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風邪をひいたとき、「何を食べればいいんだろう」と迷いながら冷蔵庫を開けた経験がある方は多いのではないでしょうか。発熱・のどの痛み・食欲ゼロのなか、何が正解か見えにくいものです。
この記事では、風邪のときに摂りたい栄養素・食材を症状別・タイミング別に整理し、食べてはいけないものや食欲がないときの乗り切り方を解説します。今の状態に近いものを下の表で確認してみてください。
| 状態 | おすすめ | 避けたいもの |
|---|---|---|
| ひきはじめ | 温かいスープ・味噌汁、ねぎ・しょうが、柑橘類 | 冷たい飲食物、脂っこいもの |
| 症状がつらい時 | 経口補水液、おかゆ、はちみつ(症状に合わせて選択) | 刺激物、アルコール・カフェイン |
| 治りかけ | うどん、卵、煮た野菜など消化の良いもの | 揚げ物、急な普通食への切り替え |
| 食欲がない時 | 経口補水液、バナナ、ゼリー | 無理な固形物、水分を摂らないこと |
風邪のひきはじめに食べたいもの
「なんかのどが変かも」「身体がだるい気がする」という段階が、食事で回復をもっとも後押ししやすいタイミングです。

ひきはじめの体に起きていること
ひきはじめは、ウイルスが体内に侵入し免疫システムが動き出す段階です。白血球が活性化し、体温を上げて増殖を抑える準備も進みます。食欲がある方も多く、栄養を補給しやすい「ゴールデンタイム」。消化の良いものを中心に、ビタミンC・亜鉛・たんぱく質を意識しましょう。
ねぎ・しょうが・にんにく:体を温めてサポートする食材
ねぎ・しょうが・にんにくは古くから「風邪のときに良い」とされてきた食材です。ねぎの硫化アリル(アリシン)は食欲を高める効果も期待できます。しょうがのジンゲロール・ショウガオールには体を温める作用があるとされ、加熱するとその働きが強まるといわれています。にんにくのアリシンは抗菌・抗ウイルス作用の研究が行われていますが、胃が弱っているときは量を控えめにしましょう。
豚肉:ビタミンB1が豊富でエネルギー補給に向く
豚肉はビタミンB1の含有量が食品の中でトップクラスで、疲労回復にも関わります。スープや雑炊にすれば、ビタミンB群・たんぱく質・水分を一度に補えます。
- 豚肉と野菜の雑炊:豚薄切り肉・にんじん・ねぎ・卵で一皿に
- 豚汁:みそ・野菜・豆腐で栄養バランス良く
- 豚肉入り中華スープ:しょうが・ねぎで体を温める
柑橘類・キウイ:ビタミンCを手軽に補える果物
食欲があるなら、みかん・オレンジやキウイフルーツがビタミンCの補給源として適しています。みかんは1個約35mg、キウイは1個約70mgのビタミンCを含みます(成人の1日推奨量の約40〜80%)。酸味がのどに刺激になる場合は100%果汁を薄めて飲みましょう。
温かいスープ・味噌汁でまず水分と栄養を確保する
何を食べるか迷ったら、温かいスープ・味噌汁が最もシンプルです。湯気がのどや鼻腔の粘膜を加湿し不快感を和らげます。野菜・肉・豆腐を加えれば水分・電解質・たんぱく質・ビタミンをまとめて補給できます。
- 鶏むね肉と野菜のスープ:鶏むね肉+にんじん+大根+ねぎ
- 豆腐と卵の味噌汁:たんぱく質とミネラルをお腹に優しく
- しょうが入り鶏スープ:体を温めながら水分補給
市販のインスタントスープでも構いません。
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症状別・風邪のときにおすすめの食べ物
「のどが痛い」「熱が出た」「鼻水が止まらない」「お腹が緩い」。症状は複数が同時に出ることもあり、体のどこに負担がかかっているかで食事の気をつけどころも変わります。

のど・せきがつらいときにおすすめの食べ物
粘膜に優しい食材を選びましょう。
- はちみつ:粘膜をコーティングし不快感を和らげます。「はちみつ湯」が定番。1歳未満の乳児には使用禁止です
- 大根おろし:のどの粘膜を保護する作用があるとされ、消化にも優しい食材です
