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「最近スーパーでよく見かけるもち麦、実際どんなものなの?」そんなふうに気になっている方は多いのではないでしょうか。健康番組や腸活特集で名前を聞く機会が増え、なんとなく体によさそうとは知っていても、白米とどう違うのか・どうやって使えばいいのかはよくわからない、という方も少なくありません。
この記事では、もち麦とはどんな食材なのかという基本から、白米との栄養の違い、注目の食物繊維(β-グルカン)の働き、基本の炊き方まで、もち麦を初めて取り入れる方が知っておきたいことをひとまとめにしています。
もち麦とは大麦の「もち性」品種のこと
もち麦は大麦の一種で、でんぷんの成分がもち米に近い「もち性」の品種です。白米とは異なる独特のぷちぷち・もちもち食感が特徴で、水溶性食物繊維(β-グルカン)が豊富に含まれています。近年は腸活・健康志向の高まりとともに広く注目されています。

うるち性と「もち性」の大麦の違い
大麦にはお米と同じように「うるち性」と「もち性」の品種があります。うるち性の大麦(押し麦など)はさっぱりとした食感が特徴で、昔ながらの麦ご飯によく使われてきました。一方、もち性の大麦(これが「もち麦」)はでんぷん成分の大半をアミロペクチンが占めているため、粘りが強く、もちもちとした食感が生まれます。
また、もち麦はうるち性の大麦に比べて水溶性食物繊維(β-グルカン)をより多く含みます。一般的にもち性品種にはうるち性品種の約1.5倍のβ-グルカンが含まれるとされており、これが腸活や健康管理で注目される大きな理由のひとつです。
もち麦のぷちぷち食感が生まれる理由
もち麦のぷちぷち感は、外皮(または外皮に近い部分)の弾力と粒の構造から生まれます。白米のように軟らかく崩れることなく粒感が残るため、よく噛んで食べることにもつながります。よく噛むことで満腹感を得やすくなる点も、食事管理を意識している方に歓迎されている理由のひとつです。
スーパーで売られているもち麦の種類
スーパーでは主に「精白もち麦」と「丸麦(半精白)もち麦」の2タイプが並んでいます。精白もち麦は外皮を完全に取り除いたもので白米に近い見た目をしており、クセが少なくて食べやすいのが特徴です。丸麦タイプは外皮を一部残しているため茶色がかっており、食感がよりしっかりしています。初めての方にはクセの少ない精白もち麦からスタートするのがおすすめです。
もち麦と白米の違いを比べてみよう
もち麦と白米は同じ主食でも、栄養成分の構成が大きく異なります。特に食物繊維の量に顕著な差があり、白米100gに含まれる食物繊維が0.5gであるのに対し、もち麦は乾燥状態で約9.0g含まれています。カロリーや糖質の差はそれほど大きくないため、食物繊維を増やしたい場合に置き換えやすい食材です。

食物繊維の量に大きな差がある
最も注目すべき違いは食物繊維の量です。日本食品標準成分表(2020年版・八訂)によると、乾燥状態100gあたりの食物繊維は精白米が約0.5gなのに対し、もち麦は約9.0gとなっています。炊飯後のもち麦(蒸し)でも100gあたり水溶性食物繊維が3.8g含まれており、日常的に食物繊維が不足しがちな現代の食生活を補うのに適した食材です。
食物繊維の1日の目標摂取量は、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」において成人男性で20g以上、成人女性で18g以上とされていますが、実際の平均摂取量は約14〜18g前後で目標に届いていない方が多い状況です。もち麦を白米に混ぜることで、毎日の食事から無理なく食物繊維を補うことができます。
カロリーと糖質はどのくらい違う?
「主食を変えるならカロリーが気になる」という方も多いと思います。乾燥状態での比較では、もち麦100gが約346kcal、白米が約358kcalとほぼ同等です。糖質についても、もち麦100gが約65g、白米が約77gと差はありますが、それほど大きくはありません。
ただし、炊飯後の重量に違いがあります。白米は炊き上がりが約2.2倍になるのに対し、もち麦は水分をより多く吸収して約2.8〜3倍になります。つまり同じお茶碗1杯分でも、もち麦ご飯の方が水分を多く含んでいる分、摂取カロリーと糖質が抑えやすくなります。
| 比較項目 | 白米(乾燥100g) | もち麦(乾燥100g) |
|---|---|---|
| カロリー | 約358kcal | 約346kcal |
| 糖質 | 約77g | 約65g |
| 食物繊維 | 約0.5g | 約9.0g |
ミネラル・ビタミンB群でも白米を上回る
もち麦は食物繊維だけでなく、マグネシウム・カルシウム・カリウムなどのミネラル、そしてビタミンB1も白米より豊富に含んでいます。精白米の製造過程で失われがちな栄養素を補える点でも、もち麦は主食として取り入れる価値があります。
もち麦に含まれる食物繊維の特徴
もち麦の食物繊維の最大の特徴は、水溶性と不溶性の両方をバランスよく含む点にあります。特に水溶性食物繊維β-グルカンは、もち麦の水溶性食物繊維の約7〜8割を占め、腸内でゲル状になってゆっくりと消化吸収を調整します。この2種類の食物繊維がそれぞれ異なる働きで腸のコンディションをサポートします。

