風邪をひいてしまったとき、「何を食べればいいんだろう」と迷いながら冷蔵庫を開けた経験がある方は多いのではないでしょうか。発熱・のどの痛み・食欲ゼロのなか、「食べなければ回復できない」とわかっていても、何が正解なのかが見えにくいものです。
この記事では、風邪のときに摂りたい栄養素・食材を症状別・タイミング別(ひきはじめ・ピーク・治りかけ)に整理し、食べてはいけないものや食欲がないときの乗り切り方、子ども・高齢者・妊婦ごとの注意点まで幅広く解説します。「コンビニしか行けない」という状況にも対応できる情報を揃えましたので、今まさに風邪で困っている方もぜひ最後まで読んでみてください。
風邪のときに食事が大切な理由
体調が悪いときだからこそ、食事が回復のカギを握ります。食欲がなくても「少量・こまめ」を続けることが、症状を和らげるうえで重要です。このH2では、食事が回復をサポートする仕組みと、風邪中に失われやすい栄養素を整理します。

食事で回復をサポートできる3つの理由
風邪のときに食事が大切な理由は、主に次の3点に集約されます。
1. 免疫細胞を動かすエネルギー源になる
体がウイルスと戦うためには、免疫細胞(白血球など)が活発に働く必要があります。免疫細胞のエネルギー源は糖質・たんぱく質・脂質であり、これらが不足すると免疫の働きそのものが低下します。食欲がないからといって何も食べないでいると、体が回復のためのエネルギーを確保できなくなります。
2. 粘膜の修復に必要な材料を補給できる
ウイルスが侵入する入り口となるのどや鼻の粘膜は、風邪をひいている間にダメージを受けています。ビタミンA・C・たんぱく質・亜鉛などの栄養素が粘膜の材料・修復に関わっており、これらを継続的に補給することが回復をサポートします。
3. 脱水・低血糖を防ぐ
発熱・発汗・下痢・嘔吐によって体内の水分と電解質が急激に失われます。水分だけを補っていても電解質(ナトリウム・カリウムなど)が不足すると脱水状態は改善しません。食事には水分・電解質・エネルギーを同時に補給する役割があります。
風邪中に失われやすい栄養素とは
発熱・発汗・下痢・食欲不振が重なる風邪中には、特定の栄養素が急速に消費・排出されます。意識して補いたい栄養素を整理しました。
- ビタミンC:白血球の働きをサポートし、粘膜の保護にも関わります。発熱時には消耗が速まるとされています
- 亜鉛:免疫細胞の産生・維持に関わるミネラルで、発汗や食欲不振により不足しやすくなります
- たんぱく質:抗体産生の材料になります。食欲がない状態が続くと供給が途絶えます
- 電解質(ナトリウム・カリウム):発汗・下痢で急速に失われます。スポーツドリンクや経口補水液で補うことが基本です
- ビタミンB群:エネルギー代謝・免疫機能の補助に関わります。食欲が落ちると自然と摂取量が減ります
これらを「すべて一度に摂ろう」と考えると難しく感じますが、おかゆ・味噌汁・果物・ゼリーなどから少しずつ補っていくだけで、食べないよりはるかに状況が改善します。
食欲がない日も「少量・こまめ」が基本
風邪のときに無理して大量に食べる必要はありません。消化器官も免疫反応に巻き込まれているため、消化に多くのエネルギーを使う食事は逆効果になることがあります。
少量・こまめに摂るための基本的な考え方を整理します。
- 1回の量を減らして、回数を増やす:1食分をまとめて食べようとせず、2〜3時間おきに少量ずつ口にする
- 消化の良いものを優先:おかゆ・うどん・スープ・ゼリーなど、消化器官に負担をかけない食材を選ぶ
- 水分は食事外でもこまめに補給:食事と別に、常温の水・経口補水液・スープなどを30分おきに少量飲む習慣をつける
- 「食べられない」なら水分だけでも続ける:固形物が無理なときは、スープや果汁・経口補水液を優先する
食欲がない状態が3日以上続く場合は、医療機関への受診を検討することも大切です(受診目安については後の章で詳しく解説します)。
風邪のときに摂りたい栄養素
風邪のときにやみくもに食べるより、回復に関わる栄養素を意識して選ぶほうが効率的です。ビタミンC・A・たんぱく質・B群・亜鉛の5つが特に重要で、それぞれ異なる役割を持っています。

ビタミンC——粘膜を守り白血球の働きをサポートする
ビタミンCは、白血球(好中球・リンパ球)の中に高濃度で存在しており、免疫細胞が活発に働くために必要な栄養素です。また、のどや鼻の粘膜のバリア機能を支えるコラーゲンの合成にも関わっています。
風邪を「治す」成分というわけではありませんが、体の防御機能を整えるうえで欠かせない栄養素のひとつです。水溶性ビタミンであるため、尿と一緒に排出されやすく、食事から継続して補うことが基本です。
ビタミンCが豊富な食材として代表的なものを挙げます。
- 柑橘類(みかん・オレンジ・レモン)
- キウイフルーツ
- 赤・黄ピーマン
- ブロッコリー
- いちご
風邪中は料理が難しいこともあるため、果物ジュース(100%のもの)や市販のゼリーで手軽に補う方法も現実的です。
ビタミンA——のどや鼻の粘膜を健康に保つ
ビタミンAは、皮膚や粘膜の細胞を健康に保つうえで重要な役割を果たします。のどや鼻の粘膜が乾燥・傷ついている状態はウイルスの侵入リスクを高めるため、粘膜の材料となるビタミンAを補うことが回復をサポートします。
ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、油脂と一緒に摂ると吸収率が高まります。ただし、過剰摂取は蓄積性があるため、サプリメントで大量に摂ることには注意が必要です。
ビタミンAが豊富な食材の例を挙げます。
- 鶏レバー・豚レバー(少量で効率的に摂取できますが、妊婦は過剰摂取に注意)
- にんじん(β-カロテンとして摂取後、体内でビタミンAに変換)
- ほうれん草
- かぼちゃ
- うなぎ
