローラが変化する過程でガスが増えることによる一時的な反応であることが多いです
- おならの増加:同様に、腸内細菌の構成変化に伴う一時的な反応と考えられます
- 便の状態の変化:軟便・下痢・便秘など、腸内環境が整う過程で一時的に便の状態が変わることがあります
これらは多くの場合、服用を続けていくうちに落ち着いていきます。ただし症状が2週間以上続く、または悪化する場合は、自己判断で服用を続けず薬剤師・医師に相談してください。
新ビオフェルミンSは指定医薬部外品のため、医療用医薬品のような副作用の詳細な調査報告が公式に整備されているわけではありませんが、重い副作用の事例は一般的に報告が少ない製品です。
抗生物質と一緒に飲むと乳酸菌が死滅するリスク
抗生物質と整腸薬の飲み合わせについては先ほども触れましたが、副作用・注意事項として改めて整理します。
新ビオフェルミンSに配合された乳酸菌(フェカリス菌・アシドフィルス菌)・ビフィズス菌(ビフィダス菌)は、抗生物質の種類によっては影響を受けることがあります。抗生物質が菌を死滅させるはたらきは、腸内の善玉菌にも及ぶ場合があるためです。
そのため、抗生物質を服用中に新ビオフェルミンSを使っても、配合されている菌が抗生物質によって死滅し、期待する効果が得られにくい状況になる可能性があります。抗生物質と整腸薬を同時に服用する場合は、必ず処方している医師・薬剤師に確認してください。
なお、医療用の「ビオフェルミンR」(ビオフェルミン錠R)は抗生物質耐性の乳酸菌を配合した製品として設計されていますが、これは市販品の新ビオフェルミンSとは異なる製品ラインです。詳しくは後述の「よくある質問」で解説します。
使用してはいけない方(禁忌・慎重投与)
新ビオフェルミンSを使用する際に注意が必要な方・使用を避けたい方は、以下のとおりです。
- 牛乳アレルギー(乳タンパクアレルギー)がある方:製品に乳糖が含まれているため、アレルギー反応のリスクがあります
- 過去にビオフェルミンの成分でアレルギーを起こしたことがある方:皮疹・蕁麻疹などのアレルギー症状が出たことがある場合は使用しないでください
- 医師の治療を受けている方:服用前に必ず医師または薬剤師に相談してください
- 5歳未満の乳幼児(新ビオフェルミンS錠の場合):製品の年齢制限を確認してください
保管方法(直射日光・高温・湿気を避ける)
新ビオフェルミンSは生きた菌を含む製品のため、保管する環境が大切です。
- 直射日光を避けた涼しい場所で保管してください
- 高温・多湿の場所(浴室・車内・窓際など)への放置は避けてください
- 小児の手の届かない場所に保管してください
夏場の高温や湿気は菌のはたらきに影響する可能性があるため、冷暗所での保管が望ましいでしょう。開封した細粒タイプは特に湿気を吸いやすいため、袋のチャックをしっかり閉じて密閉保管することを心がけてください。製品の使用期限内に使い切ることも大切です。
こんなときは薬剤師・医師に相談を
「これって、薬局の薬で様子を見ていて本当に大丈夫かな」。そんな迷いを感じたときのために、この章では受診の目安をお伝えします。市販の新ビオフェルミンSで対応できる症状には限りがあります。以下に当てはまる場合はセルフケアを続けず、薬剤師または医療機関に相談してください。

受診を急ぐべきサイン(血便・高熱・激しい腹痛)
以下に当てはまる症状がある場合は、市販薬での対応を続けず、医療機関を受診してください。
- 血便・黒色便:便に血が混じっている、真っ黒の便が出るという場合は、消化管のどこかに出血がある可能性があります。腸炎・炎症性腸疾患・消化管出血などが疑われるため、速やかな受診が必要です
- 38.5℃以上の発熱を伴う腸の症状:発熱を伴う下痢・腹痛は感染性腸炎の可能性が高く、整腸薬だけでの対応では不十分なことがあります
- 激しい腹痛が続く:腸閉塞・虫垂炎・急性腸炎などの疾患が隠れている可能性があります。自己判断での市販薬使用は避けてください
- 急激な体重減少を伴う場合:消化管に関わる疾患のサインである可能性があり、専門的な検査が必要です
これらの症状がある場合に整腸薬を飲み続けることは適切ではありません。まずは医療機関を受診して、正確な診断を受けることを最優先にしてください。
市販薬を2週間使っても改善しないときの判断基準
新ビオフェルミンSを市販品として服用して2週間が経っても症状(便秘・軟便・腹部膨満感など)に改善がみられない場合は、自己判断で服用を続けるのではなく、医療機関を受診することをおすすめします。
慢性的な腸の症状(4週間以上続く下痢・便秘・腹痛など)の背景には、過敏性腸症候群(IBS)・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)・消化管疾患などが隠れている可能性があります。これらは医師による診断と適切な治療が必要な疾患であり、市販の整腸薬では対応できません。