- れんこん:ムチン様物質を含むとされ、すりおろしてスープに
- やまいも・なめこ:ぬめり成分のムチンが粘膜のコーティングに関わります
- 豆腐・はんぺん・茶わん蒸し:軟らかく刺激を与えにくく、たんぱく質も補給できます
逆に、熱すぎる・冷たすぎるもの、酸味の強い柑橘類、硬い食感のもの、辛い食材は避けましょう。
発熱・悪寒がつらいときにおすすめの食べ物
発熱時は代謝が上がりエネルギー消費が増え、発汗で水分・電解質も失われるため、水分・糖質・塩分の補給が最優先です。
- 経口補水液:水と電解質のバランスが最適化され、脱水改善に向いています
- スポーツドリンク:経口補水液より糖分が多めで、胃腸が悪いときは薄めて
- おかゆ:少量でエネルギーと水分を補給できます。梅干しで塩分補給にも
- バナナ:消化が良くエネルギー補給が早く、カリウムも豊富です
- ゼリー(スポーツゼリー・果汁ゼリー):水分・糖分を摂れます
悪寒で震えているときは温かいスープを、熱くほてっているときは常温の水を続けましょう。38.5℃以上の高熱・水分が飲めない場合は受診が先決です。
鼻水・鼻づまりがつらいときにおすすめの食べ物
温かい食事・飲み物は鼻腔内を加湿し、詰まりを和らげます。
- 温かいスープ・みそ汁:湯気が鼻腔を加湿し、詰まった感覚を和らげます
- しょうが入りの食事・飲み物:体を温め血流を促します
- 辛み成分は控えめに:わさびや唐辛子は粘膜への刺激が強く炎症を悪化させることがあります
鼻水で失われる水分は意外と多く、口呼吸で口も乾燥します。こまめな水分補給を心がけましょう。
下痢・吐き気・お腹の調子が悪いときにおすすめの食べ物
お腹に来たときは無理に食べず胃腸を休め、少量ずつ再開しましょう。
- 最初の数時間は絶食も選択肢:吐き気が強いときは水分を優先
- 経口補水液・スポーツドリンクで電解質補給:下痢でナトリウム・カリウムが急激に失われます
- 落ち着いたらおかゆから:消化が最も良くエネルギーと水分を補給できます
- バナナ・すりおろしりんご:腸内環境を整えるペクチンを含みます
- 豆腐・はんぺん・温泉卵:負担が少なく少量から試します
- 牛乳・乳製品(悪化する場合は控える)
- 脂っこいもの・揚げ物
- 食物繊維が多い野菜・豆類・玄米
- 冷たい食べ物・飲み物
- コーヒー・緑茶(腸を刺激する)
下痢・嘔吐が激しく水分補給できない場合は、早めに受診してください。
風邪の治りかけに食べたいもの
「少し楽になってきた」と感じたら、食事を段階的に通常食へ戻していくフェーズです。消化器官への負担がまだ残っているため、「消化の負担を減らしながら少しずつ戻す」ことを優先しましょう。

治りかけは「消化のいいもの→普通食」へ段階的に戻す
治りかけの胃腸はまだ完全には回復していません。症状が和らいでも段階を踏んで進めましょう。
| 段階 | 状態の目安 | 食事の内容 |
|---|---|---|
| 回復初期 | 吐き気・発熱が治まった | おかゆ(全粥→五分粥)・スープ・ゼリー |
| 回復中期 | 食欲が戻ってきた | うどん・豆腐・温泉卵・にんじんの煮物 |
| 回復後期 | ほぼ平常 | 普通の食事(脂っこいもの・アルコールはまだ控える) |
「元気になってきた」と感じても、すぐに揚げ物やアルコールに戻すのは避けましょう。消化器官が完全に戻るまでにはさらに数日かかります。東京都立病院機構も胃腸の不調時は「消化のよいものから少しずつ再開し、たんぱく質を増やしていく」「揚げ物や辛い料理を避け、薄味を心がける」よう案内しています。
治りかけにおすすめの食材と料理例
治りかけに摂りたい食材は「消化が良い」「栄養価が高い」「体に負担をかけない」の3条件です。
- うどん(煮込み):消化しやすくエネルギー補給に適しています
- 卵(温泉卵・半熟卵・卵雑炊):消化吸収率が高く(95%以上)
- 鶏むね肉・ささみ(煮る・蒸す):脂が少なく消化しやすいたんぱく質源です