β-グルカンとはどんな成分か
β-グルカンは、大麦やオーツ麦などの穀物に多く含まれる水溶性食物繊維の一種です。ヒトの消化酵素では分解できないため、胃腸でゆっくりと消化されながら大腸まで届きます。水に溶けるとゼリー状(ゲル状)になる性質を持ち、腸内での糖の吸収をゆるやかにする働きが報告されています。
欧州食品安全機関(EFSA)は、大麦のβ-グルカンについて血中コレステロール値の正常化と食後の血糖上昇を抑えることへの効果を認めており、世界的にも研究が進んでいる成分です。
水溶性と不溶性の食物繊維が両方入っている
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があり、それぞれ異なる働きをします。
水溶性食物繊維(β-グルカンなど)は、腸内でゲル状になりながら糖や脂質の吸収をゆるやかにするほか、腸内細菌のエサとして発酵されます。不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して膨らみ、便のかさを増やして腸の動きを助けます。
もち麦は蒸した状態で水溶性食物繊維が約3.8g、不溶性が約1.5g(100gあたり)と、水溶性が多めでバランスよく含まれています。この比率が腸内環境をサポートする上で理想的とされています。
ごぼうや玄米との量の比較
食物繊維の多い食材として知られるごぼうの食物繊維は100gあたり約5.7g(生)、玄米(炊飯後)は約1.4gです。もち麦(炊飯後)の食物繊維は100gあたり約5.3gと、主食として食べる食材の中では群を抜いた量を含んでいます。毎日のご飯に混ぜるだけで摂れる点が、他の食材と比べたときの大きなアドバンテージです。
β-グルカンが腸内環境に働きかける仕組み
もち麦のβ-グルカンは大腸まで届き、腸内細菌のエサとして発酵されます。この発酵によって短鎖脂肪酸が産生され、腸内を弱酸性に保ちながら腸内フローラのバランスをサポートします。農研機構の介入試験では、β-グルカンを多く含む大麦の麦ご飯を12週間食べ続けた内臓脂肪肥満の被験者の内臓脂肪面積が有意に低下したことが確認されています。

大腸で善玉菌のエサになる発酵性食物繊維
β-グルカンは、腸内で発酵しやすい「発酵性食物繊維」の代表格です。大腸に届いたβ-グルカンは、ビフィズス菌やバクテロイデス菌など体に有益な腸内細菌のエサとなり、これらの善玉菌の増殖をサポートすることが研究で示されています。
食物繊維は腸の動きを助けるだけでなく、腸内の菌叢に直接働きかける点でも重要な役割を担っています。
短鎖脂肪酸の産生で腸内フローラを整える
腸内細菌がβ-グルカンを発酵させるとき、酪酸・酢酸・プロピオン酸などの「短鎖脂肪酸」が産生されます。短鎖脂肪酸は腸内を弱酸性に保つことで、有害な菌の増殖を抑える環境をつくります。また大腸の粘膜細胞のエネルギー源にもなり、腸のバリア機能のサポートに関わることが知られています。
セカンドミール効果で翌食後の血糖上昇も穏やかに
もち麦のβ-グルカンには「セカンドミール効果」と呼ばれる働きも報告されています。朝食にもち麦を食べると、昼食後の血糖値の上昇も穏やかになりやすいという現象です。β-グルカンが腸内でゆっくり発酵されることで、次の食事の消化吸収にも影響を与えると考えられています。
毎日の食事からβ-グルカンを摂り続けることは、腸内環境のサポートにつながります。一方で、食事から摂れる菌のバリエーションには限りがあることも事実です。多種多様な菌を食事と組み合わせて補うことが、腸内フローラを幅広くサポートするうえで参考になる考え方のひとつです。
もち麦の基本の炊き方と割合
もち麦は白米に混ぜて炊くだけで手軽に取り入れられます。最も基本的な割合は白米1合に対してもち麦50g(大さじ4杯程度)で、加える水はもち麦分の2倍量(100ml追加)が目安です。初めての方は少量から始めて、お好みで割合を調整してください。