風邪中はにんじんを煮込んだスープや、かぼちゃのポタージュなど、消化しやすい調理法を選ぶことをおすすめします。
たんぱく質——抗体産生と体力維持の土台になる
体がウイルスに対抗するための抗体はたんぱく質から作られます。また、発熱によって基礎代謝が上がり、エネルギー消費が増えるため、筋肉が分解されてエネルギーとして使われる「異化」が進みます。たんぱく質を補給し続けることで、筋肉量の低下を抑えながら回復をサポートできます。
消化に負担をかけにくいたんぱく質源として、以下が向いています。
- 半熟卵・温泉卵(加熱により消化吸収しやすい状態)
- 豆腐・絹豆腐(軟らかく消化しやすい)
- 鶏むね肉・ささみ(脂が少なく消化負担が軽い)
- 白身魚(鮭・タラ・鯛など、脂の少ない種類)
- ヨーグルト(プロバイオティクスも同時に摂取できる)
食欲がないときはプロテインドリンクを少量飲む方法もありますが、消化器官への負担を考えると、まず食材ベースで補うことを優先しましょう。
ビタミンB群——エネルギー代謝と疲労回復を助ける
ビタミンB群(B1・B2・B6・B12・葉酸など)は、糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変換する際に補酵素として働きます。体がウイルスと戦うために大量のエネルギーを消費している風邪中は、このビタミンB群の需要が高まります。
また、B6は免疫機能に直接関わるアミノ酸代謝に関与しており、葉酸はリンパ球などの免疫細胞の産生に関わることが知られています。
ビタミンB群を含む食材の例を挙げます。
- 豚肉(特にビタミンB1が豊富)
- 卵
- 納豆
- 玄米・全粒粉パン(ただし風邪中は消化に注意)
- 牛乳・ヨーグルト
風邪の初期・回復期には豚肉と野菜を使ったスープや味噌汁が、B群・たんぱく質・水分を同時に補える実用的なメニューです。
亜鉛——免疫細胞の産生に関わるミネラル
亜鉛は、免疫細胞の産生・維持、抗体の生成、粘膜の修復に関わるミネラルです。不足すると免疫機能が低下しやすくなることが研究で示されています。風邪中の発汗や食欲不振によって亜鉛が不足しやすい状態になるため、意識的に補うことが大切です。
亜鉛を含む食材として代表的なものを挙げます。
- 牡蠣(亜鉛の含有量が特に多い食材)
- 牛赤身肉
- 豚レバー
- カシューナッツ・アーモンド(少量でも補給できる)
- 納豆・豆腐
ただし、亜鉛の過剰摂取は銅の吸収を妨げる可能性があるため、サプリメントで大量に摂ることは避けましょう。食材から自然に補うことが基本です。
風邪のひきはじめに食べたいもの
「なんかのどが変かも」「身体がだるい気がする」という段階が、食事で回復をもっとも後押ししやすいタイミングです。ひきはじめに体に何が起きているかを理解して、適切な食材を選ぶことが大切です。

ひきはじめの体に起きていること
ひきはじめは、ウイルスが体内に侵入してから免疫システムが本格稼働を始める段階です。この時期に体内では次のことが同時進行しています。
- 白血球(好中球・マクロファージ)が活性化し、ウイルスを攻撃し始める
- 体温を上げてウイルスの増殖を抑える「発熱反応」の準備が始まる
- のどや鼻の粘膜でウイルスが増殖を試みている
この段階では、まだ食欲がある方も多く、積極的に栄養を補給できる「ゴールデンタイム」です。温かい食事・水分補給・十分な睡眠を組み合わせることで、体の防御反応を全力でサポートできます。
「もしかして風邪かも」と感じた日の食事は、消化の良いものを中心にしつつ、ビタミンC・亜鉛・たんぱく質を意識的に摂ることをおすすめします。
ねぎ・しょうが・にんにく——体を温めてサポートする食材
ねぎ・しょうが・にんにくは、古くから「風邪のときに食べると良い」と言われてきた食材です。これらには体を温める作用のある成分が含まれており、風邪の初期に取り入れることが広く知られています。
ねぎに含まれる硫化アリル(アリシン)は、刺激性の香り成分で、食欲を高める効果も期待できます。スープや味噌汁にたっぷり入れるのが手軽な方法です。
しょうがに含まれるジンゲロール・ショウガオールは、体を温める作用があるとされています。加熱するとジンゲロールがショウガオールに変化し、体を温める働きが強まるといわれています。しょうが入りのスープや、すりおろしたしょうがを味噌汁に加えると取り入れやすいです。
にんにくに含まれるアリシンは、抗菌・抗ウイルス作用に関する研究が行われています。加熱して使うと風味が穏やかになり、スープや炒め物に取り入れやすくなります。ただし、胃が弱っているときは刺激が強く出ることがあるため、量は控えめにしましょう。
これらは「治す」食材ではありませんが、体を温めて回復をサポートするという観点で、ひきはじめの食事に積極的に取り入れる価値があります。
豚肉——ビタミンB1が豊富でエネルギー補給に向く
豚肉は、ビタミンB1の含有量が食品の中でトップクラスです。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換する際に不可欠な補酵素であり、疲労回復にも関わります。
風邪のひきはじめに豚肉を使ったスープや雑炊を作ると、ビタミンB群・たんぱく質・水分を一度に補えます。特に豚薄切り肉や豚ひき肉は調理しやすく、消化負担も比較的軽い部位です。
豚肉を使った簡単な風邪向けメニューの例を挙げます。
- 豚肉と野菜の雑炊:豚薄切り肉・にんじん・ねぎ・卵でビタミン・たんぱく質を一皿に
- 豚汁:みそ・野菜・豆腐との組み合わせで栄養バランスが取りやすい
- 豚肉入り中華スープ:しょうが・ねぎ・豚肉で体を温める1杯
量は少なくても、1〜2食の中に豚肉を取り入れるだけで栄養補給の質が上がります。
柑橘類・キウイ——ビタミンCを手軽に補える果物
ひきはじめに食欲がある状態なら、柑橘類(みかん・オレンジ)やキウイフルーツがビタミンCの補給源として特に適しています。加熱調理が不要で手間がかからず、消化器官への負担も少ないため、風邪の初期に取り入れやすい食材です。