- 大根・にんじん・かぶ(煮たもの):軟らかく消化しやすく、ビタミン・ミネラルを補給できます
- 納豆:発酵食品で腸内環境を整える効果も期待できます
- ヨーグルト:乳酸菌を含み消化が良く、たんぱく質も補給できます
- 鶏雑炊(鶏むね肉・卵・ねぎ・しょうが)
- うどん卵とじ(半熟卵・ねぎ・だし汁)
- 豆腐とわかめの味噌汁
- ヨーグルト+はちみつ+バナナ
回復期に注意したい食べ方のポイント
「回復した気がする」時期こそ油断は禁物です。
- アルコールはまだ控える:免疫機能が完全に回復していない状態で飲むと回復を遅らせる可能性があります
- 脂っこい食事は回復後期まで待つ:揚げ物・焼肉・ラーメンは症状が消えてから徐々に
- 無理に「補おう」としない:一度に大量に食べると胃腸に負担をかけます
- 睡眠・休養も食事と組み合わせる:無理に活動量を増やさないようにしましょう
風邪のときに食べてはいけないもの
回復を助ける食材がある一方で、風邪中に症状を悪化させたり回復を遅らせたりする食材もあります。「食べてはいけないもの」を知ることも、食べたいものを知るのと同じくらい重要です。

脂っこい食べ物:消化に負担がかかり回復を遅らせる
揚げ物・脂っこい肉料理・バター・クリーム系の料理は消化に多くのエネルギーを必要とします。免疫反応にエネルギーが使われる中で消化の負担が重なると回復のエネルギーが削られ、吐き気・胃もたれも起こしやすいため「極力控える」食材です。
- 揚げ物全般(唐揚げ・天ぷら・フライ・コロッケ)
- 脂の多い肉(バラ肉・カルビ・鶏皮付き)
- バター・マーガリン多用の料理
- クリームシチュー・グラタン・カルボナーラ
刺激の強い食べ物:のどや胃腸を傷める可能性がある
辛い食べ物(唐辛子・わさび・辛いカレーなど)や酸味の強いもの(レモン果汁の原液・お酢など)は、のどや胃の粘膜を刺激し炎症を悪化させる可能性があります。柑橘ジュースは薄めて、果物は常温で。炭酸飲料も胃を膨らませるため控えましょう。
- 唐辛子・七味・一味・タバスコ
- わさび・からし(大量使用)
- 酢の物・ピクルス(酸味が強いもの)
- 炭酸飲料(コーラ・サイダーなど)
アルコール・カフェイン:免疫機能と睡眠の質に悪影響
アルコールは免疫細胞の働きを抑制することが研究で示されており、利尿作用で水分喪失を進めます。回復するまでは禁酒が基本です。カフェイン(コーヒー・緑茶・栄養ドリンクなど)も利尿作用があり水分補給と睡眠を妨げます。発熱・発汗が続くとき、就寝前は特に控え、水・経口補水液・スポーツドリンク・温かいスープ・白湯を基本にしましょう。
食物繊維が多すぎる食材:お腹が不調のときは逆効果
食物繊維は健康的な食材の代表格ですが、下痢・腹痛があるときは逆効果です。特に不溶性食物繊維(玄米・ごぼう・さつまいも・豆類など)は腸の運動を活発にし下痢を悪化させるため、胃腸の不調時は控えましょう。
- 玄米・麦飯・全粒粉パン
- ごぼう・れんこん・さつまいも(不溶性食物繊維が多い)
- 大豆・インゲン豆・ひよこ豆などの豆類
- 海藻類(わかめ・昆布の大量摂取)
- きのこ類(しいたけ・えのきの多量摂取)
冷たい食べ物・飲み物:体を冷やして回復の妨げになる
アイスクリーム・冷やした飲み物は体温を下げる方向に働きます。悪寒がある・体が冷えているときに摂ると体温維持を妨げ、胃腸の動きも鈍らせます。のどが痛くアイスで楽になることもありますが、少量・就寝前は控えましょう。
食欲がないときの乗り切り方
食欲がまったくないのは珍しくありません。何も食べないと回復に必要なエネルギー・栄養素が枯渇してしまうため、乗り切る方法をまとめました。

食欲ゼロでも摂りたいもの:水分・電解質が最優先
食欲がゼロでも水分だけは摂り続けることが回復に不可欠です。不足すると脱水が進み、代謝・免疫機能の低下につながります。
- 経口補水液(OS-1等):水と電解質のバランスが発熱・下痢時の補給に最適化されています
- スポーツドリンク(薄めて使用):糖分が多いため水で2〜3倍に薄めましょう
