「免疫力を上げる食べ物を調べるほど、ヨーグルト、納豆、きのこ、緑茶と候補ばかり増えて、結局今夜なにを買えばいいのかわからない」。そんな方のために、食べ物と飲み物を5つの食材カテゴリに分けました。
答えから言うと、免疫の働きを支える食事は「腸の菌を育てるもの」と「免疫細胞の材料になるもの」の2つに分かれます。発酵食品と食物繊維が前者、魚・卵・大豆と野菜が後者で、飲み物はその不足を埋める役です。
どれもスーパーとコンビニで揃います。カテゴリ別の1表と、朝・昼・夜に1品ずつ足す組み立て表を用意したので、今日の買い物からそのまま使ってください。
免疫力を上げる食べ物は5つのカテゴリで考えると迷わない
免疫の働きを支える食べ物は、発酵食品、食物繊維の多い食材、たんぱく質源、野菜と果物、飲み物の5つに分けられます。働きは「腸の菌を育てる」か「免疫細胞の材料になる」かのどちらかで、1品で全部をまかなえる食材はありません。まず表で、自分の食卓に足りないカテゴリを見つけてください。
5つのカテゴリと働きを1表で確認する
| カテゴリ | 働き | 代表の食材 | コンビニで買える形 | 詳しく見る章 |
|---|---|---|---|---|
| 発酵食品 | 腸の善玉菌を補う | ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ | 無糖ヨーグルト、納豆、即席みそ汁 | 腸の菌を育てる |
| 食物繊維の多い食材 | 善玉菌のエサになり、酪酸のもとになる | きのこ、海藻、押し麦、ごぼう | もち麦おにぎり、わかめスープ、きのこの総菜 | 腸の菌を育てる |
| たんぱく質源 | 免疫細胞や抗体の材料になる | 鮭、卵、鶏むね肉、大豆製品 | 鮭おにぎり、ゆで卵、サラダチキン、豆腐 | 材料になる食材 |
| 野菜と果物 | ビタミンと食物繊維を補う | ブロッコリー、にんじん、みかん、キウイ | カット野菜、野菜の総菜、カットフルーツ | 材料になる食材 |
| 飲み物 | 足りない分を手軽に埋める | 緑茶、甘酒、乳酸菌飲料、豆乳 | ペットボトル緑茶、甘酒、乳酸菌飲料、豆乳 | 飲み物の選び方 |
買い物では、菌の側(発酵食品と食物繊維)から1つ、材料の側(たんぱく質源と野菜)から1つを選ぶのが基本です。
特定の1品より組み合わせで考える
ヨーグルトを毎朝食べていても、食物繊維が少なければ菌のエサが足りません。逆に野菜が多くても、たんぱく質が少なければ材料が不足します。「これさえ食べれば」の1品を探すより、カテゴリをまたいで組み合わせるほうが近道です。
食材を1つずつ掘り下げたい方は、食べ物10選と食べ合わせのコツに、スーパーで揃う10品の選び方をまとめています。本記事はその10品をカテゴリと飲み物まで広げ、コンビニで揃える手順まで落とした版です。
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発酵食品と食物繊維で腸の菌を育てる
腸の菌を育てる食材は、菌そのものを補う発酵食品と、菌のエサになる食物繊維の2種類です。腸内細菌が食物繊維から作る酪酸には、炎症を抑える免疫細胞を増やす働きがあり、ここが「腸と免疫」のつながりの中心です。発酵食品だけでなく、エサになる食物繊維も一緒に増やしてください。
腸内細菌が作る酪酸が免疫の調整役を増やす
腸内細菌が食物繊維を分解すると、酢酸や酪酸などの酸ができます。この酸は大腸の中を酸性に保ち、善玉菌が増えやすく、悪玉菌が増えにくい環境を作ります。
酪酸にはもう1つの役割があります。腸内細菌が作る酪酸は体内に取り込まれて免疫系に働き、炎症やアレルギーを抑える制御性T細胞を増やします。食物繊維の多い食事を与えたマウスほど、腸内で作られる酪酸の量が多くなっていました。
