プロテインを選ぼうとすると、「ホエイ」「カゼイン」「ソイ」など複数の種類が目に入り、どれを選べばいいか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。それぞれ原料も特徴も異なるため、自分に合うものを選ぶには違いを把握しておくことが大切です。この記事では、プロテインの主な種類と動物性・植物性の違い、吸収速度の特徴、目的や体質に合わせた選び方をわかりやすく整理します。プロテインそのものの基礎(たんぱく質との違いや1日の必要量など)については別の記事でくわしく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
プロテインの主な種類
プロテインには大きく分けて「ホエイ」「カゼイン」「ソイ」「えんどう」など複数の種類があります。それぞれ原料と特性が異なるため、どんな種類があるかを知るところから始めましょう。代表的な種類の違いを整理します。

ホエイプロテイン
ホエイプロテインは、牛乳から取り出される「ホエイ(乳清)」を原料としたプロテインです。ヨーグルトを作るときに表面に浮かぶ薄い液体部分がホエイにあたります。牛乳に含まれるたんぱく質の約20%がホエイで、残りの約80%はカゼインが占めています。
ホエイプロテインはアミノ酸のバランスが整っており、特にBCAA(分岐鎖アミノ酸:ロイシン・イソロイシン・バリン)を多く含む点が特徴です。BCAAは体内では合成できない必須アミノ酸の一種で、食事から摂取する必要があります。アミノ酸スコアも高く、たんぱく質としての栄養価が評価されています。
吸収が比較的速いとされており、市場流通量が多く価格帯も幅広いため、プロテイン市場で最も広く選ばれている種類です。味の種類も豊富で、水や牛乳に溶かして飲むほか、料理に混ぜて使う方もいます。製品形態は大きく以下の3種類に分類されます。
- WPC(コンセントレート型):乳糖や脂質が含まれる。価格が比較的手頃
- WPI(アイソレート型):乳糖や脂質をほぼ取り除いたもの。たんぱく質含有率が高い
- WPH(加水分解型):たんぱく質をあらかじめ分解処理したもの。吸収が最も速いとされる
乳由来であるため、乳糖不耐症の方や乳製品にアレルギーがある方は成分表示を確認した上で選ぶ必要があります。乳糖を除去・低減した「WPIタイプ」は乳糖が気になる方向けの選択肢として流通しています。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインも、ホエイと同じく牛乳を原料としています。牛乳に含まれるたんぱく質の約80%はカゼインが占めており、ヨーグルトやチーズの主成分でもあります。
カゼインの最大の特徴は、消化吸収がゆっくりである点です。水に溶けにくくゲル状に固まりやすい性質があるため、胃の中で時間をかけて分解されていきます。このゆっくりとした吸収の特性から、ホエイとは異なる場面で取り入れたいと考えるケースがあります。
カゼインはアミノ酸の中でもグルタミンを比較的多く含んでいます。グルタミンは体内で最も多く存在する非必須アミノ酸で、腸の細胞のエネルギー源としても利用されます。
粉末の溶けにくさや独特の風味がある製品もあり、好みが分かれるところです。ホエイと比べると市場での流通量が少なく、価格が高めの製品が多い傾向があります。スムージーに混ぜたり、ヨーグルトに溶かしたりすると飲みやすくなる場合もあります。
乳由来である点はホエイと共通しており、乳製品アレルギーのある方は注意が必要です。
ソイ・えんどうなどの植物性プロテイン
ソイプロテインは大豆を原料とした植物性のプロテインです。豆腐・豆乳・納豆など日本で古くから食べられてきた大豆は、植物性食品の中でもたんぱく質含有量が多い食材です。
必須アミノ酸のバランスを示す「アミノ酸スコア」を確認すると、大豆はスコアが高く、植物性原料の中では比較的バランスがよいとされています。なお、大豆にはイソフラボンが含まれています。
えんどう豆(ピープロテイン)は、近年注目が高まっている植物性プロテインです。えんどう豆由来のたんぱく質を抽出したもので、大豆アレルギーがある方でも選びやすい原料として普及してきています。アミノ酸スコアも比較的高く、吸収速度はホエイとカゼインの中間程度とされています。
このほか、米・麻の実(ヘンプ)・オーツ麦など、さまざまな植物を原料としたプロテインが市場に登場しており、選択肢は年々広がっています。
動物性と植物性の違い
