ドラッグストアの整腸剤コーナーに並ぶビオスリーとビオフェルミン。「自分の症状にはどちらが向いているのか」「そもそも何が違うのか」と迷う方は多いはずです。
この記事では、ビオスリーとビオフェルミンの配合菌・剤形・指定区分の違いをわかりやすく整理したうえで、ラックビー・ミヤリサン(ミヤBM)・パンラクミン・ザガードコーワ・太田胃散整腸薬など、関連キーワードで検索されている主要OTC整腸薬10種の特徴まで1記事にまとめました。
症状・状況別の使い分け方から、飲み方の目安・副作用・受診タイミングまで、添付文書に記載された情報をもとに中立的に解説します。
結論から確認:症状別にどちらを選ぶか
「ビオスリーとビオフェルミン、どっちがいい?」という問いに、ひとつの答えはありません。重要なのは、自分の症状・状況がどちらの配合菌と合うかという視点です。このH2では先に選択の目安を示し、以降の詳細解説へ読み進めていただきます。大前提として、購入前に薬剤師への確認を強くおすすめします。
ビオスリーとビオフェルミンは、どちらも「整腸(腸内菌叢の異常による諸症状の改善)・便秘・軟便・腹部膨満感」を効能効果として添付文書に記載している製品です。見た目の効能は似ていても、配合されている菌の種類・特性が大きく異なります。その違いが「どちらが自分の状況に合うか」という選択の根拠になります。

便秘・お腹のハリが主な悩みならビオフェルミン系が選択肢
便秘傾向、お腹のハリ、腸の動きが鈍い感じがあるという方には、ビフィズス菌・乳酸菌(フェーカリス菌・アシドフィルス菌)を配合した「新ビオフェルミンS錠」をはじめとするビオフェルミン系の製品が選択肢のひとつとして挙げられます。
ビフィズス菌は大腸に多く定着しやすい善玉菌の代表格であり、腸内環境を整える観点からよく注目されます。乳酸と酢酸を産生して腸内を弱酸性に保ちながら、大腸の環境を整えるサポートをするとされています。便秘傾向の腸内環境ケアとの親和性がよいとされる理由はここにあります。
また、フェーカリス菌・アシドフィルス菌の2種類の乳酸菌が小腸から大腸への橋渡しを担うため、腸全体をバランスよくカバーしたいという場合にも候補になります。
ただし、「必ず効く」「ビオフェルミンが最善」という断定ができるわけではなく、あくまで体質・症状・状況に応じた選択の目安です。
下痢・軟便・抗生物質と一緒に飲むならビオスリー系が選択肢
急性の下痢・軟便が続いている、または医師から処方された抗生物質と一緒に整腸剤を飲みたい場合には、ビオスリー系の製品が選択肢のひとつとして挙げられます。
ビオスリーに含まれる酪酸菌(宮入菌)は、熱・酸・アルカリに強く、胃酸でも死滅しにくい特性があります。また、芽胞形成菌であるため抗生物質の影響を受けにくい側面があり、抗生物質服用中の整腸剤として医療機関でも使われることがあります(詳しくは処方医・薬剤師へ確認してください)。
さらに酪酸菌が産生する「酪酸」は大腸の粘膜細胞のエネルギー源として機能するとされており、腸の粘膜環境を支える観点から注目されています。下痢・軟便の背景にある腸の粘膜状態の乱れへのアプローチとして、酪酸菌を含む製品が選ばれることがあります。
なお、ビオスリーには乳酸菌・糖化菌も同時配合されており、酪酸菌単独ではなく3種の菌が共生しながら腸内環境へ多方向からはたらきかける設計になっています。
どちらにするか迷うなら薬剤師への相談がいちばん確実
ビオスリー・ビオフェルミンのどちらにするか迷う場合は、薬局で薬剤師に直接相談するのがもっとも確実です。症状・年齢・服用中の薬・アレルギーなどを踏まえて、適切な製品を案内してもらえます。
薬局では相談が無料でできます。「下痢傾向か便秘傾向か」「抗生物質を飲んでいるかどうか」「子ども・妊娠中・高齢者かどうか」といった情報を伝えると、より的確な提案を受けられます。
セルフで選ぶ際も、購入前に「用法・用量」「使用上の注意」を必ず確認するようにしてください。「どちらか一方を一定期間試してみて、効果を感じにくければ別の菌種に切り替える」という使い方が現実的な選択の進め方です。
ビオスリーとビオフェルミンの違いを一覧で比較
ビオスリーとビオフェルミンの最大の違いは「配合菌の種類」にあります。菌種・剤形・1日服用量・指定区分・価格帯を一覧表で整理しました。細かい解説は次のH2以降で確認しましょう。

ビオスリーとビオフェルミン 基本スペック比較表(市販品)
以下の表は、2026年5月時点で薬局・ドラッグストアで一般的に入手できる市販品(OTC薬)の情報をもとに整理したものです。表中の効能効果は各製品の添付文書に記載された範囲を参照しています。
| 項目 | ビオスリーHi錠(市販品) | 新ビオフェルミンS錠(市販品) |
|---|---|---|
| 製造・販売 | 東亜薬品工業 | 武田コンシューマーヘルスケア |
| 指定区分 | 指定医薬部外品(市販品) | 指定医薬部外品 |
| 配合菌種 | 酪酸菌・乳酸菌(ラクトミン)・糖化菌 の3種 | ビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌 の3種 |
| 主な剤形 | 錠剤(Hi錠)・顆粒(Hi顆粒) | 錠剤・細粒 |
| 1日の服用量 | 成人:6錠(3回)※製品添付文書参照 | 成人:9錠(3回)※製品添付文書参照 |
| 添付文書記載の効能効果 | 整腸(腸内菌叢の異常による諸症状の改善)・便秘・軟便・腹部膨満感 | 整腸(腸内菌叢の異常による諸症状の改善)・便秘・軟便・腹部膨満感 |
| 抗生物質との併用 | 比較的影響を受けにくい(酪酸菌の特性) | 乳酸菌は抗生物質の影響を受けやすい場合がある |