- みかん:1個あたりビタミンCを約35mg含む(成人の1日推奨量の約40%)
- キウイフルーツ:1個あたり約70mgのビタミンCを含む(成人の1日推奨量の約80%)
- いちご:粒が小さく食べやすく、ビタミンCが豊富
ただし、これらの果物の酸味がのどに刺激を感じさせる場合があります。のどの痛みが強いときは、ジュース(100%果汁)を少量ずつ飲む・果物を冷やさずに常温で食べるなどの工夫をしましょう。
温かいスープ・味噌汁でまず水分と栄養を確保する
ひきはじめに何を食べるか迷ったとき、最もシンプルで効果的なのが「温かいスープ・味噌汁」です。
温かい液体は鼻腔・のどの粘膜を加湿し、鼻詰まりの不快感を一時的に和らげる効果が期待できます。また、スープに野菜・肉・豆腐などを加えることで、水分・電解質・たんぱく質・ビタミンをまとめて補給できます。
おすすめの組み合わせを挙げます。
- 鶏むね肉と野菜のスープ:脂が少ない鶏むね肉+にんじん+大根+ねぎで消化しやすい
- 豆腐と卵の味噌汁:ビタミン・ミネラル・たんぱく質が摂れてお腹に優しい
- しょうが入り鶏スープ:体を温めながら水分補給
市販のスープ(インスタント含む)でも、食欲がないときは「食べないよりはるかに良い」という判断で活用して構いません。
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症状別・風邪のときにおすすめの食べ物
「のどが痛い」「熱が出た」「鼻水が止まらない」「お腹が緩い」。風邪の症状はひとつとは限らず、複数が同時に出ることもあります。症状別に適した食材を選ぶことで、より体に合った食事ができます。

のど・せきがつらいときにおすすめの食べ物
のどが赤く腫れている・せきが出るときは、刺激を与えず粘膜に優しい食材を選ぶことが基本です。
のど・せきがつらいときに向いている食材
- はちみつ:粘膜をコーティングし、のどの不快感を和らげる作用が期待されています。温かいお湯に溶かして飲む「はちみつ湯」は古くから使われてきた方法です。1歳未満の乳児には使用禁止です
- 大根おろし:のどの粘膜を保護する作用があるとされています。消化にも優しく、食欲がないときに食べやすい食材のひとつです
- れんこん:のどの粘膜に関わる成分(ムチン様物質)を含むとされており、すりおろして温かいスープに入れる方法が一般的です
- やまいも・なめこ:ぬめり成分のムチンが粘膜のコーティングに関わるとされています。とろみのある食べ物はのどを通りやすいという利点もあります
- 豆腐・はんぺん・茶わん蒸し:軟らかくのどに刺激を与えにくい食材で、たんぱく質も補給できます
のど・せきのときに避けたいもの
- 熱すぎる・冷たすぎる食べ物・飲み物
- 酸味が強いもの(柑橘類の果肉など)
- カリカリした硬い食感のもの(クラッカー・せんべいなど)
- 辛い食材(唐辛子・わさびなど)
のどが痛くて固形物が飲み込みにくいときは、ゼリー・プリン・スムージー(刺激の少ない素材で)など飲み込みやすいものを選びましょう。
発熱・悪寒がつらいときにおすすめの食べ物
発熱時は基礎代謝が上がり、エネルギー消費が増えます。同時に発汗による水分・電解質の喪失が起こるため、水分・糖質・塩分の補給が最優先です。
発熱・悪寒のときに向いている食べ物・飲み物
- 経口補水液:水と電解質のバランスが最適化されており、脱水状態の改善に特に向いています。OS-1などが代表的です
- スポーツドリンク:経口補水液と比べると糖分が多めですが、水分・電解質の補給に使えます。ただし胃腸の調子が悪いときは薄めて飲むのが無難です
- おかゆ:消化が良く、少量でエネルギーと水分を同時に補給できます。梅干しを添えることで塩分補給にもなります
- バナナ:消化が良くエネルギーが素早く補給でき、カリウムも豊富で電解質補給に役立ちます
- ゼリー(スポーツゼリー・果汁ゼリー):固形物が食べにくいときでも水分・糖分を摂れます
悪寒がひどく体が震えているときは、体を温める食事(温かいスープ・おかゆ)を少量ずつ摂りましょう。逆に体が熱くてほてっているときは、常温の水・スポーツドリンクで水分補給を続けることが優先です。
発熱中に特に注意したいこと
体温が38.5℃以上の高熱が続く場合・水分が全く飲めない場合は、食事の工夫よりも医療機関への受診が先決です。食事は医療の補助として位置づけてください。
鼻水・鼻づまりがつらいときにおすすめの食べ物
鼻水・鼻づまりのつらい風邪では、温かい食事・飲み物が鼻腔内を加湿し、一時的に通りをよくするうえで助けになります。
鼻水・鼻づまりのときに向いている食べ物
- 温かいスープ・みそ汁:湯気が鼻腔を加湿し、詰まった感覚を一時的に和らげます。鼻をすっきりさせたいときは食事前に温かいスープを飲む習慣もおすすめです
- しょうが入りの食事・飲み物:体を温め、血流を促す効果が期待されています。しょうが湯・しょうが入りスープが手軽です
- 辛み成分に注意:わさびや唐辛子などで一時的に鼻が通る感覚がありますが、粘膜への刺激が強く、炎症を悪化させる可能性があるため、風邪中は控えめにするのが無難です
水分補給を意識する
鼻水で失われる水分量は意外と多く、また鼻づまりで口呼吸になると口が乾燥しやすくなります。こまめな水分補給を心がけ、室内の加湿(加湿器・濡れタオルの活用)と合わせることでより楽になります。
下痢・吐き気・お腹の調子が悪いときにおすすめの食べ物
風邪がお腹に来たとき(いわゆる「お腹の風邪」)は、食事を無理に食べようとすることが逆効果になる場合があります。まずは胃腸を休めることを優先し、症状が落ち着いてから少量ずつ食事を再開するのが基本です。
下痢・吐き気のときのアプローチ
- 最初の数時間は絶食も選択肢:吐き気が強いときは無理に食べず、水分(常温の水・経口補水液)のみを少量ずつ摂ることを優先します
