「小腹がすいたときのおやつに、なんとなくアーモンドを選んでいる」という方は多いのではないでしょうか。体によさそうというイメージはあっても、実際にどんな栄養が入っているのかまでは意外と知られていません。
この記事では、アーモンドの特徴から含まれる栄養素、期待されている働きの実際、栄養を活かす食べ方、食べるときに知っておきたい注意点までをまとめて整理します。
難しい専門知識がなくても大丈夫です。毎日の間食やおつまみに、アーモンドをどう取り入れるか一緒に考えていきましょう。
アーモンドの特徴(まず全体像)
アーモンドと聞いて、具体的な特徴まで思い浮かぶ方は少ないかもしれません。ひと言でまとめると、アーモンドの特徴は「バラ科の樹木になる種実で、脂質が多くエネルギーが高い」ことと、「薄い皮ごと食べられる木の実」であることの2点に集約されます。まずはこの2つを押さえておきましょう。

脂質を多く含む木の実
アーモンドは、バラ科アーモンドの果実の中にある種(たね)を食用にした種実類(しゅじつるい)の一種です。ピスタチオやくるみと同じく、いわゆる「ナッツ」の仲間で、水分が少なくカロリーが控えめな一般的な野菜とは栄養バランスが大きく異なります。文部科学省の食品成分データベースによると、アーモンド(乾)は可食部100gあたり609kcalと種実類の中でも高く、その中心となっているのが脂質です。少量でもエネルギーが得やすいのが、木の実ならではの特徴といえます。
薄い皮ごと食べられる
私たちがふだん口にするアーモンドは、粒の表面を茶色い薄皮(渋皮)が覆っています。この薄皮はそのまま食べることができ、皮ごと味わえるのがアーモンドの特徴のひとつです。市販のアーモンドには、油や塩を使わずに火を通した素焼き(ロースト)タイプと、加熱していない生タイプがあります。香ばしさを楽しみたいときは素焼き、料理やお菓子作りに使いたいときは用途に合わせて、と選び分けられるのも扱いやすいところです。
アーモンドに詰まった栄養素
「アーモンドにはどんな栄養が入っているの?」と気になる方もいるはずです。アーモンドはビタミンEが特に豊富で、そのほかに脂質を構成するオレイン酸、マグネシウム、食物繊維、たんぱく質などをあわせ持っています。ひとつずつ見ていきましょう。

ビタミンEと不飽和脂肪酸
アーモンドを語るうえで欠かせないのが、ビタミンEの豊富さです。アーモンド(乾)100gあたりのビタミンE(α-トコフェロール)は30.0mgで、これは種実類の中でも際立って多い量です。ビタミンEの食事摂取基準(目安量)は成人女性で1日5.0〜6.0mg程度とされており、アーモンド20粒ほど(およそ20g)で1日分に近いビタミンEがとれる計算になります。また、100gあたり51.8gと多くを占める脂質の中心は、オリーブオイルにも含まれるオレイン酸などの不飽和脂肪酸です。脂質が多いと聞くと身構えるかもしれませんが、その質にも特徴のある食材です。
マグネシウム・食物繊維・たんぱく質
アーモンドには、骨や歯の健康、体内のさまざまな反応に関わるミネラルであるマグネシウムも多く、100gあたり290mg含まれています。さらに、お腹の中で消化・吸収されにくく便のかさを増やす食物繊維は100gあたり10.1g、体をつくるもとになるたんぱく質は19.6gと、こちらも種実類の中では比較的しっかり含まれています。1粒はおよそ1gと小さいものの、ビタミン・ミネラル・食物繊維・たんぱく質をバランスよく持ち合わせているのがアーモンドの魅力です。
アーモンドに期待されている働き
「アーモンドは体にいい」「アンチエイジングによい」といった話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。結論からお伝えすると、アーモンドに含まれる成分の多くは研究が進められている段階であり、こうした働きが明確に証明されているわけではありません。ここでは現時点でわかっていることを整理します。