| 向いている症状の傾向 | 下痢・軟便傾向・抗生物質と一緒に使いたい方 | 便秘傾向・腸全体をバランスよく整えたい方 |
※上記は一般的な情報整理であり、製品ごとの詳細は最新の添付文書を必ず確認してください。記載内容は変更される場合があります。
医療用(処方薬)と市販品は別製品
重要な点として、医療機関で処方される「ビオスリー錠・顆粒・散」や「ビオフェルミン配合散」は処方薬(医療用医薬品)であり、薬局で購入できる市販品(OTC)とは別の製品です。
処方薬は医師の診断・処方に基づき使用するもので、OTC市販品とは配合量・規格が異なる場合があります。たとえば、医療用ビオスリー錠は市販品ビオスリーHi錠と同じ菌種を含みますが、規格・用量設定が異なります。
「病院でビオスリーを処方されていたが、市販品に切り替えてよいか」と迷う場合は、必ず担当医または薬剤師に相談してください。自己判断での切り替えは推奨できません。この記事では市販品(OTC)を中心に解説しています。
ビオスリーの配合菌と特徴
ビオスリーの最大の特徴は「酪酸菌・乳酸菌・糖化菌」の3種類の菌が共生する処方にあります。それぞれの菌がどのように腸内ではたらくか、添付文書記載の効能効果をもとに整理します。

ビオスリーに含まれる3種の菌とそれぞれの役割
ビオスリーには以下の3種類の生菌が配合されています。それぞれが互いに作用しながら腸内環境に働きかける設計です。
酪酸菌(宮入菌)
酪酸菌は大腸の粘膜細胞のエネルギー源となる「酪酸」を産生する菌です。腸の粘膜を健やかに保つサポートをするとされています。芽胞(胞子)を形成する菌であるため、熱・酸・アルカリに強く、胃酸でも死滅しにくい特徴があります。これにより、腸まで生きたまま到達しやすいとされています。
ビオスリーに用いられている酪酸菌は「宮入菌(Clostridium butyricum MIYAIRI 588株)」と呼ばれる菌株で、長年の研究・使用実績があります。この菌株は戦前に日本で分離されて以来、整腸薬の分野で使われてきた歴史があります。
酪酸菌が産生する酪酸(Butyrate)は、大腸粘膜の上皮細胞が好むエネルギー源としても知られており、腸の内側の粘膜バリアを維持するうえで注目されています。
乳酸菌(ラクトミン)
乳酸菌は腸内で乳酸を産生し、腸内を酸性に保つことで悪玉菌の増殖を抑えます。小腸から大腸にかけて広く働くオールラウンドな菌として、多くの整腸剤に配合されています。ビオスリーに配合される乳酸菌(ラクトミン)は、小腸域でのはたらきが期待されます。
糖化菌(納豆菌類似の芽胞形成菌)
糖化菌は、腸内で酪酸菌・乳酸菌の増殖を促進する働きがあるとされています。単独での整腸作用よりも、他の菌との共生によって機能を発揮する菌として位置づけられています。糖化菌自体も芽胞を形成するため、胃酸の影響を受けにくい側面があります。
糖化菌は納豆菌(Bacillus subtilis)に近縁の菌であり、培養・増殖を通じて酪酸菌・乳酸菌の活動を支えるサポーター的な役割を担うと考えられています。
この3種が同時に配合されている点がビオスリーの特徴であり、添付文書には「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」「便秘、軟便、腹部膨満感」が効能効果として記載されています。3種の菌が互いに共生し、腸内の複数の環境に対してアプローチする「複合生菌製剤」として位置づけられています。
抗生物質との併用に向く理由(芽胞形成菌の特性)
抗生物質は感染症の治療に使われる一方で、腸内の善玉菌を含む腸内細菌全体に影響することがあります。抗生物質の中には広域スペクトルのものも多く、治療対象の菌だけでなく、腸内の乳酸菌・ビフィズス菌などの善玉菌も減少させてしまうことがあります。その結果、下痢・軟便・腹部不快感が起きやすくなることが知られています。
乳酸菌・ビフィズス菌を中心とする整腸剤は抗生物質の影響を受けやすい傾向がある一方、ビオスリーに含まれる酪酸菌(宮入菌)は芽胞形成菌であるため、抗生物質への耐性が比較的高いとされています。芽胞は外被(殻)で菌体を保護する構造であり、抗生物質の影響を受けにくいとされています。
このことから、抗生物質服用中に整腸剤を使いたい場合、医師・薬剤師からビオスリー系製品やミヤBM(酪酸菌単独製品)が案内されるケースがあります。
ただし、「抗生物質との併用に必ず安全」という意味ではなく、使用前には必ず処方医・薬剤師に相談することが前提です。市販品のビオスリーを処方された抗生物質と一緒に使う場合も同様に確認してください。また、抗生物質を服用していない場合はビオスリーでもビオフェルミンでも、個人の症状に応じた選択が可能です。
ビオスリーの市販品ラインナップ(HI錠・HI顆粒・Hi錠の違い)
市販品のビオスリーには複数のラインナップがあります。製品名の表記(HI錠・HI顆粒・Hi錠)は時期や流通によって変わることがありますが、2026年5月時点での代表的な製品は以下のとおりです。
ビオスリーHi錠:1錠あたりの菌数を含む標準的な錠剤タイプ。成人は1回2錠を1日3回、食後に服用します(製品添付文書参照)。
ビオスリーHi顆粒:顆粒タイプで、錠剤が飲みにくい方や、子どもへの使用(年齢・用量については添付文書を確認)にも選ばれやすい剤形です。
最新の用法・用量・使用対象年齢については、各製品の添付文書またはPMDAの情報を必ず確認してください。
ビオフェルミンの配合菌と特徴