- スポーツドリンク・経口補水液で電解質を補給:下痢が続くと電解質(特にナトリウム・カリウム)が急激に失われます
- 吐き気が落ち着いたらおかゆから始める:消化が最も良い食材のひとつで、エネルギーと水分を同時に補給できます
- バナナ・りんご(すりおろし):消化に良く、下痢のときの腸内環境を整えるペクチン(水溶性食物繊維)を含んでいます
- 豆腐・はんぺん・温泉卵:胃腸への負担が少ないたんぱく質源として、吐き気が落ち着いてから少量から試します
下痢・吐き気のときに避けるもの
- 牛乳・乳製品(下痢が悪化する場合があるため、症状が強いときは控える)
- 脂っこいもの・揚げ物
- 食物繊維が多い野菜・豆類・玄米
- 冷たい食べ物・飲み物
- コーヒー・緑茶(カフェインが腸を刺激する)
下痢・嘔吐が激しく水分が全く補給できない状態が続く場合は、早めに医療機関を受診してください。
風邪の治りかけに食べたいもの
症状のピークを越えて「少し楽になってきた」と感じたら、食事を段階的に通常食へ戻していくフェーズです。ここで無理して普通の食事に戻すと胃腸に負担をかけるため、段階を踏むことが重要です。

治りかけは「消化のいいもの→普通食」へ段階的に戻す
治りかけの胃腸はまだ完全な状態に戻っていません。消化器官の回復には時間がかかるため、症状が和らいでも食事は慎重に進めましょう。
段階的に食事を戻す目安
| 段階 | 状態の目安 | 食事の内容 |
|---|---|---|
| 回復初期 | 吐き気・発熱が治まった | おかゆ(全粥→五分粥)・スープ・ゼリー |
| 回復中期 | 食欲が戻ってきた | うどん・豆腐・温泉卵・にんじんの煮物 |
| 回復後期 | ほぼ平常 | 普通の食事(脂っこいもの・アルコールはまだ控える) |
「元気になってきた」「食欲が出てきた」と感じても、すぐに揚げ物・脂っこい料理・辛い料理を食べるのは避けてください。体が回復していても、消化器官が完全に戻るまでにはもう数日かかることがあります。
治りかけにおすすめの食材と料理例
治りかけに摂りたい食材の条件は「消化が良い」「栄養価が高い」「体に負担をかけない」の3点です。
治りかけにおすすめの食材リスト
- うどん(煮込み):消化しやすく、エネルギー補給に適しています。卵・ねぎ・豆腐などをトッピングして栄養バランスを補いましょう
- 卵(温泉卵・半熟卵・卵雑炊):消化吸収率が高く(95%以上)、たんぱく質・ビタミン・ミネラルをバランス良く含みます
- 鶏むね肉・ささみ(煮る・蒸す):脂が少なく消化しやすいたんぱく質源。スープや雑炊に加えるのがおすすめです
- 大根・にんじん・かぶ(煮たもの):軟らかく煮た野菜は消化しやすく、ビタミン・ミネラルを補給できます
- 納豆:発酵食品で腸内環境を整える効果も期待でき、たんぱく質も豊富です。お粥のトッピングとしても食べやすいです
- ヨーグルト:腸内環境を整える乳酸菌を含み、消化が良くたんぱく質も補給できます
治りかけにおすすめの料理例
- 鶏雑炊(鶏むね肉・卵・ねぎ・しょうが)
- うどん卵とじ(半熟卵・ねぎ・だし汁)
- 豆腐とわかめの味噌汁
- ヨーグルト+はちみつ+バナナ
回復期に注意したい食べ方のポイント
治りかけは「回復した気がする」時期だからこそ、油断して症状が戻ってしまうことがあります。以下の点に注意しましょう。
- アルコールはまだ控える:体の免疫機能が完全に回復していない状態でアルコールを飲むと、回復を遅らせる可能性があります
- 脂っこい食事は回復後期まで待つ:揚げ物・焼肉・ラーメンなど消化負担が大きい食事は、症状が完全に消えてから徐々に再開しましょう
- 無理に「補おう」としない:栄養補給を急ぐあまり、一度に大量に食べると胃腸に負担をかけます。少量ずつ増やしていくことが安全です
- 睡眠・休養を食事と組み合わせる:回復期は食事と同じくらい睡眠が大切です。食事が改善しても無理に活動量を増やさないようにしましょう
食欲がないときの乗り切り方
風邪のとき、食欲がまったくないのは珍しくありません。しかし、何も食べないでいると体の回復に必要なエネルギーと栄養素が枯渇してしまいます。「食べられないけれど、何もしないわけにもいかない」という状況を乗り切るための方法をまとめました。

食欲ゼロでも摂りたいもの——水分・電解質が最優先
食欲がゼロでも、水分だけは摂り続けることが体の回復に不可欠です。水分が不足すると脱水が進み、体内の代謝・免疫機能の低下、回復の遅れにつながります。
最優先で補いたい水分源
- 経口補水液(OS-1等):水と電解質(ナトリウム・カリウム・ブドウ糖)のバランスが発熱・下痢時の補給に最適化されています。薬局・コンビニで入手可能です
- スポーツドリンク(薄めて使用):経口補水液がない場合の代替として使えますが、糖分が多いため胃腸が弱っているときは水で2〜3倍に薄めることをおすすめします
- 温かいスープ(インスタント可):水分・塩分・エネルギーを同時に補給できます
- 常温の水・白湯:最もシンプルで胃腸に負担をかけない水分補給。30分に1回・コップ1/3〜半量を目安に飲み続けましょう
目安として、成人の場合は1日1,500〜2,000mLの水分補給を心がけましょう(発熱・下痢がある場合はこれ以上必要な場合もあります)。
少量でも栄養が取れる食材の選び方
固形物を食べる気力がないときでも、以下のような「エネルギー・栄養が少量で補える食材」を選ぶことで、体の回復をサポートできます。
少量で栄養が取れる食材の例
- バナナ:1本でエネルギー約90kcal・カリウム豊富・消化しやすい。口に入れやすく食欲がないときにも食べやすい形状
- はちみつ(お湯に溶かして):素早いエネルギー補給ができ、のどにも優しい。1〜2杯分から始められます(1歳未満の乳児には使用しないこと)