「整腸薬で改善しなければそのまま様子を見る」のではなく、「2週間で改善しなければ受診する」という基準を持つことが大切です。
薬剤師・オンライン診療への相談方法
薬剤師への相談は、ドラッグストアや調剤薬局の薬剤師に声をかけるだけで対応してもらえます。市販薬の選び方・飲み合わせ・症状の判断などについて、無料で相談できます。「薬を買いたいけれど自分に合っているか心配」という場合は、遠慮せずに相談してみてください。
オンライン診療は、医療機関への通院が難しい方でも医師の診察を受けられる選択肢です。内科・消化器内科・総合診療科などでオンライン診療を提供しているクリニックがあります。問診と医師による診察を経て、必要に応じて処方箋の発行を受けられる場合もあります。
ただし症状の程度によっては、対面診療が必要と判断されるケースもあります。「市販品での対応に限界を感じている」「慢性的な症状がある」という方は、オンライン診療の活用も検討してみてください。
ビオフェルミンによくある質問
「子どもに飲ませてもいい?」「感染性胃腸炎のときでも飲んでいい?」「他の整腸剤と一緒に飲んでいい?」。ここまで読んでもまだ気になることがあるかもしれません。よくある疑問にまとめてお答えします。

子供・赤ちゃんに飲ませられる?年齢別の対応
ビオフェルミンブランドには年齢に対応した複数の製品ラインがあるため、まずどの製品を使うかを確認することが大切です。
- 新ビオフェルミンS細粒:0歳から使用できる剤形として設計されており、年齢ごとに用量が設定されています
- 新ビオフェルミンS五歳散:5歳未満の幼児向けに設計された細粒剤です
- 新ビオフェルミンS錠:5歳以上から使用できます(添付文書で年齢別の用量を確認してください)
乳幼児への市販薬の使用は、症状が軽くても自己判断ではなく、まず小児科医または薬剤師に相談することが望ましいでしょう。乳幼児は下痢・嘔吐から脱水に至るスピードが速く、症状が急に悪化することがあるためです。
「赤ちゃんに飲ませた経験がある」という口コミ情報よりも、手元の製品の添付文書と薬剤師への確認を優先してください。
感染性胃腸炎(ノロ・ロタ)のときに飲んでいい?
感染性胃腸炎(ノロウイルス・ロタウイルスなど)のときにビオフェルミンを服用することは、一般的に禁忌とはされていません。ただしウイルス性の感染性胃腸炎そのものは、新ビオフェルミンSの添付文書上の対応範囲外にあたります。
感染性胃腸炎の基本的な対応は「水分・電解質の補給」と「安静」です。新ビオフェルミンSは腸内環境を整える整腸薬であり、ウイルスを排除する薬ではありません。ウイルス性腸炎の原因であるウイルスそのものには、整腸薬は効果を発揮しません。
症状が重い場合(高熱・脱水症状・血便・激しい腹痛)は、速やかに医療機関を受診してください。発症した場合は、脱水を防ぐための水分補給(経口補水液が望ましい)と安静が基本の対応です。
感染性胃腸炎の流行状況や対応については、国立感染症研究所の情報もあわせて参考にしてください。
ビオフェルミンRとの違いは何か
「ビオフェルミンR」は、市販品の新ビオフェルミンSとは異なる製品ラインです。
ビオフェルミンR(医療用)は抗生物質耐性の乳酸菌(ラクトミン)を配合した整腸薬で、抗生物質を服用中でも乳酸菌が死滅しにくいよう設計されています。医師の処方が必要な医療用医薬品であり、抗生物質や化学療法剤と一緒に服用することを前提とした製品です。
新ビオフェルミンS(市販品)に配合された乳酸菌は、ビオフェルミンRの乳酸菌とは菌株や抗生物質耐性の有無が異なります。「抗生物質を飲んでいるから、市販のビオフェルミンSをビオフェルミンRの代わりに使う」という置き換えは適切ではありません。
抗生物質を服用中に整腸薬を使いたい場合は、処方している医師・薬剤師に相談して、適切な薬を選んでください。
ジェネリック(後発品)はあるか
新ビオフェルミンSは指定医薬部外品であるため、医療用医薬品のような「ジェネリック(後発品)」という概念は、厳密には当てはまりません。
医療用ビオフェルミン(処方薬の「ビオフェルミン配合散」など)について、保険診療上の後発品があるかどうかは、医師・薬剤師への確認が必要です。
市販品で「コストを抑えたい」という場合は、ドラッグストアのプライベートブランド整腸薬(PB商品)も選択肢になります。ただしPB整腸薬の成分・菌種が新ビオフェルミンSと同じかどうかは、製品ごとに確認が必要です。「安い=同じ成分」という判断は正確ではないため、成分表示・添付文書を確認することをおすすめします。
医薬品で補えない日常腸内ケアを考える
「薬が効いている間はいいけれど、この先ずっと頼っていいのかな」。そう感じる方もいらっしゃるでしょう。ビオフェルミンは腸の不調が起きたときに使う薬です。症状が落ち着いたあとの日常的な腸内ケアには、食事・生活習慣の改善や食品・サプリメントが選択肢になります。医薬品と日常ケアの役割を正しく分けて考えることが、長期的な腸活につながっていきます。