ビオフェルミンは「ビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌」の3種を含む乳酸菌系整腸剤です。小腸から大腸まで幅広くカバーするのが特徴といわれています。市販ラインナップも複数あるため、製品ごとの違いも確認しましょう。

ビオフェルミンに含まれる3種の菌とそれぞれの役割
新ビオフェルミンSシリーズには以下の3種類の生菌が配合されています。
ビフィズス菌(Bifidobacterium longum)
大腸に多く定着する善玉菌の代表格です。乳酸と酢酸を産生することで腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。便秘傾向の方の腸内環境ケアとの親和性がよいとされ、多くの腸ケア製品に配合されています。
ビフィズス菌は腸内フローラの中でも「善玉菌の象徴」として知られており、健康な大腸内では腸内細菌の中でも一定の割合を占めています。加齢とともに腸内のビフィズス菌の量が減るとされることから、補充という観点でもよく用いられます。
フェーカリス菌(Enterococcus faecalis)
小腸で主に働く乳酸菌の一種で、腸内を酸性に保つ役割があります。腸内環境を整え、上部消化管からのカバーを担います。ビフィズス菌が主に大腸に作用するのに対し、フェーカリス菌は小腸域を中心に働くとされています。速やかに腸内で増殖する特性を持ち、腸内環境の乱れへの初期対応を担う菌として整腸剤に用いられています。
アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilus)
小腸に定着しやすい乳酸菌の一種で、フェーカリス菌と連携して小腸環境のサポートをします。胃液(酸性環境)への耐性が比較的高い乳酸菌として知られており、小腸での定着しやすさが特徴とされています。乳酸を産生して腸内を酸性に保ちながら、悪玉菌の増殖を抑える役割を果たします。
この3種の組み合わせにより、小腸(フェーカリス菌・アシドフィルス菌)から大腸(ビフィズス菌)まで腸全体をカバーする設計となっています。添付文書には「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」「便秘、軟便、腹部膨満感」が効能効果として記載されています。腸の広い範囲への働きかけを重視する方に向いた構成といえます。
新ビオフェルミンS錠・S細粒・Sプラス錠の違い
ビオフェルミンのブランドには複数のラインがあり、含まれる成分・指定区分が異なります。
新ビオフェルミンS錠(指定医薬部外品):フェーカリス菌・アシドフィルス菌・ビフィズス菌の3種配合。薬局・ドラッグストアで最も広く流通している標準製品です。
新ビオフェルミンS細粒(指定医薬部外品):上記と同成分の細粒タイプ。錠剤を飲みにくい方や子どもの服用に対応した剤形です(年齢・用量は添付文書参照)。
新ビオフェルミンSプラス錠(第3類医薬品):上記3種の菌に加え、ロングム菌(ビフィズス菌の別種)が配合された医薬品ラインです。指定医薬部外品より規制の枠組みが異なります。
なお、「ビオフェルミン下痢止め」は止瀉成分(ロートエキス・ロペラミド塩酸塩)を含む別の製品であり、整腸剤とは性格が異なります。混同しないようにしてください。
最新の用法・用量・使用上の注意は各製品添付文書で確認してください。
ビフィズス菌製剤(ラックビー)との違いも押さえておく
ビオフェルミンとよく比較されるのが「ラックビー」です。後述の10製品比較セクションで詳しく解説しますが、ラックビーはビフィズス菌(ロングム菌)を主体とした製品です。
ビオフェルミン系との大きな違いは、ラックビーがビフィズス菌単独またはビフィズス菌主体であるのに対し、ビオフェルミン系は乳酸菌3種の組み合わせで小腸から大腸まで幅広くカバーする点にあります。どちらが向いているかは症状・体質によって異なります。
整腸剤の菌種別・特徴早見表(10製品まとめ)
ビオスリー・ビオフェルミン以外にも、薬局には多くのOTC整腸薬が並んでいます。関連キーワードで検索されているラックビー・ミヤリサン(ミヤBM)・パンラクミン・ザガードコーワ・太田胃散整腸薬など主要10製品を、配合菌・剤形・指定区分・特徴で一覧化しました。
10製品の概要を先に一覧表で確認してから、各製品の詳細を読み進めてください。
| 製品名 | 配合菌の種類 | 指定区分 | 剤形 | 特徴のポイント |
|---|---|---|---|---|
| ビオスリーHi錠 | 酪酸菌・乳酸菌・糖化菌(3種複合) | 指定医薬部外品 | 錠剤・顆粒 | 抗生物質耐性菌を含む3種共生 |
| 新ビオフェルミンS錠 | ビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌(3種) | 指定医薬部外品 | 錠剤・細粒 | 小腸〜大腸全体をカバーする乳酸菌系 |
| ラックビー錠・微粒N | ビフィズス菌(ロングム菌主体) | 指定医薬部外品など | 錠剤・微粒 | 大腸特化型のビフィズス菌製剤 |
| ミヤBM錠(ミヤリサン) | 酪酸菌(宮入菌)単独 | 第3類医薬品(市販品) | 錠剤・細粒 | ビオスリーから乳酸菌・糖化菌を除いたシンプル設計 |
| パンラクミン錠 | 乳酸菌(エンテロコッカス属) | 第3類医薬品 | 錠剤 | フェーカリス菌系・シンプルな乳酸菌製剤 |
| ザガードコーワ腸錠 | ビフィズス菌・乳酸菌(フェーカリス菌・アシドフィルス菌) | 指定医薬部外品 | 錠剤 | ビオフェルミンSと類似した3種構成 |
| 太田胃散整腸薬 | 乳酸菌・ビフィズス菌 + 消化酵素など | 指定医薬部外品 | 錠剤 | 整腸成分+消化補助成分を合わせ持つ |