プロテインの原料は大きく「動物性」と「植物性」に分かれます。それぞれの特性を理解しておくと、自分のライフスタイルや食の価値観に合わせた選択がしやすくなります。主な違いを整理します。

動物性プロテインの特徴
動物性プロテインの代表はホエイとカゼインで、どちらも牛乳(乳製品)を原料としています。そのほか、卵を原料とした「エッグプロテイン」も動物性プロテインに分類されます。
動物性プロテインの特徴として挙げられるのは、まずアミノ酸スコアの高さです。アミノ酸スコアとは、たんぱく質の栄養価を評価する指標で、体内で合成できない必須アミノ酸がバランスよく含まれているかを示します。厚生労働省の e-ヘルスネットによると、アミノ酸スコアは食品によって異なり、動物性たんぱく質は一般的に高い値を示しやすいとされています。
ホエイプロテインは吸収が速く、市場で最も多く流通しています。製品の種類・味・価格帯のバリエーションが豊富で、初めてプロテインを試す方が選びやすい選択肢のひとつです。
乳製品に含まれる乳糖や、乳・卵のアレルギーが気になる方は、成分表示をよく確認してから選ぶことが大切です。
植物性プロテインの特徴
植物性プロテインの代表はソイプロテイン(大豆)ですが、えんどう豆・米・麻の実・オーツ麦など原料の種類は多岐にわたります。
植物性プロテインは乳製品・卵を使わないため、乳糖不耐症の方・乳製品や卵にアレルギーがある方・ヴィーガン・ベジタリアンの方にとって選びやすい選択肢です。環境負荷の観点から植物性を選ぶという考え方も広まっています。
一般的に植物性プロテインは、特定の必須アミノ酸が動物性と比較して少ない原料もあります。ただし大豆(ソイ)はアミノ酸スコアが高く、植物性の中では比較的バランスのよいたんぱく質源です。また、えんどう豆はリジンを多く含む点でも注目されています。
植物性特有の風味・渋み・溶けにくさが気になる方もいますが、製品によって大きく異なります。近年は飲みやすさを改善した製品も増えているため、試してみる価値はあります。
組み合わせて使う考え方
動物性と植物性を「どちらが優れているか」で比較するよりも、目的や状況に応じて使い分けたり、組み合わせたりする考え方があります。
たとえば、ホエイプロテインを基本として使いつつ、ヴィーガン対応が求められる日はソイプロテインに切り替えるという使い方ができます。また、ホエイとカゼインを一日の中で使い分けるケースもあります。
植物性プロテインの中で特定のアミノ酸が少ない場合、複数の植物性原料を組み合わせることでアミノ酸のバランスを補う製品も市販されています。「マルチプロテイン」や「ブレンドプロテイン」と呼ばれる製品がこれにあたります。
食の価値観・アレルギーの有無・目的・継続のしやすさなどを考慮しながら、自分に合うプロテインを探していくのが現実的なアプローチです。
吸収速度と向いている場面
プロテインの種類によって、体内での吸収速度が異なります。吸収の速さによって適している場面も変わるため、種類を選ぶ際の参考にしてみてください。

吸収が速い種類
プロテインの中で吸収が速いとされているのは、ホエイプロテインです。消化管での分解・吸収が比較的早く、血中アミノ酸濃度が短時間で上昇しやすい特性があります。
- ホエイプロテイン(WPC・WPI・WPH):牛乳由来の乳清たんぱく質。WPH(加水分解型)はさらに分解が進んでおり、最も吸収が速いとされています。
えんどう豆プロテインもホエイほどではないものの、カゼインやソイと比べると吸収は速めとされており、植物性プロテインの中では比較的速い部類に入ります。
吸収が速い種類は、体内へのアミノ酸供給が素早いという特性を活かせる場面に向いているとされています。
吸収がゆっくりな種類
吸収がゆっくりな種類として代表的なのはカゼインプロテインです。胃の中でゲル状に凝固しやすいため、消化が長時間かけて行われます。
- カゼインプロテイン:牛乳のたんぱく質の約80%を占める主成分。吸収に数時間かかるとされており、長い時間をかけてアミノ酸が供給されます。
ソイプロテインもホエイと比較すると吸収は緩やかとされています。ただし製品や個人の消化能力によって異なるため、一律に決まるものではありません。
場面に合わせて選ぶ
吸収速度の特性をもとに、「どの場面でどの種類を使うか」を考える方法があります。ただし、これはあくまで参考の考え方であり、プロテインの飲み方に厳密なルールがあるわけではありません。
- 体を動かした後:ホエイなど吸収の速い種類を選ぶ方もいます