- 温かいスープ(インスタント可):水分・塩分・エネルギーを同時に補給できます
- 常温の水・白湯:30分に1回、コップ1/3〜半量を目安に
成人の場合、1日1,500〜2,000mLの水分補給が目安です(発熱・下痢がある場合はこれ以上必要なことも)。厚生労働省も「のどの渇きを感じなくても、こまめに水分・塩分、経口補水液などを補給しましょう」としています。水だけだと塩分濃度が薄まるため、みそ汁などと組み合わせましょう。
少量でも栄養が取れる食材の選び方
少量でエネルギー・栄養が補える食材を選びましょう。
- バナナ:1本で約90kcal・カリウムが豊富で口に入れやすい形状です
- はちみつ(お湯に溶かして):素早いエネルギー補給ができのどにも優しい(1歳未満の乳児には使用しないこと)
- スポーツゼリー:1袋100kcal前後で水分と糖質を同時に補給できます
- おかゆ(市販の白粥):温めるだけで食べられ、1食200kcal以下が多いです
- プリン・茶わん蒸し:少量でたんぱく質・エネルギーを補給でき、のどを通りやすい
- ゼリー(果汁タイプ):水分・糖質・ビタミンCを同時に補給できます
「1口でも口にする」ことを目標にするのが現実的です。
コンビニ・スーパーで買えるおすすめ商品リスト
調理する余力がない場合は、コンビニ・スーパーの即席品を活用しましょう。
- おかゆ(パックご飯の白粥・梅粥タイプ)
- スポーツゼリー(ウイダーinゼリーなど)
- 経口補水液(OS-1、アクアソリタなど)
- スポーツドリンク(ポカリスエット・アクエリアスなど)
- 果汁100%ジュース(みかん・オレンジ系)
- バナナ
- ヨーグルト(プレーンタイプ)
- 豆腐・温泉卵(冷蔵コーナー)
- レトルトの鶏がゆ・おかゆ
- プリン・ゼリー
- レトルトスープ(野菜スープ・コンソメスープなど)
- 絹豆腐・はんぺん
- 鶏むね肉・ささみ(冷凍でもOK)
- にんじん・大根(煮込み用)
- 袋麺・冷凍うどん
ひきはじめの段階でまとめ買いしておくと安心です。
風邪のときに摂りたい栄養素
風邪のときにやみくもに食べるより、回復に関わる栄養素を意識するほうが効率的です。ビタミンC・A・たんぱく質・B群・亜鉛の5つが特に重要です。

ビタミンC:粘膜を守り白血球の働きをサポートする
ビタミンCは白血球の中に高濃度で存在し、免疫細胞が働くために必要な栄養素です。のどや鼻の粘膜のバリア機能を支えるコラーゲン合成にも関わります。水溶性で排出されやすく、継続して補うことが基本です。
- 柑橘類(みかん・オレンジ・レモン)
- キウイフルーツ
- 赤・黄ピーマン
- ブロッコリー
- いちご
ビタミンA:のどや鼻の粘膜を健康に保つ
ビタミンAは皮膚や粘膜の細胞を健康に保つ役割があり、乾燥・傷ついた粘膜の材料になります。脂溶性で油脂と一緒に摂ると吸収率が高まりますが、蓄積性があるためサプリでの大量摂取は注意が必要です。
- 鶏レバー・豚レバー(少量で効率的に摂取できますが、妊婦は過剰摂取に注意)
- にんじん(β-カロテンとして摂取後、体内でビタミンAに変換)
- ほうれん草
- かぼちゃ
- うなぎ
たんぱく質:抗体産生と体力維持の土台になる
体がウイルスに対抗する抗体はたんぱく質から作られます。発熱で基礎代謝が上がると筋肉が分解される「異化」が進むため、補給を続けましょう。
- 半熟卵・温泉卵(加熱により消化吸収しやすい)
- 豆腐・絹豆腐(軟らかく消化しやすい)
- 鶏むね肉・ささみ(脂が少なく消化負担が軽い)
- 白身魚(鮭・タラ・鯛など)
- ヨーグルト(プロバイオティクスも同時に摂取できる)
食欲がないときはプロテインドリンクも選択肢ですが、まず食材ベースで補いましょう。
ビタミンB群:エネルギー代謝と疲労回復を助ける
ビタミンB群(B1・B2・B6・B12・葉酸など)は糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変換する補酵素で、風邪中は需要が高まります。B6はアミノ酸代謝に、葉酸は免疫細胞の産生に関わります。