- スポーツゼリー:1袋100kcal前後。水分と糖質を同時に補給でき、飲み込む力が弱っているときにも対応できます
- おかゆ(市販の白粥):電子レンジで温めるだけで食べられます。1食200kcal以下のものが多く、少量から始められます
- プリン・茶わん蒸し:少量でたんぱく質・エネルギーを補給でき、のどを通りやすい食感
- ゼリー(果汁タイプ):水分・糖質・ビタミンCを同時に補給できます
「1口でも口にする」ことを目標に設定することが、食欲がないときの現実的なアプローチです。
コンビニ・スーパーで買えるおすすめ商品リスト
体調が悪いときに調理する余力がない場合、コンビニやスーパーで即席購入できるものを活用することは合理的な判断です。
コンビニで買えるおすすめ商品
- おかゆ(パックご飯の白粥・梅粥タイプ)
- スポーツゼリー(ウイダーinゼリーなど)
- 経口補水液(OS-1、アクアソリタなど)
- スポーツドリンク(ポカリスエット・アクエリアスなど)
- 果汁100%ジュース(みかん・オレンジ系)
- バナナ
- ヨーグルト(プレーンタイプ)
- 豆腐・温泉卵(冷蔵コーナー)
- レトルトの鶏がゆ・おかゆ
- プリン・ゼリー(糖分が摂れる)
- レトルトスープ(野菜スープ・コンソメスープなど)
スーパーで揃えたいもの
- 絹豆腐・はんぺん
- 鶏むね肉・ささみ(冷凍でもOK)
- にんじん・大根(煮込み用)
- 袋麺のうどん(煮込むだけ)
- 冷凍うどん
体調が悪いときに「今買っておこう」と思い立てる状態でない場合もあるため、ひきはじめの段階でコンビニに立ち寄り、上記リストを参考に数品まとめ買いしておくのが賢明です。
風邪のときに食べてはいけないもの
回復を助ける食材がある一方で、風邪中に食べると症状を悪化させたり、回復を遅らせたりする食材もあります。「食べてはいけないもの」を知っておくことは、食べたいものを知るのと同じくらい重要です。

脂っこい食べ物——消化に負担がかかり回復を遅らせる
揚げ物・脂っこい肉料理・バター・クリーム系の料理は、消化に大きなエネルギーを必要とします。風邪中は免疫反応のためにエネルギーが多く消費されており、そこに消化の負担が重なると回復のためのエネルギーが削られます。
また、脂っこい食べ物は胃の滞在時間が長いため、吐き気・胃もたれを引き起こしやすく、すでに弱っている消化器官にはさらなる負担をかけます。
食べてはいけないとまでは言いませんが、「風邪中は極力控える」食材として意識しておきましょう。
- 揚げ物全般(唐揚げ・天ぷら・フライ・コロッケ)
- 脂の多い肉(バラ肉・カルビ・鶏皮付き)
- バター・マーガリン多用の料理
- クリームシチュー・グラタン・カルボナーラ
回復してきてもすぐに脂っこい食事に戻さず、少しずつ体を慣らしていくことをおすすめします。
刺激の強い食べ物——のどや胃腸を傷める可能性がある
辛い食べ物(唐辛子・わさび・辛いカレーなど)は、のどや胃の粘膜を刺激します。風邪で粘膜がダメージを受けている状態でさらに刺激を加えると、炎症が悪化する可能性があります。
同様に、酸味が強いもの(レモン果汁をそのまま飲む・お酢をそのまま摂るなど)ものどが荒れているときは刺激になります。柑橘果物のジュースは薄めて飲む、あるいは果物を常温で食べるなどの工夫をしましょう。
炭酸飲料も胃を膨らませるため、胃の調子が悪いときは控えることをおすすめします。
刺激の強い食材の例
- 唐辛子・七味・一味・タバスコ
- わさび・からし(大量使用)
- 酢の物・ピクルス(酸味が強いもの)
- 炭酸飲料(コーラ・サイダーなど)
のどが痛いとき・胃腸の調子が悪いときは、特に意識して避けることをおすすめします。
アルコール・カフェイン——免疫機能と睡眠の質に悪影響
アルコールは、免疫細胞の働きを抑制することが研究で示されています。また、アルコールには利尿作用があり、発熱・発汗で失われた水分をさらに体外に排出してしまいます。睡眠の質も低下させるため、風邪中のアルコールは回復に逆効果です。
「少量なら大丈夫」と考える方もいますが、風邪中は体が通常よりも敏感な状態にあるため、少量でも影響が大きく出る場合があります。症状が完全に回復するまでは禁酒を基本とすることをおすすめします。
カフェイン(コーヒー・緑茶・栄養ドリンク等)も利尿作用があり、水分補給を妨げる面があります。また、睡眠を妨げることで回復に必要な休息の質を下げます。
特に、以下のシーンでカフェインを控えることが重要です。
- 発熱・発汗が続いているとき(脱水のリスクが高まる)
- 睡眠前(眠れなくなる)
- 胃の調子が悪いとき(胃を刺激する)
風邪中の飲み物は、水・経口補水液・スポーツドリンク・温かいスープ・白湯を基本とし、コーヒーや緑茶は症状が落ち着いてから少量に戻すのが理想です。
食物繊維が多すぎる食材——お腹が不調のときは逆効果
健康的な食材の代表格である食物繊維ですが、下痢・腹痛がある風邪のときは逆効果になることがあります。特に不溶性食物繊維(玄米・ごぼう・さつまいも・豆類など)は腸の運動を活発にするため、下痢を悪化させる可能性があります。
症状のないときや回復後に食物繊維を積極的に摂ることは体に良いですが、胃腸の不調があるときは一時的に控えましょう。
腸の調子が悪いときに控えたい食材
- 玄米・麦飯・全粒粉パン
- ごぼう・れんこん・さつまいも(不溶性食物繊維が多い)
- 大豆・インゲン豆・ひよこ豆などの豆類
- 海藻類(わかめ・昆布の大量摂取)
- きのこ類(しいたけ・えのきの多量摂取)
これらは体が回復してから、腸内環境を整えるために積極的に摂ることが推奨される食材です。タイミングを使い分けましょう。
冷たい食べ物・飲み物——体を冷やして回復の妨げになる
アイスクリーム・冷やした飲み物・冷たいジュースなどは、体温を下げる方向に働きます。発熱中はともかく、悪寒がある・体が冷えているという状態のときに冷たいものを摂ると体の回復に必要な体温の維持を妨げる可能性があります。