| ビオラックス(ビオラックスS) | 乳酸菌(ラクトミン) | 指定医薬部外品など | 錠剤 | シンプルなラクトミン製剤 |
| ラクトンプラス | 乳酸菌 + ビフィズス菌(複合) | 指定医薬部外品など | 錠剤 | 複数菌種配合の複合タイプ |
| ビフィズミン | ビフィズス菌系 | 指定医薬部外品など | 錠剤など | ビフィズス菌中心の整腸剤 |
※製品名・成分・指定区分は製品改訂により変更される場合があります。購入前に最新の添付文書をご確認ください。

ラックビーの特徴
ラックビーは「ビフィズス菌(ビフィドバクテリウム・ロングム)」を主体とした整腸剤です。市販品としては「ラックビー微粒N」「ラックビー錠」などがあります(製品ラインナップは時期により変動あり)。
ビフィズス菌は大腸に多く定着する善玉菌であり、便秘傾向への腸内環境ケアとの親和性がよいとされています。添付文書には「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」「便秘、軟便、腹部膨満感」が効能効果として記載されています。
ビオフェルミンS錠との比較では、ラックビーはビフィズス菌主体の単菌種または2菌種構成であるのに対し、ビオフェルミンSは乳酸菌3種を組み合わせて小腸から大腸まで幅広くカバーする構成になっています。「大腸に特化したシンプルなビフィズス菌製剤が欲しい」という場合にはラックビーが、「小腸から大腸まで幅広くカバーしたい」という場合にはビオフェルミンSが候補になります。
「ラックビー ビオフェルミン 違い」で検索する方は、この菌種の違いを確認したうえで、便秘傾向の強さや小腸・大腸どちらのケアを重視するかという観点から選ぶとよいでしょう。どちらを選べばよいか迷う場合は、薬剤師への相談を活用してください。
ミヤリサン(ミヤBM)の特徴
ミヤリサン・ミヤBMは「酪酸菌(宮入菌:Clostridium butyricum MIYAIRI 588株)」を単独配合した整腸剤です。薬局で「ミヤBM錠」として入手できます。ミヤリサン製薬から製造・販売されており、酪酸菌を主成分とした製品として長い使用実績があります。市販品は第3類医薬品として販売されています。
ビオスリーとの違いは菌種の構成にあります。ビオスリーは酪酸菌に加えて乳酸菌・糖化菌の3種を配合した複合生菌製剤ですが、ミヤBMは酪酸菌のみのシンプルな構成です。「酪酸菌だけに絞って使いたい」「追加の菌種は不要」という場合にはミヤBMが向いています。
添付文書に記載されている効能効果は「整腸(腸内菌叢の異常による諸症状の改善)・便秘・軟便・腹部膨満感」であり、ビオスリーと同様の効能効果の枠組みです。抗生物質との耐性については、酪酸菌の芽胞形成特性によりビオスリーと同様に比較的耐性があるとされています。
「ミヤリサン ビオスリー どっち」「ミヤBM ビオフェルミン 違い」で検索する方は、「ミヤBM=酪酸菌のみのシンプル設計」「ビオスリー=酪酸菌+乳酸菌+糖化菌の3種複合」という菌種構成の違いが最大のポイントになります。酪酸菌の特性(抗生物質への耐性・胃酸でも死滅しにくい芽胞形成能)はビオスリーと共通しています。どちらが向くかは症状・状況次第です。
パンラクミンの特徴
パンラクミンは「乳酸菌(エンテロコッカス属フェーカリス菌系)」を主体とした整腸剤です。ビオフェルミンSに含まれるフェーカリス菌と同系統の乳酸菌を用いた製品として知られています。大正製薬から販売されており、第3類医薬品として分類されています。
シンプルな乳酸菌製剤であるため、複合菌種の整腸剤より配合がわかりやすく、乳酸菌のみで腸内環境をサポートしたい方に選ばれることがあります。添付文書に記載された効能効果は「腸内菌叢の異常による諸症状の改善(便秘、軟便等)・整腸」です。
ビオフェルミンとの違いは、配合菌種の数(ビオフェルミンSは3種、パンラクミンは主にフェーカリス菌1種)と構成の複雑さにあります。「1種の乳酸菌でシンプルに使いたい」場合にパンラクミン、「小腸から大腸まで多面的にカバーしたい」場合にビオフェルミンSが候補になります。
「パンラクミン ビオフェルミン 違い」で調べる方は、この「配合菌の種類・数の違い」を軸に比較するとわかりやすいでしょう。どちらが向いているかは症状・体質に応じて異なるため、迷う場合は薬剤師に確認することをおすすめします。
ザガードコーワの特徴
ザガードコーワ腸錠は「ビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌」の3種を含む整腸剤です。菌種の構成が新ビオフェルミンS錠と類似しており、「ザガードコーワ ビオフェルミン どっち」と比較されることが多い製品です。興和から販売されており、指定医薬部外品として分類されています。
添付文書に記載された効能効果は「腸内菌叢の異常による諸症状の改善・整腸・便秘・軟便・腹部膨満感」であり、ビオフェルミンSと同様の効能効果の枠組みです。
基本的な配合菌の種類が似ているため、どちらかが明確に優れているとは言えず、服用量・1日あたりの錠数・価格帯・製品規格などを総合して選ぶことになります。ビオフェルミンSは1日9錠(成人)、ザガードコーワ腸錠は製品添付文書記載の用量を確認のうえ比較するとよいでしょう。
「ザガードコーワ ビオフェルミン どっちを選ぶか」という問いへの答えは、「どちらが明確に優れている」とは言えず、服用しやすい剤形・入手しやすさ・価格などを加味して選ぶことが現実的です。迷う場合は薬剤師に確認しながら選ぶのが確実です。