- 豚肉(特にビタミンB1が豊富)
- 卵
- 納豆
- 玄米・全粒粉パン(ただし風邪中は消化に注意)
- 牛乳・ヨーグルト
亜鉛:免疫細胞の産生に関わるミネラル
亜鉛は免疫細胞の産生・維持、抗体の生成、粘膜の修復に関わるミネラルです。不足すると免疫機能が低下しやすくなることが研究で示されており、発汗や食欲不振で不足しやすいため意識的に補いましょう。
- 牡蠣(亜鉛の含有量が特に多い食材)
- 牛赤身肉
- 豚レバー
- カシューナッツ・アーモンド(少量でも補給できる)
- 納豆・豆腐
過剰摂取は銅の吸収を妨げる可能性があるため、サプリでの大量摂取は避け、食材から補うことが基本です。
風邪のときに食事が大切な理由
体調が悪いときだからこそ、食事が回復のカギを握ります。食欲がなくても「少量・こまめ」を続けることが重要です。

食事で回復をサポートできる3つの理由
1. 免疫細胞を動かすエネルギー源になる:免疫細胞のエネルギー源は糖質・たんぱく質・脂質で、不足すると免疫の働きそのものが低下します。
2. 粘膜の修復に必要な材料を補給できる:のどや鼻の粘膜はウイルスの侵入でダメージを受けており、ビタミンA・C・たんぱく質・亜鉛が修復に関わります。
3. 脱水・低血糖を防ぐ:発熱・発汗・下痢・嘔吐で水分と電解質が急激に失われます。食事は水分・電解質・エネルギーを同時に補給できます。
風邪中に失われやすい栄養素とは
発熱・発汗・下痢・食欲不振が重なる風邪中は、特定の栄養素が急速に消費・排出されます。
- ビタミンC:白血球の働きをサポートし、発熱時は消耗が速まるとされています
- 亜鉛:免疫細胞の産生・維持に関わり、発汗や食欲不振で不足しやすくなります
- たんぱく質:抗体産生の材料。食欲不振が続くと供給が途絶えます
- 電解質(ナトリウム・カリウム):発汗・下痢で急速に失われ、経口補水液で補うのが基本です
- ビタミンB群:エネルギー代謝・免疫機能に関わり、食欲が落ちると摂取量が減ります
おかゆ・味噌汁・果物・ゼリーなどから少しずつ補うだけで、食べないよりはるかに状況が改善します。
食欲がない日も「少量・こまめ」が基本
無理に大量に食べる必要はありません。消化器官も免疫反応に巻き込まれているため、消化に多くのエネルギーを使う食事は逆効果になります。
- 1回の量を減らして回数を増やす:2〜3時間おきに少量ずつ口にする
- 消化の良いものを優先:おかゆ・うどん・スープ・ゼリーなど
- 水分は食事外でもこまめに補給:常温の水・経口補水液・スープを30分おきに少量
- 「食べられない」なら水分だけでも続ける:スープや果汁・経口補水液を優先する
食欲がない状態が3日以上続く場合は、医療機関への受診も検討しましょう。
子ども・高齢者・妊婦の風邪時食事の注意点
風邪中の食事の基本は共通していますが、子ども・高齢者・妊婦にはそれぞれ特有のリスクがあり、形状・量・食材選びへの配慮が必要です。

子どもの風邪時食事:食べやすい形状と量の工夫
子どもは大人より体内の水分比率が高く脱水が進みやすいため、発熱・下痢・嘔吐が続く場合は水分補給を最優先に考えましょう。
- 水分補給が最優先:子ども用経口補水液・麦茶・薄めたスポーツドリンクを少量ずつこまめに。1〜2歳未満は麦茶・白湯が基本
- 1歳未満には絶対にはちみつを与えない:乳児ボツリヌス症の危険があります
- 食べやすい形状を工夫する:おかゆ・やわらかく煮たうどん・スープ・プリン・バナナなど少量ずつ
- 量は少なくて良い:食欲がないときは無理に食べさせず、水分補給を続ける
- 発熱後は消化の良いものから再開:おかゆ→うどん→普通食と段階的に
39℃以上の高熱・3日以上の症状継続・水分が摂れない場合は、早めに小児科を受診してください。
高齢者の風邪時食事:低栄養・脱水のリスクに注意
高齢者は体内の水分量が少なく脱水リスクが高いうえ、喉の渇きの感覚も鈍るため意識的な水分補給が大切です。
- のどが渇いていなくてもこまめに水分を与える:1時間に1回、コップ半量でも構いません