<p class=”hm-term”><b>用語メモ|制御性T細胞</b>免疫の反応が行き過ぎないようにブレーキをかける免疫細胞のことです。腸内細菌が作る酪酸によって増えることが、マウスの研究でわかっています。</p>
仕組みの続きは発酵性食物繊維と短鎖脂肪酸のしくみに食品の例まで書いています。
食物繊維は多くの人で目標に届いていない
食物繊維の目標量は成人男性で1日20g以上、女性で18g以上ですが、実際の平均摂取量は1日18.1gで、男性は平均であと約2g、目標の約1割が足りません。納豆なら半パック分の差です。
食物繊維が多いのは、押し麦、さつまいも、納豆、おから、切り干し大根、ごぼう、ブロッコリー、しいたけ、ひじき、りんごなどです。コンビニなら、もち麦入りのおにぎりや、わかめときのこが入ったカップのスープで足せます。
納豆1パックで約4gの食物繊維
糸引き納豆は100gあたり食物繊維9.5g、たんぱく質16.5gなので、1パック40gなら食物繊維は約4g、たんぱく質は卵1個分を少し上回る約7gです。菌のエサと免疫細胞の材料を1品で補える食材といえます。
発酵食品には、ヨーグルトのように菌を補うものと、味噌やキムチのように食物繊維も一緒にとれるものがあります。納豆、ヨーグルト、味噌汁を日替わりにすると、菌の側とエサの側の両方に手が届きます。
たんぱく質とビタミンD、亜鉛は免疫細胞の材料になる
免疫細胞や抗体の材料はたんぱく質で、ビタミンDや亜鉛はその働きを支える栄養素です。魚、卵、大豆製品を毎食1品入れるだけで、この3つはほぼ同時にそろいます。野菜と果物も、ビタミンCと食物繊維の供給源としてこの章で扱います。
魚・卵・大豆製品を毎食1品入れる
免疫細胞は毎日入れ替わり、その材料になるのがたんぱく質です。朝はヨーグルトか卵、昼は鮭おにぎりかサラダチキン、夜は魚か豆腐と決めておくと、毎食1品が無理なく続きます。
鶏卵は100gあたりたんぱく質12.2g、ビタミンD3.8μg、亜鉛1.1mgを含み、Mサイズ1個(約50g)でその半分がとれます。朝食に1個足すのがいちばん手軽です。食品群ごとの量はたんぱく質が多い食品の一覧で確認できます。
鮭はビタミンDが多く、きのこと組み合わせやすい
しろさけは100gあたりビタミンD32.0μgで、まいたけ(4.9μg)の約6.5倍、鶏卵(3.8μg)の約8倍です。ビタミンDは魚に偏って含まれているので、魚を食べない日が続くと補いにくい栄養素です。
まいたけやしいたけはビタミンDと食物繊維を同時にとれます。鮭ときのこのホイル焼きや、きのこの味噌汁にすると、「材料」と「菌のエサ」を1皿でまかなえます。日光に当たる時間が短い方は、ビタミンDと免疫の関係も合わせて読んでください。
亜鉛は卵と肉から、野菜はあと1皿半
亜鉛は卵、肉、貝類に多く、免疫細胞が新しく作られるときに使われます。足りないときのサインは亜鉛と免疫の関わりにまとめています。
野菜は1日350gが目標ですが、平均は256gです。野菜料理1皿を約70gとすると、あと1皿半足りない計算です。ブロッコリーやにんじんの総菜を1皿、みかんかキウイを1つ足せば、ビタミンCとβカロテン、食物繊維をまとめて補えます。
腸の菌を育てる食材と、免疫細胞の材料になる食材。この2つを毎日そろえることが、食事で免疫の働きを支える基本です。ただ、外食が続く週や食欲がない日は、発酵食品も魚も抜けがちです。抜けた分は翌日に足すと決めておき、足りない日の保険を1つ持っておくと気が楽になります。
「納豆もヨーグルトも魚も、毎日となると続かない」という方の選択肢のひとつがTHE MENEKIです。乳酸菌や酪酸菌、菌のエサになるイヌリンに、ビタミンDと亜鉛(酵母由来)を合わせた一般食品で、歯みがきのあとに2粒なめるだけです。体質との相性には個人差があります。
飲み物は緑茶・甘酒・乳酸菌飲料・豆乳から選ぶ