また、冷たいものは胃腸の動きを鈍らせる傾向があり、消化器官にも負担をかけます。
のどが痛くてアイスを食べると楽に感じることがありますが、一時的な刺激の緩和であるため、食事の主役にするのは避けましょう。食べるなら少量・就寝前は控えることをおすすめします。
子ども・高齢者・妊婦の風邪時食事の注意点
風邪中の食事の基本は共通していますが、子ども・高齢者・妊婦にはそれぞれ特有のリスクがあります。食事の形状・量・特定の食材への注意など、状況に応じた配慮が必要です。

子どもの風邪時食事——食べやすい形状と量の工夫
子どもは大人に比べて体内の水分比率が高く、脱水が進みやすい特徴があります。発熱・下痢・嘔吐が続く場合は、水分補給を最優先に考えましょう。
子どもの風邪食事の基本ポイント
- 水分補給が最優先:子ども用経口補水液(OS-1小児用など)・麦茶・薄めたスポーツドリンクを少量ずつこまめに与えましょう。1〜2歳未満は麦茶・白湯が基本です
- 1歳未満には絶対にはちみつを与えない:乳児ボツリヌス症の危険があります
- 食べやすい形状を工夫する:おかゆ・やわらかく煮たうどん・スープ・プリン・バナナなど、飲み込みやすいものを少量ずつ与える
- 量は少なくて良い:食欲がないときは無理に食べさせず、水分補給を続けながら食べられるものを少量出す
- 発熱後は消化の良いものから再開:熱が下がっても突然元の食事に戻すのは避け、おかゆ→うどん→普通食と段階的に
子どもが39℃以上の高熱・3日以上症状が続く・ぐったりして水分が摂れないという状態の場合は、早めに小児科を受診してください。
子ども向け風邪食事の例
- 梅がゆ・卵がゆ(少量から)
- やわらかく煮たうどん(だしで薄味に)
- バナナ・すりおろしリンゴ
- 絹豆腐(そのまま・または味噌汁に)
- 市販の子ども用スープゼリー
高齢者の風邪時食事——低栄養・脱水のリスクに注意
高齢者は体内の水分量が少なく、脱水リスクが高い状態にあります。また、「喉が渇いた」という感覚が鈍くなることがあるため、意識的に水分補給を促すことが大切です。
高齢者の風邪食事の注意点
- のどが渇いていなくてもこまめに水分を与える:1時間に1回・コップ半量でも構いません
- 嚥下(えんげ)に配慮した食形状:誤嚥のリスクを考え、食材はやわらかく煮る・とろみをつけるなどの工夫をしましょう。とろみ剤(介護用のもの)を活用する方法もあります
- たんぱく質を積極的に摂る:風邪中にたんぱく質が不足すると筋力低下(サルコペニア)のリスクが高まります。卵・豆腐・白身魚・ヨーグルトなど消化しやすいたんぱく質源を意識して提供しましょう
- 低栄養に注意:高齢者は食欲が低下しやすく、1〜2日食べないでいると体への影響が大きくなります。少量でも口に入れることを継続する姿勢が重要です
39℃以上の高熱・意識がぼんやりする・水分が飲めない状態が続く場合は、すぐに受診することをおすすめします。高齢者は症状が重篤化しやすいため、早めの対処が大切です。
妊婦の風邪時食事——避けるべき食材と栄養バランスの考え方
妊婦の風邪中の食事は、お母さんの回復と赤ちゃんへの安全性の両方を考える必要があります。
妊婦が風邪中に特に注意すべき点
- 市販の薬の使用は医師・薬剤師に必ず相談:風邪薬・解熱鎮痛剤・ビタミンサプリなど、妊娠中に使用できない成分が含まれている場合があります。自己判断での服薬は避けましょう
- ビタミンAの過剰摂取に注意:動物性ビタミンAは過剰摂取すると胎児に影響する可能性があります。レバー(特に鶏・豚レバー)の大量摂取は風邪中も控えましょう。にんじん・かぼちゃなど植物性のβ-カロテンからの摂取は問題ありません
- 生食を避ける:風邪で免疫が低下した状態での生牡蠣・生卵・刺身などは食中毒リスクが高まります。加熱したものを選びましょう
- 水分補給を特に意識する:妊婦は羊水・血液量の増加により水分需要が高いため、風邪中の脱水には特に注意が必要です
妊娠中の風邪は医師に相談することが基本です。高熱が続く・咳がひどい・息苦しいなどの症状がある場合は、すぐに産婦人科・かかりつけ医に連絡してください。
腸内環境を整えて免疫をサポートする食事習慣
風邪を引きやすい体質を根本から変えようとするなら、日常的な腸内環境の管理が欠かせません。腸は免疫の7割が集中していると言われており、腸内フローラのバランスを整えることが全身の免疫機能のサポートにつながります。

腸管免疫と全身の免疫力のつながり
腸には「腸管免疫」と呼ばれる免疫機能が集中しており、全身の免疫細胞の約70%が腸粘膜に存在するとされています。腸の粘膜に分布するリンパ組織(パイエル板など)は、食事から入ってくる異物・病原体に対していち早く反応し、全身の免疫系に情報を伝達します。
腸内細菌のバランス(腸内フローラ)は、この腸管免疫の働きと密接に関わっています。善玉菌(乳酸菌・ビフィズス菌など)が腸内で優位に保たれている状態では、腸粘膜のバリア機能が維持されやすく、病原体の侵入を防ぐ力が高まります。
逆に腸内フローラのバランスが乱れると(悪玉菌が増える・菌の多様性が低下するなど)、腸粘膜のバリアが弱まり、全身の免疫機能にも影響が及ぶことがあります。
腸内環境を整えることは、今の風邪を治すというより「次の風邪を引きにくい体をつくる」という中長期的なアプローチです。日常の食事に腸活の視点を加えることが、風邪予防の基盤をつくることにつながります。
腸活に役立つ食材——発酵食品・食物繊維・オリゴ糖
腸内フローラのバランスを整えるために日常的に摂りたい食材は、大きく「プロバイオティクス(善玉菌を補う)」「プレバイオティクス(善玉菌のエサになる)」の2種類に分けられます。
プロバイオティクス食品(善玉菌を補う)