- 嚥下に配慮した食形状:やわらかく煮る・とろみをつけるなど誤嚥に注意
- たんぱく質を積極的に摂る:不足すると筋力低下(サルコペニア)のリスクが高まります
- 低栄養に注意:食欲が低下しやすく、少量でも口にし続ける姿勢が重要です
39℃以上の高熱・意識がぼんやりする・水分が飲めない状態が続く場合は、重篤化しやすいためすぐに受診しましょう。
妊婦の風邪時食事:避けるべき食材と栄養バランスの考え方
妊婦の風邪中の食事は、お母さんの回復と赤ちゃんへの安全性の両方を考えます。
- 市販の薬の使用は医師・薬剤師に必ず相談:妊娠中に使用できない成分が含まれている場合があります
- ビタミンAの過剰摂取に注意:レバーの大量摂取は控え、にんじん・かぼちゃなど植物性のβ-カロテンは問題なし
- 生食を避ける:生牡蠣・生卵・刺身は食中毒リスクが高まるため加熱したものを
- 水分補給を特に意識する:羊水・血液量の増加で水分需要が高く脱水に注意が必要です
妊娠中の風邪は医師に相談が基本です。高熱・咳がひどい・息苦しいなどの症状があれば、すぐに産婦人科・かかりつけ医に連絡してください。
腸内環境を整えて免疫をサポートする食事習慣
風邪を引きやすい体質を根本から変えるなら、日常的な腸内環境の管理が欠かせません。腸は免疫の7割が集中していると言われ、腸内フローラを整えることが全身の免疫機能のサポートにつながります。
用語メモ|腸内フローラ腸のなかにすむ細菌の集まりのことです。種類ごとにまとまっている様子がお花畑(フローラ)に見えることから、こう呼ばれます。腸内細菌叢(そう)とも書きます。

腸管免疫と全身の免疫力のつながり
腸には「腸管免疫」と呼ばれる機能が集中しており、全身の免疫細胞の約70%が腸粘膜に存在するとされています。腸の粘膜のリンパ組織(パイエル板など)は食事から入る異物・病原体にいち早く反応し、全身の免疫系に情報を伝達します。善玉菌(乳酸菌・ビフィズス菌など)が優位だと腸粘膜のバリア機能が維持されやすく、乱れるとバリアが弱まり全身の免疫にも影響します。
腸活に役立つ食材:発酵食品・食物繊維・オリゴ糖
腸内フローラを整える食材は「プロバイオティクス(善玉菌を補う)」「プレバイオティクス(善玉菌のエサになる)」の2種類に分けられます。
- ヨーグルト:乳酸菌・ビフィズス菌を含む代表的な発酵食品。毎日100〜200g程度の継続摂取が推奨されています(アサヒグループ商品は除きます)
- 納豆:納豆菌と食物繊維が同時に摂れます。1日1パックの習慣化が効果的です
- みそ:毎日の味噌汁で手軽に継続できます
- キムチ・ぬか漬け・漬け物(乳酸発酵のもの):多様な乳酸菌を含みますが、塩分の摂りすぎに注意しましょう
- 甘酒(米麹):腸内環境の改善に役立つ酵素・オリゴ糖を含みます
- 食物繊維が豊富な野菜:ごぼう・たまねぎ・ブロッコリー・にんじんなど
- 海藻類:わかめ・昆布・めかぶなど、水溶性食物繊維が豊富
- オリゴ糖を含む食品:バナナ・たまねぎ・大豆・にんにく・アスパラガスなど
普段の食事で腸内環境を整えることが風邪予防の基盤になる
腸内環境を整える取り組みは、一時的でなく習慣として続けることが重要です。毎日「発酵食品1品+野菜or食物繊維1品」を意識するだけでも改善が期待できます。もっと本格的に取り組みたい方は以下の関連記事もどうぞ。
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風邪予防に普段から食べたいもの
風邪をひかない体をつくるには、免疫力を日常的に維持する食事が基盤になります。特別な健康食品よりも、毎日の食事の質を少しずつ上げることが効果的です。

免疫力を維持するために毎日意識したい食材
毎日継続的に摂りたい食材です。
たんぱく質(毎食意識して摂る):免疫細胞・抗体の材料となるため、鶏肉・魚・卵・豆腐・納豆などを摂りましょう。
ビタミンC(毎日継続して摂る):体内に蓄積できないため、みかん・キウイ・ブロッコリー・赤ピーマンから毎日補いましょう。