飲み物は、それだけで免疫の働きを変えるものではなく、食事で足りないカテゴリを埋める役です。菌を足すなら乳酸菌飲料や甘酒、材料を足すなら豆乳、食事中の水分には緑茶と、目的で選ぶと迷いません。砂糖の多い飲み物は、量を決めて楽しむものと割り切ってください。
飲み物は「菌・材料・水分」のどれを足すかで選ぶ
コンビニの飲み物売り場で迷ったら、今日足りていないものから逆算します。
- 菌を足したい日は、乳酸菌飲料か飲むヨーグルト。ラベルの「糖類」を見比べて、少ないものを選ぶ
- 材料を足したい日は、無調整豆乳。朝食が軽かった日のたんぱく質の補いになる
- 水分を足したいときは、緑茶か麦茶。食事と一緒に温かいものをとると、甘い飲み物に手が伸びにくくなる
甘酒は砂糖を使わない米麹甘酒を選ぶと甘さを抑えられます。酒粕のものはアルコールを含む場合があるので、運転前は避けてください。
朝、コンビニ、夜と場面別に飲み物を選びたい方は、腸にいい飲み物の続け方が役に立ちます。
野菜ジュースは1皿の代わりではなく足し算
野菜ジュースは手軽ですが、野菜料理1皿の代わりには数えないでください。食物繊維の量も、かむ回数も、野菜そのものとは違います。総菜を1皿足したうえで、さらに足したい日の1本と考えてください。
選ぶときは、原材料の最初に野菜が書かれているか、食塩が加えられていないか、糖類が添加されていないか、の3点をラベルで見ます。果汁が先に書かれているものは果物ジュースに近い飲み物です。
甘い飲み物とお酒は量を決める
砂糖の多い清涼飲料を食事代わりにすると、本来とりたい発酵食品や野菜の分が押し出されます。お酒も、飲む日が続くと食事が軽くなりがちです。やめる必要はなく、「平日はペットボトル1本まで」と量を先に決めておくほうが、我慢するより長く続きます。
朝・昼・夜に1品ずつ足せばコンビニでも続く
5つのカテゴリを一度に満たそうとすると続きません。朝に菌、昼に材料、夜に食物繊維と、時間帯ごとに1品足すだけで、1日の終わりには表の5つがほぼそろいます。コンビニで買える形も並べたので、自炊しない日はこの表のとおりに選んでください。
朝は菌、昼は材料、夜は食物繊維を1品足す
| 時間帯 | 足す1品 | コンビニなら | ねらい |
|---|---|---|---|
| 朝 | 無糖ヨーグルトとみかん、または納豆ごはん | 無糖ヨーグルト、納豆巻き | 腸の菌と果物のビタミン |
| 昼 | 鮭おにぎりか卵のサンドイッチに、具だくさんの汁物 | 鮭おにぎり、ゆで卵、即席みそ汁 | 免疫細胞の材料 |
| 夜 | きのこと海藻の味噌汁、または野菜の総菜1皿 | わかめスープ、きのこや根菜の総菜 | 食物繊維と野菜1皿 |
| 飲み物 | 食事中は緑茶、間食の代わりに無調整豆乳か乳酸菌飲料 | ペットボトル緑茶、豆乳、乳酸菌飲料 | 足りない分の補い |
全部を一度に変える必要はありません。今日は朝の行だけ、慣れたら昼の行も、と1行ずつ増やしてください。
体調が揺れた日は無理に増やさない
のどに違和感がある日や食欲が落ちた日は、発酵食品や食物繊維を増やすより、消化しやすいものと水分を優先してください。いつもの1品に戻すのは食欲が戻ってからで十分です。
風邪気味の日にコンビニで何を選ぶかは、風邪気味の日にコンビニで買える飲み物・食べ物に症状別でまとめています。
まとめ
免疫力を上げる食べ物と飲み物は、発酵食品、食物繊維の多い食材、たんぱく質源、野菜と果物、飲み物の5つに分けると迷いません。働きは「腸の菌を育てる」か「免疫細胞の材料になる」かのどちらかで、飲み物は足りない分を埋める役です。
まずは朝の1品から始めてください。無糖ヨーグルトか納豆を足すだけで、腸の菌を育てる行が埋まります。慣れたら昼に鮭か卵、夜にきのこの味噌汁と、1行ずつ増やしていけば十分です。