- ヨーグルト:乳酸菌・ビフィズス菌を含む代表的な発酵食品。毎日100〜200g程度を継続的に摂取することが推奨されています(アサヒグループ商品は除きます)
- 納豆:納豆菌と食物繊維が同時に摂れます。1日1パックを習慣化すると腸活に効果的です
- みそ:乳酸菌を含む発酵食品で、毎日の味噌汁で手軽に継続できます
- キムチ・ぬか漬け・漬け物(乳酸発酵のもの):多様な乳酸菌を含みます。ただし塩分が多いため、摂りすぎに注意しましょう
- 甘酒(米麹):腸内環境の改善に役立つ酵素・オリゴ糖を含みます。「飲む点滴」とも呼ばれますが、カロリーにも注意しましょう
プレバイオティクス食品(善玉菌のエサになる)
- 食物繊維が豊富な野菜:ごぼう・たまねぎ・ブロッコリー・にんじんなど
- 海藻類:わかめ・昆布・めかぶなど、水溶性食物繊維が豊富
- オリゴ糖を含む食品:バナナ・たまねぎ・大豆・にんにく・アスパラガスなど
プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせることで、善玉菌が定着しやすい腸内環境を整えやすくなります。これを「シンバイオティクス」と呼びます。
普段の食事で腸内環境を整えることが風邪予防の基盤になる
腸内環境を整える取り組みは、一時的に行うより習慣として継続することが重要です。
毎日の食事に「発酵食品1品+野菜or食物繊維1品」を意識して取り入れるだけでも、腸内フローラの改善が期待できます。
腸内環境と免疫の関係について詳しく知りたい方、腸活をもっと本格的に取り組みたい方は、以下の関連記事も参考にしてください。
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風邪予防に普段から食べたいもの
風邪をひかない体をつくるには、「免疫力を日常的に維持する食事」が基盤になります。特別な健康食品よりも、毎日の食事の質を少しずつ上げることが最も効果的です。

免疫力を維持するために毎日意識したい食材
免疫機能を日常的に支えるために、継続的に摂ることが大切な食材をまとめました。
たんぱく質(毎食意識して摂る)
免疫細胞・抗体の材料となるたんぱく質は、毎食のメニューに必ず含めることが基本です。鶏肉・魚・卵・豆腐・納豆など、バリエーションを持たせることで必須アミノ酸をバランス良く摂れます。
ビタミンC(毎日継続して摂る)
ビタミンCは体内に蓄積できないため、毎日の食事から補い続けることが必要です。みかん・キウイ・ブロッコリー・赤ピーマンなどを日常的に取り入れましょう。
ビタミンD(意外と不足しやすい)
ビタミンDは免疫機能の調整に関わるビタミンで、不足すると感染リスクが高まることが研究で示されています。日光を浴びることで皮膚で合成できますが、冬季・室内勤務が多い方は不足しやすいです。食材としては、鮭・さんま・いわし・きのこ類(日光に当てると増加)から摂れます。
亜鉛(不足を防ぐ)
亜鉛は免疫細胞の産生に関わりますが、現代の食生活では不足しやすいミネラルのひとつです。牡蠣・牛赤身肉・豚レバー・ナッツ類・納豆などを定期的に摂ることで補えます。
発酵食品(腸内環境維持のために毎日1品)
前の章で詳述したとおり、腸内環境の維持が免疫機能の土台となります。ヨーグルト・納豆・味噌・ぬか漬けから1品を毎日の食事に組み込む習慣をつけましょう。
季節の変わり目に特に意識したい食事のポイント
春・秋の季節の変わり目は、気温差・気候の変化により体のコンディションが変わりやすく、風邪をひきやすくなります。この時期に特に意識したい食事のポイントをまとめます。
- 体を温める食材を意識する:しょうが・ねぎ・にんにく・根菜類(にんじん・ごぼう・かぼちゃ)を積極的に使う
- 冷え対策の飲み物を習慣化する:冷たい飲み物を控え、温かいスープ・白湯・しょうが湯を習慣にする
- 免疫に関わる栄養素を意識したメニュー構成:ビタミンC・D・亜鉛・たんぱく質が偏らないように、毎食のメニューを意識して組み立てる
- 睡眠・ストレス管理も食事と組み合わせる:睡眠不足・慢性ストレスは免疫機能を低下させます。食事の改善と並行して休息・ストレス対処も意識することが重要です
食事だけで不足するときはサプリメントを活用する
日常の食事だけで必要な栄養素をすべて補うことが難しい場合、サプリメントの活用は選択肢のひとつです。特にビタミンC・D・亜鉛・乳酸菌(プロバイオティクス)は、食事で不足しがちな栄養素のサプリメントとして多く販売されています。
サプリメントを選ぶ際のポイントをまとめます。
- 成分の含有量が明確なものを選ぶ:「〇〇mg配合」と配合量が明示されているものを優先する
- 品質管理が明確なものを選ぶ:GMP認定工場での製造など、品質基準が明示されているものを選ぶ
- 医薬品との相互作用に注意する:薬を服用中の方は、サプリ追加前に医師・薬剤師に相談する
- 過剰摂取に気をつける:ビタミンA・Dは脂溶性ビタミンで過剰摂取のリスクがあります。用法・用量を必ず守りましょう
サプリは食事の「補助」であり、食事の質を下げてサプリで補おうとするアプローチは本末転倒です。まず日常の食事を整えることを優先した上で、不足分をサプリで補う考え方が基本です。
免疫サポートに関連するサプリメント情報については、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
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こんなときは病院へ——風邪の受診目安
食事の工夫は風邪の回復をサポートするうえで大切ですが、すべての症状が食事だけで対応できるわけではありません。以下に該当するサインが出ているときは、食事より先に医療機関への受診を優先してください。食事のサポートは医療の「補助」として位置づけることが基本です。

38.5℃以上の高熱が続く・3日以上改善しない