ビタミンD:免疫機能の調整に関わり、不足すると感染リスクが高まることが研究で示されています。冬季・室内勤務が多い方は不足しやすく、鮭・さんま・いわし・きのこ類で補えます。
亜鉛:現代の食生活では不足しやすく、牡蠣・牛赤身肉・豚レバー・ナッツ類・納豆で補えます。
発酵食品(毎日1品):ヨーグルト・納豆・味噌・ぬか漬けから1品を毎日組み込みましょう。
季節の変わり目に特に意識したい食事のポイント
春・秋は気温差で体調が崩れやすくなります。
- 体を温める食材を意識する:しょうが・ねぎ・にんにく・根菜類(にんじん・ごぼう・かぼちゃ)を
- 冷え対策の飲み物を習慣化する:冷たい飲み物を控え、温かいスープ・白湯・しょうが湯を
- 栄養素が偏らないメニュー構成:ビタミンC・D・亜鉛・たんぱく質を毎食意識する
- 睡眠・ストレス管理も:睡眠不足・慢性ストレスは免疫機能を低下させます
食事だけで不足するときはサプリメントを活用する
食事だけで栄養素を補うのが難しい場合、サプリメントも選択肢です。特にビタミンC・D・亜鉛・乳酸菌(プロバイオティクス)は不足しがちな栄養素として多く販売されています。
「栄養素をまかなえているか不安」という方には、複数の成分をまとめて補える食品を知っておくことも備えになります。THE MENEKIは乳酸菌20種類以上を含む善玉菌25種類以上に、ビタミンD・βグルカン・亜鉛を組み合わせ、歯磨き後に2粒舐めるタブレットにまとめています。
食事の代わりではなく、食生活を補う位置づけです。体質との相性には個人差があります。選ぶ際のポイントをまとめます。
- 成分の含有量が明確なものを選ぶ:「〇〇mg配合」と配合量が明示されているものを優先する
- 品質管理が明確なものを選ぶ:GMP認定工場での製造など品質基準が明示されているもの
- 医薬品との相互作用に注意する:服用中の方はサプリ追加前に医師・薬剤師に相談する
- 過剰摂取に気をつける:ビタミンA・Dは脂溶性で過剰摂取のリスクがあります
サプリは食事の「補助」です。日常の食事を整えたうえで不足分を補う考え方が基本です。
関連情報は免疫力サプリおすすめランキング|免疫を支える成分から選び方をわかりやすく解説もあわせてご覧ください。
こんなときは病院へ:風邪の受診目安
食事の工夫は回復をサポートしますが、以下のサインが出ているときは食事より先に受診を優先してください。

38.5℃以上の高熱が続く・3日以上改善しない
38.5℃以上の高熱が続く、あるいは症状が3日以上改善しない場合は受診が必要なサインです。体力消耗や脱水のリスクのほか、インフルエンザ・コロナウイルス感染症・細菌性肺炎の可能性もあります。
- 子どもで39℃以上の高熱が続く
- 高齢者・基礎疾患のある方の発熱
- 解熱剤が効かない・または一度下がってまた上がる
呼吸が苦しい・胸の痛みがある
息切れ・呼吸困難・胸の圧迫感や痛みが出た場合は、肺炎・気管支炎・心臓への影響の可能性があります。安静にしながら救急(119)または医療機関へ連絡してください。
意識がぼんやりする・水分が飲めない
意識が朦朧とする・呼びかけへの反応が悪いといった症状は、脱水・高体温・電解質異常などの危険なサインの可能性があります。水分が飲み込めない、飲んでもすぐ嘔吐する状態が半日以上続く場合も点滴などの医療処置が必要です。乳幼児・高齢者は迷わず救急対応を検討してください。
食事の工夫だけでは対応できないサインを見落とさない
以下も、食事の工夫よりも医療対応が必要なサインです。
- 喉の腫れが強く飲み込めない・声が変わった(喉頭炎・扁桃炎の可能性)
- 耳が痛い・聞こえにくい(中耳炎の可能性)
- 顔・頬の痛み・頭が重い症状が続く(副鼻腔炎の可能性)
- 皮膚に発疹が出た
- 市販薬を使っても症状が良くならない
「なんとなく変」と感じたら、かかりつけ医への電話相談から始めるのも選択肢です。
よくある質問
風邪の食事について、よく寄せられる疑問に短く答えます。

風邪のときにお粥しか食べていないのは大丈夫?