太田胃散整腸薬の特徴
太田胃散整腸薬は乳酸菌・ビフィズス菌を含みながら、消化酵素(ジアスターゼ・プロザイム等)や制酸成分を組み合わせた製品です。整腸作用に加えて、消化を助ける成分が含まれている点が純粋な乳酸菌製剤との違いです。大田胃散(株式会社太田胃散)から販売されており、指定医薬部外品として分類されています。
添付文書に記載された効能効果には、整腸作用に加えて「もたれ、消化不良」への対応も含まれることがあります(製品の最新の添付文書を確認してください)。
「食後の胃もたれ・消化不良感と便通不調が同時に気になる」という場合に、整腸と消化補助を1製品でカバーしたいという方が選ぶことがあります。消化酵素が配合されている分、消化機能のサポートという面でビオフェルミンSには含まれない特徴を持ちます。
「太田胃散整腸薬 ビオフェルミン 違い」の答えとしては、「純粋な腸内細菌バランスの改善」に特化したビオフェルミン系と、「消化補助成分も含む整腸剤」としての太田胃散整腸薬という役割の違いが最大のポイントです。「腸内環境の改善だけを目的とするか」「消化も同時にサポートしたいか」で選び分けることができます。
その他整腸剤(ビオラックス・ラクトンプラス・ビフィズミン・ビオルト)の特徴
薬局では上記以外にも複数の整腸剤が並んでいます。それぞれの概要を確認しましょう。
ビオラックス・ビオラックスS
乳酸菌(ラクトミン)を主成分とするシンプルな整腸剤です。複数の菌種を組み合わせる複合型とは異なり、乳酸菌のみで腸内環境をサポートしたい方向けの選択肢です。
ラクトンプラス
乳酸菌・ビフィズス菌を複数配合した複合タイプの整腸剤です。菌種の多様性を重視した設計であり、小腸〜大腸に広くアプローチするタイプとして位置づけられます。
ビフィズミン
ビフィズス菌系の菌種を中心とした整腸剤です。便秘傾向の腸内環境ケアとの親和性が高いとされるビフィズス菌製剤の選択肢のひとつです。
ビオルト
整腸剤ブランドのひとつで、乳酸菌系成分を配合した製品です。詳細な配合菌種・指定区分は製品の添付文書で確認してください。
これらの製品はいずれも「整腸(腸内菌叢の異常による諸症状の改善)」を目的として設計されており、便秘・軟便・腹部膨満感への対応を添付文書に記載しています。選ぶ際は配合菌の種類・剤形・価格帯を比較のうえ、薬剤師に相談することをおすすめします。
症状・状況別に整腸剤を選ぶ4つの基準
整腸剤の種類は多いですが、選ぶときに見るべきポイントは4つに絞られます。症状タイプ・菌種・剤形・服用期間の観点から、自分に合った製品を絞り込む方法を整理します。

1. 症状のタイプ(下痢よりか・便秘よりか・交互に出るか)
まず確認すべきは「今の主な悩みが何か」です。同じ整腸剤でも、症状のタイプによって向きやすい製品が変わります。
下痢・軟便傾向の方
酪酸菌を含むビオスリー系・ミヤBM系が選択肢として挙げられやすいです。腸の粘膜環境を整える酪酸の産生を期待する観点から選ばれることがあります。ただし、下痢が続く・強い腹痛・発熱がある場合は整腸剤での自己対処ではなく、受診が優先です。
便秘傾向の方
ビフィズス菌を配合したビオフェルミンS系・ラックビー系が候補に挙がりやすいです。ただし「整腸剤を飲めば便秘が解消する」という断定はできません。体質や生活習慣全体の見直しも必要です。
便秘と下痢が交互に起こる方
乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌を複合的に含む製品(ビオスリー系)が候補になることがあります。ただし、便秘と下痢を繰り返す状態が続く場合は過敏性腸症候群(IBS)などの疾患が背景にある可能性があるため、医療機関への受診を検討してください。
2. 配合菌の種類(乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌・複合)
主要な菌種の特徴を以下のようにまとめることができます(一般的な特性に基づく情報です)。
- 乳酸菌(ラクトミン・フェーカリス菌・アシドフィルス菌など):主に小腸に働き、腸内を酸性に保って悪玉菌の増殖を抑える。オールラウンドに機能するとされる
- ビフィズス菌:主に大腸に定着。乳酸・酢酸を産生して腸内環境を整える。便秘傾向との相性がよいとされる
- 酪酸菌(宮入菌):大腸の粘膜細胞のエネルギー源となる酪酸を産生。胃酸に強い芽胞形成菌で、腸まで届きやすいとされる。抗生物質耐性の観点からも注目される
- 複合生菌製剤:複数の菌種を同時配合し、多方向から腸内環境へのアプローチを目指す製品設計
どの菌種が「効果的」かは個人の腸内環境・体質によって異なるため、断定はできません。
3. 剤形と服用しやすさ(錠剤・細粒・顆粒・チュアブル)
整腸剤は継続服用が基本となります。継続しやすい剤形を選ぶことが重要です。
- 錠剤:持ち歩きやすく、正確な服用量が管理しやすい
- 細粒・顆粒:錠剤が飲みにくい方・子どもへの使用に対応。水に溶かして服用できるものもある
- チュアブル:噛んで服用できるため水なしでも使用可能(製品によって異なります)
服用回数は製品によって1日3回・1日2回などさまざまです。食後への服用が基本ですが、製品ごとの用法・用量の指示に従ってください。
4. 抗生物質との併用や年齢・体質による制限
整腸剤を選ぶうえで見落としがちな重要ポイントです。
抗生物質との併用:乳酸菌系の整腸剤は抗生物質の影響を受けやすい場合があります。抗生物質服用中の整腸剤は、酪酸菌(宮入菌)系製品が候補として挙がりやすいです。ただし、必ず処方医・薬剤師に相談のうえで使用してください。