抗酸化に関わるビタミンEは研究段階
アーモンドに多く含まれるビタミンEは、体の中で抗酸化に関わる成分として、健康との関わりがさまざまに研究されています。ただし、これらは食品成分としての基礎的な研究段階にあるものも多く、アーモンドを食べることで特定の変化が確実に得られるとまで結論づけられているわけではありません。アーモンドは機能性表示食品やトクホ(特定保健用食品)としての届出・許可を受けた食品ではない点も、あわせて知っておきたいポイントです。
「生活習慣」「ダイエット」と言い切れない理由
「良質な脂質だから体重が落ちる」「生活習慣が気になる人に」といった話は、アーモンドに限らずナッツ類でよく語られる一般的な傾向であり、アーモンドだけの特別な働きとして立証されたものではありません。体感には個人差があり、日々の食事全体のバランスや生活習慣も大きく関わります。アーモンドはあくまで、間食や料理に取り入れやすいバランスのよい食材のひとつとして捉えるのがよさそうです。
栄養を活かす食べ方
「どう食べれば、アーモンドをうまく取り入れられるの?」という方に向けて、ここでは栄養を無駄にしにくい食べ方を紹介します。ポイントは「1日の目安量を決めて素焼きを選ぶ」ことと、「皮ごとよく噛んでアレンジする」ことの2つです。

1日20〜25粒を素焼きで
アーモンドはエネルギーが高い食材なので、食べる量をあらかじめ決めておくと取り入れやすくなります。一般的には、1日20〜25粒(およそ25g)ほどが間食の目安のひとつとされています。手のひらに軽くひとつかみ、とイメージするとわかりやすいでしょう。選ぶときは、油や塩を加えていない素焼き(無塩ロースト)タイプがおすすめです。塩や油が加わったタイプは風味がよい一方で、塩分やエネルギーが上乗せされるため、毎日の習慣にするなら素材そのものに近いものを選ぶと安心です。
皮ごとよく噛んでアレンジ
アーモンドの薄皮は取り除かず、皮ごと食べると食物繊維をより多く摂りやすくなります。粒が硬めなので、ゆっくりよく噛んで食べると満足感も得られやすいでしょう。そのまま食べるだけでなく、砕いてサラダやヨーグルトに散らしたり、細かくしてお菓子や和え物に加えたりと、アレンジしやすいのもアーモンドの使いやすさです。すりつぶしてペースト状にすれば、パンに塗ったりドレッシングに混ぜたりと、料理の幅も広がります。
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食べるときの注意点
アーモンドは手軽な一方で、エネルギーが高くデリケートな面もある食材です。ここでは「食べすぎ・カロリー」と「アレルギー・酸化」という2つの注意点を紹介します。

少量で高カロリー、量の目安を意識
アーモンドは100gあたり609kcalとエネルギーが高いため、おいしくてつい手が進んでしまう点には注意が必要です。袋のまま食べると量の感覚がつかみにくいので、あらかじめ小皿に取り分けておくと食べすぎを防ぎやすくなります。また、食物繊維や脂質を含む食材であるため、一度に大量に食べるとお腹が張ったり、ゆるくなったりすることがあります。ほかの食材と同様、量を控えめにしながら楽しむとよいでしょう。
アレルギーと酸化・保存
アーモンドを含むナッツ類は、アレルギーを起こすことがある食品として知られています。特に初めてお子さんに与えるときや、体質に不安がある場合は少量から試し、食べたあとに口の中の違和感やかゆみ、じんましんなどの変化があれば、自己判断せず医師に相談することをおすすめします。また、アーモンドに多い脂質は空気に触れると酸化して風味が落ちやすいため、開封後は密閉して直射日光を避けて保存し、できるだけ早めに食べきることをおすすめします。
まとめ
アーモンドは、脂質を多く含むバラ科の木の実で、ビタミンEをはじめマグネシウムや食物繊維、たんぱく質をバランスよくあわせ持つのが特徴です。含まれる成分の多くは研究段階にあり、「生活習慣」や体重への働きを断定できるものではありません。量を決めながら、無理なく毎日の間食に取り入れてみてください。
- アーモンドは脂質が多くエネルギーの高い、皮ごと食べられる木の実です
- ビタミンEが100gあたり30.0mgと豊富で、マグネシウムや食物繊維、たんぱく質も含みます
- 抗酸化などの働きは研究段階で、機能性表示食品やトクホでもありません
- 1日20〜25粒を目安に素焼きを選び、皮ごとよく噛んで食べると取り入れやすくなります
- 食べすぎとカロリーに注意し、アレルギーや酸化・保存にも気を配りましょう
まずは1日ひとつかみから、アーモンドを今日の間食に加えてみてはいかがでしょうか。