医薬品(整腸剤)と日常腸内ケアの役割の違い
ビオフェルミン(新ビオフェルミンS)は指定医薬部外品として、腸の不調が起きているときにその症状を改善することを目的に使う薬です。一方、日常的な腸内ケアとは、症状がなくても継続的に腸内フローラのバランスを保つことを目的とした、食事・生活習慣・食品・サプリメントの活用のことを指します。
| 比較項目 | 整腸薬(新ビオフェルミンS) | 日常腸内ケア(食事・サプリ) |
|---|---|---|
| 分類 | 指定医薬部外品 | 食品・サプリメント |
| 目的 | 腸の不調(便秘・軟便・腹部膨満感)を改善 | 日常的な腸内フローラのバランス維持 |
| 使用シーン | 症状があるとき | 日常的・継続的に |
| 効能効果の保証 | 添付文書記載範囲内で保証される | 疾病の治療・予防はできません |
「症状があるとき→整腸薬で対応、症状が落ち着いたあと→日常ケアで維持」という使い分けが、長期的な腸活の基本です。
「薬だから安全性が高い、だからずっと飲み続ける」という考え方よりも、症状の改善状況に応じて薬剤師・医師と相談しながら服用を続ける必要性を判断し、症状が落ち着いたあとは日常ケアへ移行していく。そんな流れが、腸の健康を長く保つための合理的なアプローチといえるでしょう。
食生活・生活習慣で腸内環境を整える基本
日常的な腸内環境ケアで大切な、食生活・生活習慣のポイントを整理します。
食物繊維を意識的に摂る: 食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになるプレバイオティクス(善玉菌を育てる成分)としてはたらきます。野菜・豆類・海藻・全粒穀物などに豊富に含まれており、1日の摂取目安は成人で18〜21g(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」参照)とされています。
発酵食品を日常に取り入れる: ヨーグルト・キムチ・みそ・納豆・漬物など、発酵食品には乳酸菌・ビフィズス菌などの善玉菌が含まれています。毎日続けて摂ることで、腸内フローラへの菌の補充が日常的に行われます。
水分をしっかり摂る: 水分不足は便秘の原因になりやすいものです。特に起床後の水分補給は腸の動きを促す効果が期待でき、1日1.5〜2リットルを目安に、こまめな水分補給を心がけることが基本です。
適度な運動を習慣化する: 体を動かすことで、腸の蠕動運動が促されます。ウォーキング・ストレッチ・軽いジョギングなど、無理のない範囲で続けることが大切です。
ストレスのコントロール: 脳と腸は「腸脳相関」として密接に関係しており、ストレスが腸のはたらきに影響することが知られています。十分な睡眠やリラックスできる時間を確保することも、腸内環境ケアの一部です。
整腸薬での対応だけでなく、日常の食生活・生活習慣の改善を組み合わせることが、腸内環境を長期的に整えることにつながります。整腸剤の比較や腸活の具体的な方法については、以下の記事もあわせて参考にしてください。
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まとめ
- 市販の新ビオフェルミンSは大正製薬が販売する指定医薬部外品で、フェカリス菌・アシドフィルス菌・ビフィダス菌の3種の乳酸菌・ビフィズス菌を配合した整腸薬です
- 添付文書記載の効能効果は「整腸・便秘・軟便・腹部膨満感」の範囲。「治る」「完全に改善する」などの断定はできません
- 用法・用量を守った毎日の服用は一般的に問題ないとされており、耐性・依存を生じさせる仕組みは持っていません
- 乳糖(ラクトース)が含まれているため、牛乳アレルギーがある方は使用前に薬剤師への確認が必要です
- 飲み過ぎ(OD)は、安全性が高い整腸薬であっても推奨されません。用法・用量を守って使用しましょう
- ミヤBM(酪酸菌)・ビオスリー(酪酸菌・乳酸菌・糖化菌)は新ビオフェルミンSとは菌種が異なります。「同じ成分」と決めつけず、成分の違いを把握したうえで薬剤師に相談して選ぶことが重要です
- ビオフェルミンとビオスリーの自己判断での同時服用は推奨されません。医師・薬剤師の指導のもとで判断しましょう
- 抗生物質との飲み合わせは乳酸菌が死滅するリスクがあるため、必ず処方医・薬剤師に確認しましょう
- 血便・高熱・激しい腹痛がある場合と、2週間服用しても改善しない場合は医療機関を受診しましょう
- 症状が落ち着いたあとの日常的な腸内ケアには食事・生活習慣の改善や腸活サプリを活用し、医薬品との役割を正しく分けることが長期的な腸活につながります


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