小児への使用:整腸剤には年齢制限が設けられているものがあります。子どもへの使用は製品添付文書の年齢・用量規定を確認し、薬剤師に相談することが前提です。
妊娠中・授乳中:多くの整腸剤はビオフェルミンS錠・ビオスリーHi錠ともに妊娠中・授乳中の使用について添付文書に注意書きがあります。必ず使用前に産婦人科医・薬剤師に相談してください。
アレルギー・既往歴のある方:乳糖を含む製品もあるため、乳糖不耐症の方は成分を確認してください。
整腸剤の効果はいつから?飲み方と続け方の目安
「飲んですぐ効かない」と途中でやめてしまう方が多いですが、腸内環境の変化には一定の時間が必要です。添付文書の用法・用量をもとに、正しい飲み方と効果を判断するタイミングを確認しましょう。

1日の服用回数と飲むタイミング(食前・食後・食間)
整腸剤の服用タイミングは製品によって異なります。一般的には「食後」の服用を指定する製品が多いですが、「食前・食間」が推奨される製品もあります。
新ビオフェルミンS錠の一般的な用法(添付文書参照):成人は1回3錠を1日3回、食後に服用。子どもは年齢ごとに用量が設定されています(詳細は添付文書参照)。
ビオスリーHi錠の一般的な用法(添付文書参照):成人は1回2錠を1日3回、食後に服用。
服用回数・1回あたりの量は製品により異なるため、必ず購入した製品の添付文書に記載された用法・用量に従ってください。「多く飲めば早く効く」という考えで用量を超えて服用することは避けてください。
効果を実感するまでの目安期間
整腸剤の効果を実感するまでの期間は、「腸内環境が整ってくるまでの時間」として一般的には2〜4週間程度の継続が目安とされています。ただし、これは個人差があり、体質・生活習慣・腸内フローラの状態によって異なります。
腸内に定着する善玉菌の量を一定レベルに保つためには、継続的な服用が前提となります。数日で変化がないからといって服用をやめてしまうと、効果を評価できないことが多いです。
2週間飲んで変化がないときの判断基準
2週間ほど服用を続けても便通・お腹の状態に大きな変化が感じられない場合は、以下を確認してください。
- 服用量・タイミングが添付文書の指示どおりか
- 水分・食物繊維の摂取など生活習慣面に大きな乱れがないか
- 選んだ製品の配合菌が自分の症状タイプと合っているか(例:便秘傾向なのにビオスリーのみ使用している等)
上記を確認しても改善しない場合は、異なる菌種の製品へ切り替えを検討するか、薬剤師に相談してみましょう。2週間以上経っても症状が改善しない場合の対応については、後述の「こんな症状は市販薬で対応せず早めに受診を」セクションも参考にしてください。
整腸剤の副作用と安全性
市販の整腸剤は一般的に安全性が高い部類に入りますが、すべての製品で副作用がゼロというわけではありません。添付文書に記載された注意点と、妊婦・子ども・高齢者への使用可否を整理します。

ビオスリー・ビオフェルミンの副作用(添付文書記載範囲)
ビオスリー・ビオフェルミンはいずれも生菌(善玉菌)を主体とした製品であり、一般的に副作用のリスクは比較的低い製品として位置づけられています。しかし、まれに以下のような反応が報告されています(各製品の添付文書記載に基づく範囲)。
- 腹部膨満感・腹部不快感(飲み始め初期に起きることがある)
- 便の性状変化(一時的な軟便・下痢感、または便秘感)
上記のような不快感が続く場合や、服用後に発疹・じんましんなどアレルギー様の症状が起きた場合は服用を中止し、薬剤師・医師に相談してください。
「副作用がほとんどない」と言われる整腸剤でも、体質によっては反応が出ることがあります。添付文書の「使用上の注意」は必ず確認してください。
妊娠中・授乳中・子どもへの使用可否
整腸剤は「食品に近い安全性」と言われることもありますが、妊娠中・授乳中の使用については慎重な判断が必要です。
妊娠中の方:新ビオフェルミンS錠・ビオスリーHi錠ともに、妊娠中の安全性が完全に確立されているわけではありません。服用前には必ず産婦人科医・薬剤師に相談してください。
授乳中の方:同様に、授乳中の使用についても薬剤師・医師への事前確認が推奨されます。
子どもへの使用:ビオフェルミンSシリーズ・ビオスリーHiシリーズともに子ども向けの用量設定がある製品があります。年齢・体重ごとの用量が異なるため、必ず添付文書の年齢別用量を確認し、不明な点は薬剤師に確認してください。
整腸剤を長期服用しても問題ないか
一般的に、整腸剤(乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌系)は長期服用を前提に設計されており、用法・用量の範囲内での継続使用は問題ないとされています。
ただし以下の点に注意が必要です。
- 長期服用しても症状が改善しない場合は、整腸剤の限界ではなく別の疾患が関係している可能性があります
- 「飲み続ければ腸が本来の機能を回復する」という保証はなく、生活習慣の改善と並行することが重要です
- 症状が安定してきたら服用の継続について薬剤師に相談することも選択肢です
長期服用を続けても症状が変わらない・悪化する場合は医療機関への受診を優先してください。
整腸剤だけでは補えない腸内環境ケアについて
OTC整腸薬は症状が出たときの対応策として使いやすい選択肢です。一方で、腸内環境を継続的に整えるアプローチとして、健康食品(菌活サプリ)という別の選択肢もあります。医薬品と健康食品の役割の違いを整理しておきましょう。

整腸剤(医薬品)と菌活サプリ(健康食品)の役割の違い