体温が38.5℃以上の高熱が続く場合、あるいは症状が3日以上改善しない場合は医療機関への受診が必要なサインです。
高熱が続くと体力の消耗が激しく、脱水のリスクが高まります。また、風邪と思っていた症状がインフルエンザ・コロナウイルス感染症・細菌性肺炎などである可能性もあります。適切な診断・治療を受けるためにも、早めの受診が大切です。
特に以下に該当する場合は緊急性が高いと考えてください。
- 子どもで39℃以上の高熱が続く
- 高齢者・基礎疾患のある方の発熱
- 解熱剤が効かない・または一度下がってまた上がる
呼吸が苦しい・胸の痛みがある
息切れ・呼吸困難・胸の圧迫感・胸の痛みが出た場合は、風邪の範囲を超えて肺炎・気管支炎・心臓への影響などの可能性があります。
呼吸が苦しいと感じるときは安静にしながら救急(119)または医療機関に連絡することを最優先にしてください。食事の工夫よりも医療対応が先決です。
意識がぼんやりする・水分が飲めない
意識が朦朧とする・言葉がうまく出ない・ぼーっとして呼びかけに反応が悪い、といった症状が現れた場合は、脱水・高体温・電解質異常・脳への影響などの危険なサインである可能性があります。
また、水分が全く飲み込めない・飲んでもすぐに嘔吐するという状態が半日以上続く場合も、点滴などの医療処置が必要な状態です。特に乳幼児・高齢者でこの状態が起きた場合は、迷わず救急対応を検討してください。
食事の工夫だけでは対応できないサインを見落とさない
以下の症状は、食事の工夫よりも医療対応が必要なサインです。食事を工夫しながらも、これらのサインが出ていないかを意識することが大切です。
- 喉の腫れが強く飲み込めない・声が変わった(喉頭炎・扁桃炎の可能性)
- 耳が痛い・聞こえにくい(中耳炎の可能性)
- 顔・頬の痛み・頭が重い症状が続く(副鼻腔炎の可能性)
- 皮膚に発疹が出た
- 市販薬を使っても症状が良くならない
「なんとなく変」と感じたときに受診の相談をすることは、決して大げさではありません。かかりつけ医への電話相談から始めることも選択肢のひとつです。
よくある質問
風邪の食事について、よく寄せられる疑問をまとめました。短くわかりやすく答えていきます。

風邪のときにお粥しか食べていないのは大丈夫?
短期間(1〜2日)であれば問題ありません。消化が良く水分も補給できるおかゆは、症状が重い時期の食事として理想的な選択肢のひとつです。
ただし、おかゆだけを長期間続けると、たんぱく質・ビタミン・ミネラルが不足してしまいます。体調が少し戻ってきたら、卵・豆腐・白身魚・ヨーグルトなどをトッピングしたり、具の多い雑炊に移行したりして、栄養バランスを意識するようにしましょう。
「おかゆしか食べられない」という日が3日以上続く場合は、医療機関への受診も考慮してください。
風邪のときに卵は食べてもいい?
はい、卵は風邪のときにおすすめできる食材のひとつです。
卵は消化吸収率が高く(加熱した場合95%以上)、たんぱく質・ビタミン(A・B群・D)・亜鉛を含む栄養価の高い食材です。温泉卵・半熟卵・茶わん蒸し・卵スープなど、のどを通りやすい調理法で積極的に取り入れましょう。
ただし、生卵は消化吸収率がやや下がるため(約51%)、風邪中は加熱して食べることをおすすめします。
「一晩で治す食べ物」は本当にある?
残念ながら、「一晩で風邪を治す食べ物」は存在しません。
ウイルス性の風邪は、体の免疫システムがウイルスを排除するまでに一定の時間が必要です。食べ物によって回復を「早める」サポートはできますが、「治す」という働きを食材に求めることは難しく、そのような表現は薬機法の観点からも適切ではありません。
「一晩で治った」という体験があるとすれば、それは体の免疫システムが早期に対処できた結果であり、食材の「治癒力」によるものではありません。ひきはじめの早期対処(休息・水分補給・栄養補給・体を温める)が回復を後押しすることはありますが、食事だけで風邪が一晩で治るわけではないことを理解しておきましょう。
風邪のときにスポーツドリンクは飲んでいい?
はい、水分補給の手段として活用できますが、いくつかの注意点があります。
スポーツドリンクは水分・糖質・電解質を含んでおり、発熱・発汗・下痢による水分・電解質の喪失を補う手段として使えます。ただし、経口補水液に比べると糖分が多く、胃腸の調子が悪いときに一気に飲むと吐き気を誘発することがあります。
スポーツドリンクの飲み方の注意点
- 胃腸が弱っているときは水で2〜3倍に薄めて少量ずつ飲む
- 発熱・嘔吐・下痢が激しいときは経口補水液(OS-1等)を優先する
- 子ども・高齢者に与えるときは特に薄めて使う
- 糖分が多いため、歯磨きの習慣も忘れないようにする
「とりあえずスポーツドリンクを飲んでおけばいい」というわけではなく、症状の重さと状態に合わせた選択が大切です。
まとめ
風邪のときの食事は、「何を食べればいいか」だけでなく「何を食べてはいけないか」「症状によって何が違うか」「タイミングによって何が変わるか」という複数の視点で考えることが大切です。
- 摂りたい栄養素はビタミンC・A・たんぱく質・亜鉛が中心。不足しがちな栄養素を意識した食材選びが回復をサポートする
- 症状別(のど・発熱・鼻水・下痢)とタイミング別(ひきはじめ・ピーク・治りかけ)の2軸で食事を変えることが大切
- 食べてはいけないものは「脂っこいもの・アルコール・刺激物・冷たいもの」が基本。食欲がない日は水分と電解質を最優先にする
- 子ども・高齢者・妊婦は特有のリスクがあるため、形状・量・食材選びに注意が必要
- 腸内環境を整えることは日常的な免疫ケアの基盤。発酵食品・食物繊維の習慣化が長期的な体調管理につながる
- 高熱・3日以上の症状持続・呼吸困難などは迷わず受診を。食事の工夫は医療の補助として位置づける


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