女性の免疫力低下の原因は?ホルモンの波で崩れやすい時期と整え方

免疫・風邪・体調管理

「生理前になると決まって口内炎ができる」「産後から風邪が長引くようになった」「更年期に入ってから、疲れが翌日に残る」。思い当たる方は、そのとき免疫の働きが揺れていたのかもしれません。

女性の免疫力低下の原因は、ひとつではありません。女性ホルモンの波に、眠りの浅さ、鉄などの栄養不足、腸と口の環境の乱れが重なって起こります。

4つの原因と、「自分はどの時期に崩れやすいか」を確かめる表を用意しました。まず何から整えるかを、一緒に見ていきましょう。

女性の免疫力低下はホルモンの波に生活の負担が重なって起きる

女性の免疫力低下は、女性ホルモンの波が揺らすところに、睡眠不足や栄養不足、腸と口の環境の乱れが重なって起きます。原因は大きく4つに分けられ、どれが強く出るかはライフステージで変わります。

原因は4つに分けられる

女性に多い原因を4つにまとめました。全部に当てはまる必要はないので、気になる行から読んでください。

原因女性に多い理由詳しく見る章
女性ホルモンの波生理周期・妊娠・更年期で分泌量が大きく変わるホルモンの波
ダイエットと鉄不足20〜30代女性の5人に1人がやせ。月経で鉄が失われる栄養不足
腸と口の環境の乱れ腸内細菌は免疫の調整に関わり、口の中の菌はホルモンの影響を受ける腸と口
眠りの浅さとストレス不眠の悩みは女性に多く、更年期には4〜6割が抱える眠りとストレス

自分が崩れやすい時期をチェックする

同じ女性でも、崩れやすい時期は人によって違います。次の表で、いちばん近い行を探してください。

崩れやすい時期出やすいサインまず整えること
生理前(排卵後から生理まで)眠りが浅い、日中の眠気、口内炎、歯ぐきの腫れ就寝時刻を固定し、周期を記録して不調の時期を先読みする
産後・授乳期疲れが抜けない、だるい、風邪が長引く鉄とたんぱく質を毎食に入れる。短くても横になる時間を確保する
更年期(閉経の前後5年ずつ)寝つけない、途中で目が覚める、ほてり、口の乾き6時間以上の睡眠を優先する。歯ぐきと口の乾きのケアを足す
ダイエット中だるい、疲れやすい、爪が弱る、体が冷えやすい食事を抜かず、赤身の肉や魚で鉄を補う

当てはまる行が2つあっても構いません。どの行にも共通するのは「眠り」と「鉄」で、ここから手をつけると立て直しが早くなります。

女性ホルモンの波が免疫の働きを揺らす

エストロゲンとプロゲステロンは、月経周期の中で増えたり減ったりします。この2つは免疫細胞の働きにも関わり、たとえばエストロゲンには抗体を作る細胞の働きを強める面があることが研究で示されています。分泌量が大きく動く時期ほど体調が崩れやすく、女性の一生では生理前・妊娠と産後・更年期の3つが大きな波です。

生理前は体温とホルモンが変わり不調が出やすい

生理が始まってから排卵までは、エストロゲンが徐々に増えます。排卵のあとはプロゲステロンが増え、基礎体温が高くなり、深部体温の1日のメリハリがなくなります。

この黄体期(排卵後から生理まで)は、眠りが浅くなり、日中の眠気が強まります。生理前に口内炎ができる、風邪をひきやすいと感じる方は、この時期の眠りの浅さが回復を遅らせている場合があります。

妊娠と産後は変化がいちばん大きい

妊娠するとエストロゲンもプロゲステロンも大きく増え、出産を経て授乳期には急激に減ります。妊娠中はプロゲステロンの影響で眠気が増える一方、深い眠りが減り、途中で目が覚めやすくなります。

産後はこの急な変化に、夜間の授乳と細切れの睡眠が重なります。「産後から風邪が長引く」と感じるのは、体がいちばん大きな波を越えている最中だからです。

更年期はエストロゲンが揺れながら減る

閉経の前5年と後5年を合わせた10年間が更年期で、日本人女性の閉経は50歳前後です。この時期はエストロゲンが大きく揺れながら減っていき、のぼせや発汗、動悸がきっかけで深く眠れない日が増えます。

免疫の働きは年齢とともにも変わります。年代ごとの整え方は40代から免疫の働きはどう変わるかで、生活習慣の順番まで書いています。

関連記事40代から免疫の働きは変わる?年代に合わせて整える生活習慣|今日からできること年代とともに変わる体に合わせた生活習慣を、今日からできる形で紹介。

ダイエットと鉄不足は免疫の材料を削る

免疫細胞も抗体も、材料はたんぱく質や鉄などの栄養です。食事量を減らすダイエットと、月経による鉄の喪失が重なると、材料が足りなくなります。20〜30代女性の5人に1人がやせに当てはまり、鉄は多くの女性で目安量に届いていません。