はじめての人は白米1合にもち麦50gから
| 白米の量 | もち麦の量 | 追加する水 |
|---|---|---|
| 1合(約150g) | 50g(大さじ4) | 100ml |
| 2合(約300g) | 100g | 200ml |
| 3合(約450g) | 150g | 300ml |
はじめての方は白米1合にもち麦を大さじ1〜2杯(約15〜30g)から試してみて、食感や風味に慣れてきたら少しずつ割合を増やすのがおすすめです。もち麦の割合が多くなるほど食物繊維量も増えますが、最初から多量に摂ると消化器への負担を感じることがあるため、無理のない量から始めましょう。
炊飯器での手順と水加減の目安
- 白米はいつも通り洗ってから炊飯器に入れる
- もち麦は洗わずそのまま加える(洗っても問題ない)
- 白米の通常水加減に加え、もち麦の重量の2倍量の水を追加する
- 通常の白米モードで炊飯する(麦ご飯モードがある場合はそちらを使用)
水の量が少ないともち麦が硬く仕上がることがあるため、最初は目安量どおりに試して、次回から好みに合わせて微調整するとよいでしょう。
茹でもち麦としてストックする方法
もち麦は「茹でもち麦」として作り置きしておくことも便利です。たっぷりの湯でもち麦を入れ中火で15〜20分ほど茹で、ざるにあけて水洗いしたら完成です。冷凍保存しておけば、スープや味噌汁・サラダへの「ちょい足し」に手軽に活用できます。
腸にいい食べ物全般について詳しく知りたい方は、善玉菌を育てる食材の選び方をまとめた記事もあわせてご覧ください。
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もち麦を毎日続けるためのコツ

混ぜる割合を少しずつ増やして慣らす
もち麦特有のぷちぷち感やほのかな穀物の風味が気になる方は、最初は白米9割:もち麦1割の割合から始めてみましょう。慣れてきたら2割・3割と増やしていくことで、無理なく続けやすくなります。割合が少なくても毎日続けることで、食物繊維の摂取量を積み上げることができます。
茹でもち麦を冷凍しておくと続けやすい
まとめて茹でて小分けに冷凍しておくと、忙しい日でもすぐに使えます。味噌汁・スープ・サラダなどに凍ったまま入れるだけで手軽に栄養をプラスできます。もち麦の冷凍保存の目安は約1ヶ月です。
もち麦生活で注意したいこと
食物繊維を急に大量に摂ると、腸が慣れていないためお腹の張りや不快感を感じることがあります。水分をしっかり摂りながら、少量から始めることが大切です。また、小麦アレルギーのある方は大麦にも反応する可能性があるため、かかりつけ医に相談のうえ取り入れるようにしてください。
まとめ
もち麦とは、大麦の「もち性」品種で、白米と比べて食物繊維(特にβ-グルカン)が豊富な主食です。β-グルカンは腸内細菌のエサとして発酵され、短鎖脂肪酸の産生を通じて腸内フローラをサポートすることが研究で示されています。炊き方は白米1合にもち麦50g・水100ml追加の基本比率から試すと手軽に始められます。毎日の主食をもち麦ご飯に切り替えるだけで、食物繊維の摂取量を日常的に底上げできます。