整腸剤は医薬品または医薬部外品として承認された製品であり、効能効果・用法用量が添付文書に明記されています。一方、菌活サプリ(乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌などを含む食品・健康食品)は食品区分のため、疾病の治療・予防を目的として表示することはできません。
| 比較軸 | 整腸剤(OTC医薬品・医薬部外品) | 菌活サプリ(健康食品) |
|---|---|---|
| 規制の枠組み | 医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく | 食品衛生法等に基づく |
| 効能効果の表示 | 添付文書に記載された範囲で可能 | 疾病の治療・予防目的の表示は不可 |
| 使用目的 | 症状への対応・腸内環境の改善 | 日常的な腸内環境のメンテナンス |
| 継続性 | 症状に応じて使用 | 日常的な継続使用 |
長期的な腸内環境ケアを考えるときの視点
整腸剤は症状が出たときの対応として使いやすい一方、日常的に長期間使い続けるものとしては医療機関や薬剤師との相談が伴うことが多いです。
腸内環境を毎日継続的に整えたいという観点では、健康食品区分の菌活サプリが選ばれることがあります。薬ではないため副作用という概念はなく、食事感覚で取り入れやすいという側面があります。
ただし「サプリが医薬品より効く」という意味ではなく、役割・使用シーンが異なるという点を理解したうえで選ぶことが大切です。
腸内環境の維持には、菌を補う(サプリ・整腸剤)だけでなく、菌が腸内に定着・機能しやすい環境を整えることも大切です。以下のような生活習慣と組み合わせることで、腸内環境ケアの効果が出やすい土台が作られます。
- 食物繊維の摂取:野菜・豆類・海藻・きのこ類などに多く含まれる食物繊維は、腸内細菌のエサ(プレバイオティクス)になる
- 発酵食品の活用:味噌・納豆・漬物・ヨーグルトなどは腸内フローラの多様性を保つ観点から日常的に活用しやすい食品
- 水分補給:腸の蠕動運動を助けるためにも、こまめな水分補給が基本
- 規則正しい生活リズム:睡眠不足・ストレス・不規則な食事時間は腸内フローラを乱す要因になるため、生活リズムの安定が腸内ケアの土台になる
整腸剤・菌活サプリはこうした生活習慣の土台の上で使ってこそ、より効果を感じやすい環境が整います。
腸活サプリの詳しい選び方については、こちらの記事でまとめています。
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腸内環境の基本的な整え方については、こちらも参考にしてください。
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こんな症状は市販薬で対応せず早めに受診を
整腸剤はセルフケアの入り口として有用ですが、症状によっては医療機関での診察が必要なケースがあります。受診の目安となるサインを押さえておきましょう。

整腸剤を使わず受診すべき症状のサイン
以下のような症状がある場合は、整腸剤での自己対処を始める前に医療機関を受診することを強くおすすめします。
血便・黒色便が出ている
便に血が混じっている(赤い便・黒いタール状の便)場合は、消化管のどこかに出血がある可能性があります。炎症性腸疾患・感染性腸炎・消化管出血などが疑われます。整腸剤の使用前に速やかに受診してください。
38度以上の発熱を伴う下痢
発熱を伴う下痢は感染性の可能性が高く、OTC薬での自己対処が症状を悪化させるリスクがあります。高熱・激しい腹痛・嘔吐が重なる場合は早急に医療機関を受診してください。
激しい・持続する腹痛
虫垂炎・腸閉塞・急性腸炎などの疾患が関係している可能性があります。痛みが強い・特定の場所だけが痛む・痛みが続くという場合は受診を優先してください。
乳幼児・高齢者の下痢・腹部不調
乳幼児は脱水に至るスピードが速く、高齢者も電解質異常が命に関わる場合があります。自己判断でのOTC薬使用は控え、早めに小児科・内科を受診してください。
市販薬を2週間使っても改善しないときの判断基準
OTC整腸剤を用法・用量どおりに2週間使用しても症状が改善しない場合は、セルフケアの限界と考えて医療機関への受診を検討してください。
特に以下の状態が2週間以上続く場合は消化器内科への受診を推奨します。
- 下痢・便秘が交互に繰り返す
- 体重が急激に減っている
- 腹部の張り・痛みが続く
- 便通の乱れ以外に倦怠感・食欲不振が重なる
慢性的な症状の背景には、過敏性腸症候群(IBS)・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)・消化管の疾患などが隠れている場合があります。整腸剤でカバーできる症状の範囲には限界があることを理解しておいてください。
薬剤師への相談が有効なケース
以下のケースでは医療機関への受診より前に、まず薬剤師への相談を活用することが有益です。
- どの整腸剤を選べばよいかわからない
- 複数の薬・サプリを服用中で飲み合わせが心配
- 子どもや妊婦・高齢者など特殊な状況での使用可否
- 2〜3種類の整腸剤を試したが改善しない(次に試す製品を相談したい)
- 整腸剤と下痢止め・便秘薬を一緒に使ってよいか迷っている
薬局の薬剤師には受診なしに無料で相談できます。「どれが自分に合うかわからない」という段階での活用が特に有効です。
整腸剤に関するよくある質問
「片方が効かなかったら次はどちらにすればいい?」「子どもに飲ませても大丈夫?」など、読者からよく寄せられる疑問にまとめて答えます。

ビオスリーが効かないとき、ビオフェルミンに切り替えていい?