20〜30代女性の5人に1人が「やせ」

令和5年の国民健康・栄養調査では、BMI18.5未満のやせの割合は女性全体で12.2%、20〜30代では20.2%でした。体重を落とす必要がないのに食事を減らしている方が多いことが背景にあります。

食べる量を減らすと、まずたんぱく質が足りなくなります。だるさや疲れやすさ、肌や髪の変化が出てきたら、たんぱく質が不足したときのサインを一度確かめてください。

鉄は多くの女性で1日の目安に届いていない

月経のある女性の鉄の推奨量は、18〜29歳で1日10.0mg、30〜49歳で10.5mgです。実際にはこれに届かない女性が多く、鉄が足りないと、だるい・疲れやすいという自覚症状や、爪の変形が出ます。

鉄は赤身の肉や魚、ほうれん草などの緑葉野菜に多く、ビタミンCを含む果物と組み合わせると吸収が高まります。経血が多い方は貯蔵鉄が減りやすく、眠りを妨げるむずむず脚の症状も出やすくなるので、鉄は眠りのためにも欠かせません。

外に出る時間が短く日光に当たらない日が続く方は、ビタミンDと免疫の関係も合わせて読んでみてください。

腸と口の環境はホルモンの波の影響を受けやすい

腸内細菌は免疫の調整に関わり、口の中の菌のバランスは女性ホルモンの増減で変わります。生理前や妊娠中に歯ぐきが腫れる、朝起きると口がネバつくという変化は、その表れです。ここは毎日の習慣で整えられる数少ない場所なので、波の時期を乗り切る力になります。

腸内細菌が免疫の調整に関わる

腸内細菌が食物繊維から作る酪酸は免疫系に働き、炎症を抑える制御性T細胞を増やすことがわかっています。食物繊維が多い食事を与えたマウスほど、酪酸が多く作られていました。

つまり、野菜・海藻・きのこ・雑穀を食べることは、免疫の調整役を腸で育てることにつながります。何から手をつけるかは腸活は何から始めるかにまとめています。

生理前や妊娠中は歯ぐきが腫れやすい

妊娠中は歯周病が起こりやすいことが知られています。排卵日や妊娠中に女性ホルモンが増えると、特定の歯周病原菌が増え、体の免疫の反応も変わります。

朝起きたときに口がネバつく、歯みがきで出血する、口臭が気になる。この3つが増えてきたら、口の中の菌のバランスが崩れているサインです。生理前の口臭が気になる方は女性の口臭とホルモンの関係も参考になります。

ホルモンの波は止められません。けれど、腸と口の菌のバランスは毎日の習慣で整えられます。食事で食物繊維を増やしながら、歯みがきのあとに口の中の菌に届くケアを足しておくと、生理前や更年期の崩れやすい時期にも立て直しが早くなります。薬のように症状を抑えるものではなく、日々のコンディションを支える習慣として、無理なく続くものを選ぶのが長続きのコツです。

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眠りとストレスのケアで回復の時間を守る

免疫の働きは、睡眠や体温、ホルモン分泌と同じ約24時間のリズムで動いています。眠りが削られると、この回復の時間が削られます。目安は6時間以上。時間が取れない時期は、起床時刻の固定と朝の光で「休めた感覚」を守ってください。

不眠の悩みは女性に多い

成人の30〜40%が何らかの不眠症状を持ち、女性に多いことが知られています。更年期の女性では4〜6割が睡眠の悩みを抱えています。原因で多いのはストレスで、不眠が続くこと自体が新たなストレスになります。

「眠れないのは気のせい」と片づけないでください。生理前の眠りの浅さも、更年期の途中で目が覚める夜も、体の仕組みとして起こるものです。

6時間以上を目安に、休めた感覚で判断する

適正な睡眠時間には個人差がありますが、成人は6時間以上が目安です。時間だけでなく、朝起きたときに「休めた」と感じられるかどうかも大切な物差しになります。

<p class=”hm-term”><b>用語メモ|睡眠休養感</b>睡眠で休養がとれたという感覚のこと。時間が足りていても、この感覚が低いと日中の不調につながります。</p>

今日からできることは3つです。

  1. 就寝と起床の時刻を、休日もできるだけ同じにする
  2. 寝室にスマートフォンを持ち込まず、朝は太陽の光を浴びる
  3. 月経周期を記録し、眠りが浅くなる時期には予定を詰めない

季節の変わり目に崩れやすい方は、寒暖差と自律神経の整え方も合わせてどうぞ。

まとめ

女性の免疫力低下は、ホルモンの波に、眠り・鉄・腸と口の環境の乱れが重なって起きます。波そのものは止められませんが、重なる要素は減らせます。

まずはチェック表でいちばん近い時期を見つけ、「眠り」と「鉄」のどちらか1つから手をつけてください。完璧に整えるより、崩れやすい時期を先に知っておくことが、いちばんの備えになります。

参考文献

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