短期間(1〜2日)であれば問題ありません。ただし長期間続けるとたんぱく質・ビタミン・ミネラルが不足するため、体調が戻ったら卵・豆腐・白身魚・ヨーグルトをトッピングしましょう。3日以上続く場合は受診も考慮してください。
風邪のときに卵は食べてもいい?
はい、卵は風邪のときにおすすめできる食材です。消化吸収率が高く(加熱で95%以上)、たんぱく質・ビタミン(A・B群・D)・亜鉛を含みます。温泉卵・半熟卵・茶わん蒸しなどで。生卵は消化吸収率がやや下がる(約51%)ため加熱がおすすめです。
「一晩で治す食べ物」は本当にある?
残念ながら、「一晩で風邪を治す食べ物」は存在しません。ウイルス性の風邪は免疫システムがウイルスを排除するまでに時間が必要で、食べ物は回復を「早める」サポートはできても「治す」働きは期待できません。ひきはじめの早期対処(休息・水分補給・栄養補給・体を温める)は回復を後押ししますが、一晩で治るわけではありません。
風邪のときにスポーツドリンクは飲んでいい?
はい、水分補給の手段として活用できます。水分・糖質・電解質を含み喪失を補えますが、経口補水液より糖分が多く、胃腸が弱っているときに一気に飲むと吐き気を誘発することがあります。
- 胃腸が弱っているときは水で2〜3倍に薄めて少量ずつ飲む
- 発熱・嘔吐・下痢が激しいときは経口補水液(OS-1等)を優先する
- 子ども・高齢者に与えるときは特に薄めて使う
- 糖分が多いため、歯磨きの習慣も忘れないようにする
まとめ
風邪のときの食事は、「何を食べればいいか」だけでなく「何を食べてはいけないか」「症状によって何が違うか」「タイミングによって何が変わるか」という複数の視点で考えることが大切です。
- 摂りたい栄養素はビタミンC・A・たんぱく質・亜鉛が中心。不足しがちな栄養素を意識した食材選びが回復をサポートする
- 症状別(のど・発熱・鼻水・下痢)とタイミング別(ひきはじめ・ピーク・治りかけ)の2軸で食事を変えることが大切
- 食べてはいけないものは「脂っこいもの・アルコール・刺激物・冷たいもの」が基本。食欲がない日は水分と電解質を最優先にする
- 子ども・高齢者・妊婦は特有のリスクがあるため、形状・量・食材選びに注意が必要
- 腸内環境を整えることは日常的な免疫ケアの基盤。発酵食品・食物繊維の習慣化が長期的な体調管理につながる
- 高熱・3日以上の症状持続・呼吸困難などは迷わず受診を。食事の工夫は医療の補助として位置づける
参考文献
- 厚生労働省「e-ヘルスネット かぜ(感冒)」
- 厚生労働省「e-ヘルスネット ビタミンCの働きと1日の摂取量」
- 厚生労働省「e-ヘルスネット ビタミンAの働きと1日の摂取量」
- 厚生労働省「e-ヘルスネット 亜鉛の働きと1日の摂取量」
- 厚生労働省「e-ヘルスネット 腸内フローラ」
- インフルエンザ(詳細版)|国立健康危機管理研究機構
- 農林水産省「食事バランスガイド」
- 熱中症予防のための情報・資料サイト|厚生労働省
- 東邦大学医療センター佐倉病院小児科「下痢・嘔吐があるときの食事のすすめかた」