- 食事の間・おやつ代わり:吸収速度にかかわらず、食事でのたんぱく質不足を補う目的で選ぶのが基本です
- 就寝前:カゼインなど吸収がゆっくりな種類を選ぶという考え方がありますが、夕食でたんぱく質が十分に摂れていれば必ずしも必要というわけではありません
- 朝食のたんぱく質補給:朝食が軽くなりがちな方は、吸収が速い種類を手軽に取り入れる手段として活用することもできます
なお、同じホエイプロテインでもWPC・WPI・WPHで吸収速度には差があります。吸収の速さを特に意識したい場合はWPHを選ぶという考え方もあります。ただし、WPHは価格が高めのため、日常使いするなら吸収速度とコストのバランスを見て選ぶのが現実的です。
プロテインのタイミングよりも「日々の総たんぱく質摂取量が適切かどうか」の方が基本として重要です。タイミングや吸収速度は、日々の食事でたんぱく質を十分に摂れた上での応用的な考え方として参考にする程度で構いません。
目的や体質に合わせた選び方
プロテインの種類を選ぶ際、「なぜ使うのか」「自分の体質や好みはどうか」を整理するのが選び方の出発点です。目的・体質・続けやすさの3つの視点から選び方を整理します。商品の具体的な比較・おすすめについては別の記事も参考にしてみてください。

目的で選ぶ
まず、プロテインを取り入れる目的を明確にすることが大切です。
- たんぱく質の補給を手軽にしたい方:種類を問わず、飲みやすく続けやすいものを選ぶのが最優先です。ホエイは製品バリエーションが豊富で選びやすいです
- 乳製品以外の原料にしたい方:ソイやえんどう豆など植物性の種類が選択肢になります
- 吸収速度を意識したい方:速さを優先するならホエイ、長時間にわたって補給したい場合はカゼインやソイという考え方があります
- アミノ酸バランスを意識したい方:アミノ酸スコアを確認し、複数原料をブレンドした製品も視野に入れてみましょう
- 食事量が少なくなりがちな方:食欲が落ちる時期や食事を簡略化しがちな方は、1回分の分量が少なく飲みやすい製品を選ぶと続けやすいです
目的を整理しても「どれが自分に最適かわからない」という方も多いです。その場合は「乳製品アレルギーや食の制限がないかどうか」「価格帯」「飲みやすさ」の3点に絞って比較してみると選びやすくなります。
プロテインはあくまでたんぱく質を補う食品です。「飲んだら何か特別な効果が出る」というものではなく、日々の食事でのたんぱく質摂取を下支えするものとして位置づけるのが適切です。
体質や好みで選ぶ
体質・食の制限・アレルギーによって、選べる種類が絞られることがあります。
- 乳糖不耐症の方:ホエイやカゼインは乳由来のため、乳糖フリー(WPI)か植物性を検討する
- 大豆アレルギーの方:ソイプロテインは原材料に大豆を使用するため注意が必要。えんどう豆・米などを原料とした製品を選ぶ
- ヴィーガン・ベジタリアンの方:ソイ・えんどう豆・麻の実など植物性の種類を選ぶ
- 独特の風味が苦手な方:製品ごとに味や風味は大きく異なるため、小容量のものから試してみるのがおすすめです
成分表示を確認し、アレルギー表示・原材料名・たんぱく質含有量・添加物の少なさなどを比べてみましょう。
続けやすさで選ぶ
どんなに栄養バランスがよい製品でも、続けられなければ意味がありません。続けやすさの観点も選び方の重要な要素です。
- 味・飲みやすさ:甘さ・風味・テクスチャーは製品によって大きく異なります。サンプルや小容量を試してから大容量を購入するのが安心です
- 価格帯:ホエイは選択肢が広く、比較的手頃な製品も多くあります。植物性は高め傾向ですが価格差が縮まりつつあります
- 使い勝手:溶けやすさ・粉の扱いやすさも、毎日使うプロテインでは重要なポイントです
- ライフスタイルへのフィット:職場や外出先でも飲みやすいか、シェイカーが必要かなど、日常動線に合うかどうかも確認しておきましょう
プロテインは毎日続けることで食事全体のたんぱく質量を安定させるものです。「続けやすい種類・製品」を優先することが、長期的には最も大切な選び方といえます。
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プロテインの種類に関するよくある質問
プロテインの種類について、多く寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。選び方で迷ったときの参考にしてみてください。

初心者はどれを選べばいい?