基本的には、一方の製品を一定期間(目安として2〜4週間)使用しても効果を感じられない場合、別の菌種を持つ製品に切り替えることは合理的な選択肢です。ビオスリー(酪酸菌・乳酸菌・糖化菌)で改善を感じにくい場合に、ビオフェルミンS(ビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌)を試してみることは可能です。
ただし、切り替えの前に「なぜ効果を感じにくいか」を確認してください。飲み始め直後・生活習慣の乱れ・自分の症状タイプと配合菌の不一致などが原因の場合、製品を変えても解決しない可能性があります。薬剤師に相談したうえで切り替えるのが確実です。
ビオスリーとビオフェルミンを同時に飲んでもいい?
2種類の整腸剤を同時に服用することは、一般的には禁忌ではありませんが、医薬品・医薬部外品を複数同時に使用する際は薬剤師への確認を前提としてください。
配合成分が重複しない場合でも、用量のバランスや腸への負担を考えると、まずは1種類を適切な用量・期間試すことが基本です。「両方飲めば早く効く」という考えは必ずしも正しくありません。
ラックビーとビオスリー、抗生物質と一緒に飲むならどちら?
抗生物質との併用を考えるとき、ビオスリー(酪酸菌を含む)やミヤBM(酪酸菌単独)が候補として挙げられやすい理由は、酪酸菌が芽胞形成菌であり抗生物質への耐性が比較的高いためです。
ラックビーはビフィズス菌主体の製品であり、乳酸菌系と同様に抗生物質の影響を受けやすい場合があります。このため抗生物質と同時に使用する整腸剤としては酪酸菌系が選ばれることが多いですが、最終的な判断は処方医・薬剤師にご確認ください。
パンラクミンとビオフェルミンの違いは何?
パンラクミンはフェーカリス菌系乳酸菌を主体とした製品(主に単菌種構成)であるのに対し、ビオフェルミンS系はフェーカリス菌・アシドフィルス菌・ビフィズス菌の3種を組み合わせた複合型です。
乳酸菌のみでシンプルに腸内環境をサポートしたい場合にパンラクミン、小腸から大腸まで幅広くカバーしたい場合にビオフェルミンS系という違いをおおまかに理解しておくと選びやすいでしょう。どちらが向いているかは個人の症状・状況次第です。
ザガードコーワとビオフェルミン、どっちを選ぶか?
ザガードコーワ腸錠とビオフェルミンS錠は配合菌種の構成が類似しており(ビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌の3種)、大きな方向性の違いはありません。服用量・価格帯・製品規格を比較したうえで、自分が続けやすい方を選ぶのが現実的です。
「どちらかが必ず優れている」という客観的な根拠はなく、最終的には薬剤師にどちらが自分の状況に向いているかを確認するのが安全です。
太田胃散整腸薬はビオフェルミンと何が違う?
太田胃散整腸薬の最大の特徴は、乳酸菌・ビフィズス菌に加えて消化酵素・制酸成分が配合されている点です。純粋な腸内細菌バランスの改善を目的としたビオフェルミンS系と異なり、食後の消化不良感・胃もたれを伴うお腹の不調が気になる方に向いた設計といえます。
「胃の不快感と便通の乱れが同時に気になる」という場合には太田胃散整腸薬が候補になりやすく、「腸内環境のみを整えたい」という場合にはビオフェルミンS系が選択肢になりやすい、という違いを理解しておくと選びやすいでしょう。
まとめ
ビオスリーとビオフェルミンの違い、そして10種類の主要OTC整腸薬の特徴について整理しました。最後に重要なポイントをおさらいします。
- ビオスリーとビオフェルミンの最大の違いは「配合菌種の構成」にある。ビオスリーは酪酸菌・乳酸菌・糖化菌の3種共生型、ビオフェルミンSはビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌の乳酸菌系3種
- 下痢・軟便傾向・抗生物質との併用を考える場合にはビオスリー系が、便秘傾向・腸全体のバランスを整えたい場合にはビオフェルミンS系が選択肢として挙げられやすい
- ラックビー(ビフィズス菌主体)・ミヤBM(酪酸菌のみ)・パンラクミン(フェーカリス菌系)・ザガードコーワ(ビオフェルミンSと類似構成)・太田胃散整腸薬(消化酵素も含む複合タイプ)など、製品ごとに菌種・成分の方向性が異なる
- どの製品が「優れている」「効く」という断定はできない。体質・腸内フローラの個人差が大きいため、選ぶ際は必ず薬剤師に相談することを推奨する
- 整腸剤は2〜4週間を目安に継続服用することで腸内環境への変化を評価できる。2週間で改善しない場合は製品の切り替えや医療機関への受診を検討する
- 血便・高熱・激しい腹痛・2週間以上改善しない症状は、市販薬での対応を超えており受診が必要
- OTC整腸薬での急場対応と、日常的な腸内環境ケアは役割が異なる。継続的な腸内環境の維持には、食物繊維・発酵食品の活用・生活リズムの安定化など生活習慣との組み合わせが重要
- 医薬品としての整腸剤以外に、健康食品(菌活サプリ)という選択肢もある。役割・規制の枠組みが異なるため、目的に応じた使い分けが大切
整腸剤選びで迷ったときは、「自分の症状が下痢傾向か便秘傾向か」「抗生物質と一緒に飲む必要があるか」「子ども・妊婦・高齢者など特別な状況か」という3点を整理して薬剤師に伝えると、的確な提案を受けやすくなります。セルフで選ぶ際も、購入後は添付文書の用法・用量を必ず確認してから服用を始めてください。


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