「おからって、豆腐を作ったあとの残りものでしょう」。そんなイメージから、なんとなく食卓に取り入れずにいませんか。
この記事では、おからにどんな栄養素が含まれているのか、食物繊維やたんぱく質の量、期待されている働きの実際、そして栄養を活かす食べ方までをまとめて整理します。
身構えず、今日のご飯に「あと一品」足す感覚で読み進めてみてください。
おからってどんな食品?
おからの最大の特徴は、豆腐づくりの過程で大豆から豆乳を絞ったあとに残る「搾りかす」でありながら、食物繊維をはじめとした栄養がしっかり残っている点です。まずは豆腐との関係と、栄養面での特徴を押さえておきましょう。

豆腐を作る過程で生まれる搾りかす
豆腐は、水に浸してやわらかくした大豆をすりつぶし、加熱してから布などでこして豆乳と固形分に分ける工程で作られます。この豆乳を絞ったあとに残る固形分が、おからです。豆乳側には水溶性の成分が多く移る一方、大豆の細胞壁や食物繊維は固形分であるおからに多く残ります。同じ大豆から作られる食品でも、水分をほとんど抜いて凝縮させた高野豆腐の栄養とは、また違った栄養バランスを持っているのが興味深いところです。
関連記事
食物繊維が豊富で低糖質
文部科学省の食品成分データベース(八訂増補2023年)によると、生おから100gあたりのエネルギーは88kcal、たんぱく質6.1g、脂質3.6g、炭水化物13.8gで、このうち食物繊維は11.5gを占めます。白米ごはんの食物繊維量(100gあたり0.3g程度)と比べると30倍以上にあたり、糖質(炭水化物から食物繊維を除いた実質量)を抑えながらボリュームを出したいときに扱いやすい食材といえます。
おからに含まれる栄養素
おからには食物繊維とたんぱく質だけでなく、カルシウムやカリウム、大豆イソフラボンといった成分も含まれています。ここでは主な栄養素を具体的に確認していきましょう。

食物繊維・たんぱく質
先ほど触れた通り、生おから100gには食物繊維が11.5g含まれています。これは野菜類の中でも食物繊維が多いとされる食材と並ぶか、それ以上の量です。たんぱく質は6.1gで、卵1個分(Mサイズ約50g・たんぱく質約6g)にほぼ匹敵する量が、おから100gに含まれている計算になります。大豆由来の植物性たんぱく質を手軽に補える食材のひとつです。
カルシウム・カリウム・大豆イソフラボン
同じく食品成分データベースによると、生おから100gにはカルシウムが81mg、カリウムが350mg含まれます。カルシウムは厚生労働省の食事摂取基準における成人女性の推奨量(650mg前後)の1割強にあたる量です。また、おからには大豆由来の成分として広く知られる大豆イソフラボンも含まれていますが、豆乳を絞る工程で一部が移行するため、大豆そのものや豆乳と比べるとやや控えめな量にとどまります。
おからに期待されている働き
おからは食物繊維や大豆イソフラボンを含むことから「ダイエットになる」「便秘に良い」といった話を耳にすることがありますが、これらはいずれも研究が進められている段階の情報であり、食べれば必ずそうなると言い切れるものではありません。ここでは、期待されている働きと、断定できない理由を整理します。

食物繊維は研究段階
食物繊維は、お腹の中で消化・吸収されにくく、便のかさや腸内環境との関わりについて研究が進められている成分です。おからに含まれる食物繊維についても、大豆由来の食物繊維がどのように働くかは研究段階にあり、特定の効果を保証するものではありません。おからは特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品として届け出られた食品ではなく、あくまで一般的な食材のひとつという位置づけです。
「ダイエット」「便秘」と言い切れない理由
体重や排便のリズムは、食事全体のバランスや水分量、運動習慣、体質など多くの要因が絡み合って決まるものです。おからを取り入れたからといって、体重が減る、便通が整うと一律に言えるわけではなく、個人差も大きいところです。俗説として広まっている効果を鵜呑みにせず、日々の食事の一部として無理なく取り入れる姿勢が現実的といえるでしょう。
栄養を活かす食べ方
おからの栄養を上手に取り入れるには、生おからと乾燥おから(おからパウダー)の違いを知り、料理に合わせて使い分けることがポイントです。定番の卯の花からハンバーグ、スイーツまで、幅広い使い方を紹介します。

生おから・乾燥おから(おからパウダー)の違い
生おからは水分が75.5gと多く含まれ、しっとりとした食感で炒め煮などに向いています。一方、乾燥おから(おからパウダー)は水分を7.1g程度まで飛ばしてあるため、100gあたりのエネルギーは333kcal、食物繊維は43.6gと数値上は大きく増えます。とはいえ実際には少量を使うことが多く、小麦粉やパン粉の代わりに混ぜ込んだり、飲み物にそのまま溶かしたりできる手軽さが魅力です。生おからは日持ちが短く、パウダーは常温で保存しやすいという違いも、使い分けの目安になります。
卯の花・ハンバーグ・スイーツに
もっとも身近な使い方は、にんじんやごぼう、こんにゃくなどと一緒に炒め煮にする卯の花です。ハンバーグやつくねの種に混ぜ込めば、パン粉代わりのつなぎになりながら食物繊維をプラスできます。おからパウダーであれば、クッキーやパンケーキ、蒸しパンなどの生地に小麦粉の一部として混ぜ込む使い方もしやすく、お菓子作りに取り入れる方も増えています。
食べるときの注意点
おからは食物繊維が豊富な分、食べ方によってはお腹に負担をかけることがあります。水分や量、鮮度の管理、そして体質面の注意点を確認しておきましょう。

水分・食べすぎ・鮮度に注意
おからは水分をよく吸う性質があるため、一度に大量に食べるとお腹が張ったり、逆にお腹がゆるくなったりすることがあります。普段あまり食物繊維を摂っていない方は、少量から試して体の反応を見るとよいでしょう。また、生おからは水分が多く傷みやすい食材です。買ってきたその日か翌日中には使い切り、余る場合は小分けにして冷凍しておくと無駄になりにくくなります。おからパウダーは開封後、湿気を避けて密閉保存し、早めに使い切ってください。
大豆アレルギーがある方・腎機能に不安がある方へ
おからは大豆から作られる食品のため、大豆アレルギーがある方は口にしないよう注意が必要です。また、腎臓の持病などでたんぱく質やカリウムの摂取量に制限がある方は、おからも大豆製品として制限の対象に含まれる場合があります。アレルギーの心当たりがある方や、栄養面で制限を受けている方は、取り入れる前にかかりつけ医や管理栄養士に相談すると安心です。
まとめ
おからは、豆腐づくりの過程で生まれる搾りかすでありながら、食物繊維やたんぱく質、カルシウム、カリウム、大豆イソフラボンなどの栄養を持つ食材です。
- おからは豆乳を絞ったあとに残る固形分で、食物繊維が豊富な低糖質食材です
- 生おから100gには食物繊維11.5g、たんぱく質6.1gが含まれます
- カルシウム81mg、カリウム350mg、大豆イソフラボンも含みます
- 「ダイエット」「便秘」への効果は研究段階で、個人差もあり断定はできません
- 水分・食べすぎ・鮮度に注意し、大豆アレルギーがある方は避けてください
まずは、いつもの炒め物や煮物におから大さじ数杯を加えるところから試してみてください。