プロテインを初めて試す方には、ホエイプロテインが選ばれることが多いです。
理由としては、市場での流通量が多く価格帯の幅が広いこと、味の種類が豊富なこと、水や牛乳に溶けやすい製品が多いことが挙げられます。初めて購入する場合は、小容量のものやサンプルから試すと、自分に合う味・テクスチャーを確かめやすいです。
ただし、乳製品のアレルギーや乳糖不耐症がある方はホエイが合わない場合もありますので、その場合は植物性(ソイ・えんどう豆など)を選ぶとよいでしょう。「まず1種類試してみる」という気軽なスタートで問題ありません。続けてみて自分に合うと感じたら継続し、合わなければ他の種類を試してみるという流れが現実的です。
女性におすすめの種類は?
プロテインの種類に「女性向け」「男性向け」という明確な区分けはありません。目的や食の価値観、体質によって選ぶ方が実際には多いです。
植物性(ソイ・えんどう豆など)を選ぶ方もいますし、ホエイを選ぶ方もいます。乳製品が苦手な方・ヴィーガンの方は植物性が合いやすいでしょう。一方で、ホエイのほうが飲みやすいと感じる方も多くいます。
なお、ソイプロテインには大豆由来のイソフラボンが含まれていますが、大豆イソフラボンについては含まれるという事実にとどまり、効果を断定することは適切ではありません。選び方の基準は「自分の食生活・目的・好みに合うかどうか」が基本です。
味や飲みやすさで選んでもいい?
もちろん選んで構いません。むしろ「続けやすさ」はプロテイン選びにおいて非常に重要な基準のひとつです。
栄養成分が優れていても、毎日飲むのが苦痛になるようでは続けることができません。飲みやすい味・テクスチャー・溶けやすさを基準に選ぶことは、長期間継続するためにとても理にかなった考え方です。
同じ種類でも製品によって味や風味は大きく異なります。「チョコ味が飲みやすい」「甘みが少ない方が好き」「水より牛乳で割った方が飲みやすい」など、自分なりの飲み方を見つけることが継続のカギになります。栄養バランスの観点だけでなく、日常に取り入れやすいかどうかという視点で選んでみてください。
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まとめ
プロテインの主な種類はホエイ・カゼイン・ソイ・えんどう豆などで、原料・吸収速度・適した場面がそれぞれ異なります。動物性(ホエイ・カゼイン)はアミノ酸スコアが高く製品の選択肢が豊富で、植物性(ソイ・えんどう豆など)は乳製品アレルギーやヴィーガンの方にも選びやすい特徴があります。
選び方の基本は、目的・体質(アレルギー・食の価値観)・続けやすさの3点を整理することです。「どれが最も優れているか」よりも、「自分が無理なく続けられるか」を優先することが、プロテインを日常に取り入れる上で最も大切な視点です。まずは小容量から試してみて、自分に合う種類を見つけてみましょう。


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